ぎりぎりうさぎ
あるところに、うさぎさんがいました。うさぎさんにはお友達がたくさんいました。家族も仲良しとは言えないまでも、なんとか上手く生活していました。これは秘密ですが、ちょっぴり気になるうさぎさんもいたのです。
うさぎさんは早寝早起きで、特に目覚めは良い方でした。お友達のうさぎさんにお勉強中に寝たりしないよね、と言われて嬉しかったこともありました。
うさぎさんはお話を考えるのが好きで、絵を描くことも好きでした。子どもが好きで、大人になったら学校の先生になりたいと思っていました。
うさぎさんは他のうさぎさんよりちょっと遠いところから学校へ通っていました。でも、早起きが得意だったうさぎさんにとって、それは苦じゃありませんでした。時間を合わせて、朝お友達と学校へ行くのも楽しみの一つでした。
お勉強も難しいことばかりでしたが、なんとか着いて行きました。いえ、着いていけたと思い込んでいるだけかもしれません。試験ではあまり良い成績とは言えなかったので。
そういうときは仲の良かったお友達に教えてもらいました。二人きりで教えて貰う時間は心地好いものでした。
あるとき、うさぎさんに異変が起きました。学校へ行くのが嫌いではなかったうさぎさんでしたが、朝学校へ向かっていると身体が動かなくなってしまいました。頭では学校へ行きたいのに、足が動かないのです。仕方ないので、その場で休むことにしました。なんとか家に帰って、その日は寝ることにしました。
そのときから何故だか、学校へ行きたくないと思うようになりました。お友達には会いたかったのですが、それ以上に会いたくない人がいました。
部屋から出られない日が続きました。
うさぎさんは元々テンションの上がり下がりが激しいことが多かったので、最初は気にしていませんでしたが、日数が経つにつれて、今回はちょっと長いなと思いました。昔のお友達に相談すると、病院へ行くよう言われました。
ですが、もう一人で何かを決めることが出来なくなっていたうさぎさんは、そのお友達に決定を任せました。責任を押し付けました。
うさぎさんが森のお医者さんのところに行くと、お薬を貰いました。そのお薬は、気分が下がってしまうのを抑えるお薬でした。
うさぎさんは、学校をお休みして、お薬を飲み始めました。すぐに良くなると思いました。うさぎさんは頭痛を覚えました。
ですが、あまり体調は良くなりませんでした。夜寝てもすぐに目が覚めたり、怖い夢を見るようになりました。起きると体調が悪くて、寝た気になりませんでした。朝が得意だったうさぎさんは、悲しくなりました。頭が痛いのも、酷くなりました。
そうして、次の病院へ行く日になりました。病院の先生とお話すると、お薬が増えました。うさぎさんは良くなってないのかなと考えました。
その日から、お薬を飲むと、怖い夢を見なくなりました。その代わりに、朝上手く起きられなくなってしまいました。いつも起きていた時間を過ぎて起きるようになってしまいました。また、夜に寝付きが悪くなりました。うさぎさんは疲れてきました。
お友達から連絡が入るのですが、うさぎさんにはそれがどうも責められるように感じてしまい、もっと疲れてしまいました。頭では心配してくれているだけと思っても、いい気分ではありませんでした。
うさぎさんは疲れました。
次の病院の日、またお薬が増えました。うさぎさんは泣きたくなりました。涙は出ませんでした。泣くことも出来なくなったのかと辛くなりました。頭痛は止みません。
しばらくして、外出出来るようになったうさぎさんは、久しぶりに学校へ行きました。学校の皆を見ていると、更に頭痛が酷くなりました。僕もこんなきらきらした生活がしたかったと思いました。周りの皆が出来ていることが出来ない。何故でしょうか。どうしてこんな風になっちゃったんでしょうか。考えていても答えは出ません。頭痛が酷くなるだけです。楽しかったはずのことが、どうでもよく思えました。お友達のことを考えていたうさぎさんは、もうどこにもいませんでした。
最早楽しい生活を送ることすら出来ません。学校の先生になることも難しくなりました。うさぎさんは泣きたくなりました。涙は出ませんでした。
お薬を飲んでも、良くなりません。薬が増えるだけでした。
頭痛も止まりません。
うさぎさんは疲れ果てました。
うさぎさんが頑張って学校に行くと、こうなった原因と思う女の子のうさぎさんが、楽しく笑っているのを見ました。僕はこんなに苦しんでいるのに、どうして楽しそうに笑えるんだと怒りましたが、すぐにどうでも良くなりました。
症状は良くなりません。
ある日のことです。家に遅く帰ってしまい、お母さんに怒られてしまいました。うさぎさんはそこで何もかも嫌になってしまいました。
うさぎさんは、腕が隠れるお洋服を好むようになりました。
頭痛は酷くなりました。学校へ行けません。症状は良くなりません。良くなりません。軽くもなりません。
疲れたうさぎさんは、高いところに登って輪っかに手を
僕卯年なんですよね