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ナナミは鬼の子  作者: ふるたく
ナナミ
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ナナミ

その声のする方を見ると、いつか、僕を助けてくれた女の子、が、いた。


その子は、、ニコニコ笑っていた。


ベソをかいている僕とは正反対だな、と僕は思った。



僕「、、、ナ、ナナミ?」


僕は思わず女の子の名前を呼んでいた。


間違って無いと思うけど、、、


すると、女の子は


ナナミ「うん、そうだよ。名前覚えててくれたんだね、リオウ!」


と。


ナナミはまず名前が合っていること、そして、ナナミは僕の名前を覚えていること


それを僕に笑顔で教えてくれた。


僕は嬉しかった。


(名前、、覚えててくれたんだ、、)


僕が1人にやにやしていると、


ナナミは僕に尋ねてきた


ナナミ「もう、帰っちゃうの?」


と。


それは"僕が帰ってしまうとナナミはつまらない"、と言っているように聞こえた。


僕「、、えっ?」


その言葉は僕にとって麻薬みたいなもので。


僕「えーーーと、、、、」


僕は答えながら辺り、、空を見る。


日は落ちかけている。


もう帰らないと帰りが遅くなる。


帰りが遅くなると怒られる。


怒られるのは嫌だ。


でも。


でも、僕は


(どの道怒られるんだったら、、、)


考える。


(今帰っても、後で帰っても)


考える


(怒られるなら、、、)




(同じ、、、)


もう答えはもう決まっている


(だよね、、、、)


、、決まっている



僕は、


(だったら、、、)


僕が何をしたいのか


僕は何処にいると心地良いのか


僕はどうしたいのか


僕の


僕の意思は


僕の意思は、、、


僕の意思は!!!










(僕は、、、、ここに、居たい!!)






僕「ん、、、、と」


僕は少し迷ったふりをしながら


僕「もう少しだけ、ここに居ようかな、、」


と答えて上目遣いでナナミを見る。


少し、照れ臭くて、、、


でも僕は


僕は自分の意思をもって、"ここに居たい"、と告げた。




辺りが暗くなり始めている中、もう、帰るだろう、と半ば諦めていたナナミは


その言葉を聞いて


パーーーーーっと明るくなった!


そして


ナナミ「ホント!良かった!じゃ、お話しようか!!」


ニッコリと、笑って、僕にそう応えてくれたんだ。


僕は、、それが本当に嬉しくて。


(こ、、、こんなに優しくされたの生まれて初めてかもしれない、、、)


僕はじーーーーん、、と1人感動してしまった。



少し涙が出てくる程に。



と、


ナナミ「あれーーー?泣いてるのーー??」


と僕の表情の変化に気がついたナナミが


僕にからかい気味に聞いてきた。



僕は


(泣いている、、、確かに泣いている、、、けれど、)


昼間の涙と今の涙は、同じく泣いている、、だけど


その意味合いはまるで違っていた。



今、出てきた涙は、、、


(嬉しくて、、、)



でも、それを伝えるのがなんだか恥ずかしくて


格好悪いと感じて


僕は


僕「な、泣いてないよ〜」


と、強がって答えた。


ナナミはそれを見て、にたーーーっとイタズラ好きな顔を見せる


ナナミ「えーー、じゃあ、これはなーに?」



と、笑顔で


ナナミは僕の目元を指ですくって指が濡れている事を僕に見せてくる。


ナナミ「なーに?」


と。





それは泣いている証拠だった。


そしてそれをからかってくるナナミ。


僕はその論より証拠で何も答えられず黙ってしまった。



でも


それは全然嫌な感じじゃなくて


むしろ、、、



むしろとても、心地良かった。


(からかわれているのが、こんなに心地良いなんて、、、)


普段僕をからかってくる人達とは正反対。

からかわれて、笑われているというのに、全く嫌な感じがしなかった。


(なんか凄い初めてだらけで、、、なにこれ、、、凄い、、、)


そんな風に僕が色々考えて頭がいっぱいになっていると


その様子がとても面白かったのか


ナナミはとても楽しそうにカラカラ笑っていた。








そしてそれから1時間ほどナナミとお喋りを楽しんだ。


ナナミ「じゃ、、また、明日ね」


僕「うん、、、おやすみ、なさい、ナナミ」


そうして、その日、僕とナナミは共に家路についた。









そして、それから






毎日のように、僕とナナミはここで遊ぶようになったんだ、、、、













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