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手記シリーズ

入道雲

作者: 鴨鷹カトラ
掲載日:2025/09/26

晴天の夏空には、入道雲が在った。


それはただ大きく、風を吞み込み、流れに任せ空を漂っていた。


空をじっと眺める。


すると、空に浮かぶ雄大なその姿に見惚れ、感嘆するだろう。


商店街。喧騒や歓声。時折子供の泣き声。


人。喜びや悲しみ。そして怒り。


波。寄せて返す。時偶荒れる。


風。吹いて消える。


入道雲は漂って、それを大きく吸い込む。


風に運ばれ、波を眺め、人に眺められ、睨まれ。


感情の対象の理想形。


話はしないものの、その全てを受け止める姿は、人の心を。


入道雲。何処かに流れてゆく。


何処かに。


人の感情を推進力に変え、何処かに流れていく。


何処に行くのだろうか。


時偶考える。


入道雲が姿形を変えながら、動き、消えることもある。


感情も、その『材質』を変えながら、『動く』。そのまま忘れ去ることだってある。


あの日見た朝の入道雲。

あの日の昼に燦燦と輝く太陽に照らされる入道雲。

あの日の夕方に見た橙に染まる入道雲。


あの人と見た空高い入道雲。

あの子と見た夕暮れの入道雲。


入道雲は、記憶になる。


入道雲を見る。


すると、西瓜を食む記憶、自転車を一生懸命漕いだ記憶。

さらに、忘れかけていた人との記憶。何十年の前の記憶さえ蘇ってくるかもしれない。


記憶。それは思い出すことで固定化される。


入道雲は記憶の媒体となり、人々の目に焼き付けられる。





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