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魔法世界のイレギュラー  作者: 立花 優
第1章〜入学〜
7/7

バトル物にありがちな解説役

連れてこられたのはグラウンドの一角。ここなら申請を出せば戦闘を行っていいらしい。周りに被害が及ばないよう魔法による防護壁も貼られている。


「君達4人で組むのは初めてだろうし作戦会議でもするといいよ。模擬戦用の武器も用意してあるからそれを使ってね、怪我はするかもしれないけど死にはしないと思うよ…多分」

やや物騒な発言が聞こえたが気にしない。とりあえず作戦会議だ、神楽先輩の戦闘スタイルを知っているあやめがいるしこちらの方が有利なはずだ。



「まずは俺から、使用武器は片手剣、魔法適性はLv1だから魔法の攻撃にはあまり期待しないでくれ。」

「次は俺だな、使用武器は両手剣、魔法適性Lv5、得意魔法は炎だ。中、近距離での戦闘がメインだ。」

「次は私だね!魔法適性Lv5!得意魔法は氷!武器は魔法発動媒体としての杖だから近距離は無理!遠距離での魔法と支援をするよ!」

「最後は私だね。適性Lv4、得意魔法は風。武器は一応レイピアを使うよ。お姉ちゃんは使用武器は大剣、魔法適性Lv5、得意魔法は雷だよ。」

バランスとしてはなかなか良い気がする。完全に俺の火力不足が否めないが。

「となると俺と仁で近距離、あやめが中距離でバランスを取りつつ指示出し、凛が遠距離での支援って感じか。」


「そうなるね。私の武器じゃあお姉ちゃんの攻撃を受けるのは厳しいしマッキーが遊撃、ソーマがお姉ちゃんの攻撃を捌いて私とりんりんで中、遠距離からの魔法攻撃がメインになると思う。」

だろうな。俺の魔法では決定打を与えられないし大剣を捌ききることも出来ない。

「お姉ちゃんの大剣だけど基本は両手持ちだけど片手でも振ることがあるから近接2人は気をつけてね。」

「「「はぁ!?」」」

3人同時に声を上げた、女性の身で大剣を片手で振り回すなんて化け物じゃないか。




「そろそろいいかな?」

御門会長に声をかけられ位置に着く。神楽先輩の体を好き勝手するためにも化け物だろうとチートだろうと勝たなくてはならない。


「よーしそれじゃ行くぞ!!」

神楽先輩がおおよそ人の身では考えられない速度で向かってくる。雷属性の身体強化だろう。雷属性の魔法特性としては威力だけでなく速さもある。まさに光速の魔法。

俺はギリギリで見切って躱す。

「おっなかなかやるな正樹!」

再びこちらに向き直し向かってくるが

「うぉぉぉりゃぁ!!」

「はっ!」

仁が打ち込み神楽先輩が大剣で受け止める。

「風よ、立ちはだかるもの全てを吹き飛ばせ!中級暴風魔法!!!」

そこへあやめの魔法が直撃する。てか仁まで巻き込んでないか?あ、飛ばされた

「切り刻め氷の刃、上級氷刃魔法!!」

巻き込むことは想定の上で中級魔法を放ったのだろう。神楽先輩と仁は別々の場所へ飛ばされた神楽先輩へ氷の刃が襲い掛かる。

動けないであろう神楽先輩へ向かい俺は切りかかる。さすがにこのままだと空気になりそうだ。



「いいぞーお前達、いい攻撃だった!」

神楽先輩は無傷で俺の剣を掴んでいた。てか動かねえ何だこの力!?

「中級雷撃魔法!!」

「ぐはっ!」

神楽先輩の魔法を受けて俺は吹き飛ばされる。

中級でこの威力?というかこの人今詠唱破棄したよな!?


「正樹!?」

「よそ見したらだめだぞー凛」

「えっ」

神楽先輩は一瞬で凛の後ろへ回り込み首へ手刀を叩き込む。

ガクッと凛は倒れ込んだ、気絶したようだな。


「火炎斬!!」

いつの間にか立ち上がっていた仁が炎を纏った両手剣で切りかかる。魔法を剣に纏わせるのはかなり精密な魔力コントロールが必要な芸当なのだがそれをさらっとやってしまう辺りこいつも中々のチートだ。

「雷電斬!!」

が、同じく雷を纏わせた剣で受け止める神楽先輩。そして

「おりゃぁぁぁあ!!」

そのまま勢いで仁を吹き飛ばし仁は壁に叩きつけられた。化け物か。


「ごめんねみんな、おかげで時間を稼げたわ。」

まだ1人残っていたあやめ。どうやら集中し魔力を最大まで高めていたらしい。

「風よ、全てを切り裂け、超級風刃魔法!」

おいおい嘘だろ。高校生で超級魔法を使うなんて姉妹揃って化け物かよ。

魔法適性Lv4とはいえあやめは魔力コントロールがかなり優れているらしい。魔力コントロールが優れていれば少ない魔力で魔法を発動出来る。超級魔法はLv5がないと基本的には発動すら難しいが発動出来るということはかなり魔力消費を抑えれているのだろう。

全てを切り刻む風が刃となって神楽先輩に襲いかかるが

「上級雷撃魔法!!」

本来ならば詠唱破棄した上級魔法じゃ相手にならない。しかし神楽先輩の魔法によりあやめの放った超級魔法はかき消された。

「うそっ…」

理由は単純、魔力の大きさ。観察しててわかったが神楽先輩は体内の魔力量がとてつもなく多い。単純な威力であればあやめの放った超級魔法のほうが大きいだろうが魔法として発動してる以上はより大きい魔力量の壁は超えることが出来ない。

「成長したなあやめ、でもまた私の勝ちだ。」

あやめの首へ剣を当てて神楽先輩は言った。


気絶してる凛、仁はもちろん実は俺は先程のあやめ先輩の魔法を受けて痺れて動けない。

解説役へと成り下がる体たらくだ。



俺、全くいい所無くね?

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