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アタシが魔王様と話したわよ

――そんなこんなで操は冒険者ギルドにスカウトされた。


どうやらここは異世界で、操はゴツイおネエから美少女に転生したようだ。


その後は、ギルド内でイケメン3人に誘われ、魔物の討伐に行くことになった。

だがしかし、いきなり魔王軍に遭遇し、操以外の3人は瞬殺。操は魔物数十匹倒すが、数千の魔王軍相手に敗北。殺されるかと思われたが、魔物に捕まり、魔王城へ連行され今に至る。


――なんなのよこの急すぎる展開は。そもそも異世界ものなら、アタシにもっとチートな能力があって、イケメンも英雄級に強くてイチャイチャしながら魔物討伐をするっていうのが定番じゃない。それが、アタシには大した能力はないわ、イケメン達もすぐ死ぬわ、挙句には転生してすぐに魔王が目の前にいるって異常よ。異常を通り越して天変地異だわ――


操は自分の置かれている状況を呪った。


――でも待って、この魔王かなりの美形じゃない。銀髪で短髪、冷酷な切れ長の目、やや細身なのに程よく筋肉質な身体、あぁたまらないわ。耳が尖っているから人間じゃないのかしら? エルフ? 魔人? 何にしてもこんな美男子にアタシの身体を弄ばれたらなんて考えただけでアタシのイチモツがゾクゾクしちゃうわ……もうイチモツ無いけど――


「……娘……」

「は、はい。何でしょう」


――はぁ~、ドキドキがとまらないわ――


「お前が何でここにいるかわかるか?」

「い、いえ、わかりません。でも……魔物を数匹殺しちゃったからその罰を受けちゃったりしちゃったりするってことでしょうか?」


少しでも罰が軽くなるように倒した魔物の数は低く言うことを操は忘れない。


「うむ、厳密には108匹だがな。内容はまぁそんなところだ」


――ゲッ、しっかり殺した数カウントされてる。でも、すぐに殺すってことじゃあなさそうね。罰って何なの? 魔王直々に呼び出しってことは何か辱めを受けるのかしら……両脇にはゴッツイ魔物たち。嫌がるアタシ、魔物たちは代わる代わる……あぁ…………たまらんっ!!――


操のネジ曲がった性癖が妄想を加速させる。


――いや、待って! ここに魔王がいるんだから、むしろ魔物たちの見ている中、魔王自らアタシを……やばいじゃないこんな展開。こんな美人に転生したし、十分あり得るわよ。転生世界も捨てたもんじゃないかもしれないわ――


「あ、あの、アタシはどんな辱めを受けるのでしょうか?」


――言っちゃった言っちゃった、もう後戻りはできないわよ操――


「はぁ?」

「両脇にいる魔物たちからでしょうか? それとも魔王様自らでしょうか? それともそれとも魔王様の後に魔物たちから……でもそれじゃあアタシも身体が持たないかも……魔王様、どんなご褒美……じゃなかった罰をアタシに下さるのですか?」

「たわけ。なぜ私と配下たちがお前に欲情しなくてはならないのだ。気持ち悪い」


吐き捨てるように魔王は言った。


「えっ!? き、気持ち悪い?」

「お前は自分のことを理解しているのか? 我々だって相手を選ぶ権利はある。そもそも、その貧相でガリガリな身体はなんだ、喰おうとしても大人のゴブリン一匹満足に満たせそうにないではないか。そんな身体でよく我々に辱めを受けるなんて大それたことが言えたものだな」


――な、なんですってぇ、このスレンダーな身体が貧相でガリガリですって? 何で初対面の魔王にそんなこと言われなきゃいけないのよ――


「ま、魔王様、アタシも人間の中ではそれなりに美人だし、なかなかのスタイルなんですよ。確かに、いきなり辱めなんてド直球なことは言いましたけど、それをいきなり貧相だとかガリガリとか言いすぎじゃありません?」


――相手は一応、魔王だしイケメンだしイケメンだし超絶イケメンだし、ちょっとは我慢してあげるわよ――


「黙れ糞虫が! 確かに人間程度の種族では、お前の身体や顔でも上玉の部類なのだろう。しかし、エルフやマーメイドなど様々な種族がいる中では、お前程度では中の中否、中の下だ! 己惚れるのもたいがいにせんとこの場でオーガに一飲みにさせるぞ」

「うぅ……」


――何も言い返せない。そもそもエルフもマーメイドも見たことないんだから比べられても仕方ないじゃない。でも中の下はあんまりじゃないの――


「そんなお前とて、何か有効活用できるのではないかと考えてやったのだぞ、感謝するがいい」

「で、では一体アタシに何をさせようというのですか?」

「魔物の子供の世話だ」

「ま、魔物の?」

「そうだ。魔物の子供の世話だ。その程度ならできるであろう」


――何それ、犬や猫の世話もやったことないのにそんなの出来る訳無いじゃない――


「なんだ、不服か? ならオーガの食糧にするま――」

「いえいえ、やりますやります。精一杯やります」


魔王の気が変わらぬうちに頭を床に擦り付けながら操は言った。


「うむ。では早速案内させる。おい、こいつを連れていけ」


――あぁ……異世界に来てまで何でこんなことになっちゃったのかしら――


操の異世界逆ハーレム生活の夢は儚く消えた。

読んでいただきありがとうございます。「面白い!」「続き読みたい!」など思った方は、ぜひブックマーク、評価をよろしくお願いします!

皆さんに楽しんで貰える作品にしていきたいと思います!

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