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ボルクからの迷宮試練!  

バルクをボルクに修正。

「実況のキロウでーす。今は薄暗い迷宮の8階にきていまーす」

「……誰に言ってんの?」


 8階になり、大きさと素早さが上がったうエコーバットを簡単に切り捨てながらカルーが聞いてくる。


「うん。ボルクのじいさんが言った、ふざけたミッションに対する心ばかりのおふざけだ」

「まあ、わからなくも無いけどね。10階まで行って戻ってこいって」


 カルーも力なく笑っている。10階まで行って転移で戻れば早いんだけど、転移の首輪無しでって……。あんたはボルクか……あれ?


 エコーバット装備! キテます、キテます!


「芋虫が居るみたいだから、別の道に行こう」

「そうか、頼む」


 相変わらず毛虫がダメなカルー。エコーバットの羽の部分掴んでないで歩け!


「それにしても……」

「ん?」


 背後から団体さんが来てるみたいだけど、『ぶっ殺す』や『面子取り戻せば……』等と言っている。

 よくわからんが、近づいてきたら道を譲ろう。


 しかし、その団体は近付いて来る様子を見せずに少しバラけるように広がっていった。


 9階に入ると後からは来る気配もなくなった。


「9階って、カルーには鬼門だな」

「うっ……うううっ……」


 そこかしこに芋虫やら毛虫が這っている。カルーはもう目を閉じて俺に掴まっているだけの役立たずだ。


「カルー」

「何かしら?」

「言葉遣いがおかしいぞ! それと内股で歩くな! カルー、ここで少し苦手意識を克服した方がいいんじゃないか?」

「…………」


 本人もそうしたいと思っているのだろうが、どうして良いかわからずに目が泳いでいる。仕方がない。俺は無害な芋虫を1匹抱えて持ってきた。大きさは一抱えあって重かった。


「えい! やー!」


 カルーさんや、そこは青虫とは180度場所が違うから。目を開けなさい! 目を瞑っちゃ見えないからね。


「深呼吸して落ち着いて、ホレ、ヒッヒッフー。ヒッヒッフー」

「ひっひっふー、ひっひっふー。……落ち着いた」


 本人はそう言っているが落ち着いていない。何故かって? 剣先が震えているから。


「あれを芋虫と思うな。あれはーー?」


 腰に圧迫感が……見ると腰に糸が巻き付いている。糸の先には巨大な芋虫がいた。


「へ? 引っ張られてる」


 踏ん張っているが、少しずつ引きずられていく。どうにか壁にしがみつくが、何時までもつか……。


「か、カルー」


 青ざめた表情で俺の後ろを見ていたカルーが俺を見て狼狽え、目をつぶると震えていた手を押さえた。ただでさえ嫌いな芋虫の巨体バージョンの前で、カルーにどうにかしろとは言えない。


「カルー、どうにかする。逃げろ」


 幸い、引っ張る力は強いがその速さはそうでもない。手を離して突っ込めばどうにかなるだろう。


 手を離そうとした時、カルーが動いた。俺の隣を駆け抜ける顔には覚悟が決まっていた。


「イヤー!」


 気合いと共に芋虫の脳天に突き刺した剣はうまく急所をえぐったようだ。力なく倒れる芋虫の頭から剣を抜いて呆然とカルーが立っている。


「カルー、やったな」


 そばに行って声をかける。


「どうなるか分からなかったけど、以外とあっさり倒せたね」


ちょっと苦笑いしてカルーが言った。


「カルー、ありがとう」


 俺のその声に満面の笑みで答えた。


「うう、やっぱりダメだ」


 エコーバッドの羽を掴みカルーが後ろを着いて来る。少しは改善されたがトラウマ克服とはいかなかったようだ。今も芋虫を見るたびにビクビクしている。


 さっきのかっこよかったカルー君、プリーズ!




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