作文のすすめ (5日目 2月28日)
1411字です。
小説家曰く、書くことが何も思い浮かばない状態が最も苦しいらしい。
津村記久子さん著の「苦手から始める作文教室」という本に、それらしいことが書いてあった。知り合いにお薦めされたから読んでみたのだが、今の自分の状況にピッタリなアドバイスをくれるものだから、一瞬で読み切ってしまった。
その中に書いてあった内容の一つだが、書くことがないという状態を起こさないために、日頃からスマホなどにメモをとっているという。小説家として書くことが思い浮かばないというのが一番難しいらしい。
確かにメモを取って話のネタを確保しておくというのは素晴らしくいい考えだと思った。結局誰かに話すことはなくとも、後から自分で読み返してみるだけでも面白いと思うからだ。
しかし、何も書くことが浮かばないという状態は私にとってとんと無縁である。世界平和みたいな規模の大きな話から自分の腹に溜まった贅肉についての話まで、書こうと思えばいくらでも書きたいことが思いつくからだ。もしかしたら、それは文章というものを書き始めたばかりの私のようなひよっこならではの発想なのであって、人生で書いた文章の数が増えれば増えるほど「あれはもう書いた」「これはもう書いた」となり、ネタがない状態になるのかもしれない。
まあもしそうなっても、そうなるのはだいぶ先の話であろうから、そこまで気にすることもなかろう。楽観主義でいこうではないか。
それよりも私の目を引いたのは、「苦手から始める作文教室」で作文のコツを解説している文に挟まっている、作文の例として載っているエッセイであった。文字数自体は私の毎日投稿よりも遥かに少ないエッセイだったが、その面白さは一級品であった。
今私がいる地点と、作家として生計を立てられていている方がいる地点の差が見えた。その差は絶望的であった。200字程度の文章であったが、私が今まで書いてきた長々しく意味のないダラダラとした合計10000字文章を読むよりも、2分でそちらを読む方がよっぽど得るものは大きいだろう。
しかも津村記久子さんはその本の中で、「世界一絵が上手い人と世界一絵が下手な人の差よりも、世界一作文が上手い人と世界一作文が下手な人の差の方が狭い」などというようなことをおっしゃられていたのだ。ぐふうげぼお。今の自分から将来の夢への長い道のりに愕然としていたところに、そんな追い討ちまでかけられては、私はもう虫のように逆さまになって死ぬまでである。
自分の今いる地点の低さにがっかりしたところで今日はこの辺にしようと思う。もう少し書きたいことはあったのだが、明日予定が入っているのでここまでとしたい。
では皆さん、また明日お会いしましょう。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
誤字脱字などあったら指摘していただけると助かります。