中村雄太
「じゃあ、帰ろっか。」
俺には幼馴染に瀬川明子がいる。すごく明るくて、昔から目の見えない俺の世話をよくしてくれている。でもなぜか明子はいじめを受けているらしい。ブスだからという理由で。裏で悪口を言われているのも聞こえる。こいつらゴミだな。
「やめろよ。全部聞こえてるぞ。」
明子を守るためではない。俺の好感度を下げないためだ。どうやら俺はかっこいいらしい。その上、こうやって明子を守っているとなぜか女子たちは王子様扱いをしてくれる。このキャラを貫き通してみんなに嫌われないようにしなきゃ。目が見えない状態で俺まで嫌われたらいろいろと不都合だからな。
でも、もうすぐ俺は手術をうけて目が見えるようになるらしい。すごい楽しみだ。一応明子にも報告しておくか。
「俺、やっと目が見えるようになるらしいんだよ。目の手術を受けるんだ。」
「良かったね!」
そう言って明子は黙り込んだ。嬉しそうにはしているが、どことなく不安そうにしている気がする。
明子の事は嫌いじゃない。昔からすごいお世話になってるし、むしろ感謝してるよ。ただ、明子はブスらしいんだ。俺もわざわざブスとつるみたくない。でも、目が見えないから関わる人を選べないわけで、だから明子とずっと一緒にいるわけで。
それから一ヵ月が経った。手術は無事成功し、俺は目が見えるようになった。初めて見る親の顔、周りの景色。めちゃくちゃ感動した。目が見えるっていうのはこういう事なんだ!。
そして、気になっていた自分の顔。近くにあった鏡のほうへ行き、確認してみる。
「あれ?俺かっこよくね?」
思わず声が出た。自分で言うのは気持ち悪いけどめちゃくちゃかっこいいな俺。明日からもう学校に行けるのか。楽しみだな。みんなの顔も見てみたい。
何より早く明子に会いたいな。どんな顔してるんだろう。本当にブスなのかな?。早く会ってみてみたい。
翌朝、いつも通り家の前で明子を待っていた。
「お待たせ!」
いつも聞いている声だ。相変わらず元気だな明子は。声のする方へ向くと、化け物がいた。
「ちょっと寝坊しちゃった!ごめん待った?」
いやいやそれどころじゃないから。ちょっとブサイクとかのレベルじゃないって。まじか。これはちょっと…。えぇ…。今までこの人と一緒にいたんだ。この人が幼馴染なんだ…。
「全然待ってないよ。じゃあ行こっか。」
俺はいつも通りの声で返事をした。
照りつける朝日の下。何とも言葉では表しづらい感情を抱きながら学校へ向かう。
続きは明日載せます。毎日載せれたらいいなぁ
感想やダメだし、まってます!