2・嫉妬心
俺は知ってしまった。彼女と新太郎の関係を。
俺の名前は角谷四郎。
吉報学園高校三年だ。
成績はいつもトップ。運動神経抜群、女子にも結構モテて、毎晩つまんでいる。
そんな俺の家の近所にある夫婦が越して来た。
その家の一人娘に俺は恋をしてしまった。
彼女の端正な顔立ちに俺の心はときめいた。
仲良くなりたかった。俺は勇気を出して彼女に話しかけた。
「こんにちは 俺近くに住んでるんだ よろしくね」
笑顔で挨拶した。とても良い顔で。
「きもっ」
彼女が言った。俺は余りに突然だったので、放心状態になってしまっていた。
彼女は俺を白い目で見て、家に帰って行ってしまった。
俺は泣いた。余りにも早い失恋だった。
運命とは厳しいものだと実感した。
俺は数日間元気が無かった。
学校でも上の空だった。
やはり彼女を忘れられない自分がいた。彼女の事が知りたくて堪らなかった。
翌日、俺は彼女の全てを知る事になる。彼女の父親は暴力団組員、豚みたいな面しているのに極道だ。
彼女の母親は元風俗嬢。
店で知り合い、息投合し、一緒になったらしい。
今はサークルを開いて近所の母親達に教えているらしい。
家の母親も良く行く。
彼女は養女だと聞いた。
中々夫婦に子供が出来なかったみたいだ。
養女のせいか、全く親に顔が似ていなかった。
彼女は何故だか知らないが俺の弟の新太郎と仲が良かった。
新太郎に聞いても無視された。
どうゆう関係なのか。
俺をさしおいて彼女と仲良くなるとは。
嫉妬心が俺の中で渦を巻く。
どうしても二人の関係が知りたくて、俺は二人が良く行く公園に行った。
そこには俺には見せない笑顔をした彼女と、やらしい顔の弟がいた。
俺はぐっと唇を噛んで、何とか嫉妬心を抑えていた。
彼女の笑顔は眩しくて、俺はときめいてしまった。二回目のときめきだ。
次の瞬間、俺は目を疑った。
彼女と新太郎が昼間の公園でディープキスを始めたので有る。
俺は愕然とした。
言葉を失った。
それからの事は覚えていない。
思い出したくも無かった。
俺の心は砕けた。
次の日、俺はベッドの上で死んでいた。
自分で死んだのでは無い。頭を三弾銃で撃ち抜かれて死んだのだ。
俺の恋は終わった。
第一話とは違い、短く、割りと丸く書いてみました。どうでしたか?