生徒会からの勧誘
突然現れた女性。なんというか色々デカい。態度やら身長やら胸やら…
どことなくあやめに似ているような…
「お姉ちゃん!?なんでここに!?」
あやめは驚いたように言う。似てると思ったら姉妹だったのか。
「ん?おお、あやめじゃないか!そういえばこのクラスだったな!なに、優秀な新入生を部活の連中に取られる前に勧誘だよ。挨拶が遅れたな、私は西条神楽、3年生だ。生徒会副会長をやっている。」
生徒会直々の勧誘か、ありがたいことだが…
「ありがたいことですが俺が優秀とは買い被りすぎでは?魔法適性Lv1の落ちこぼれですよ俺は。」
「「えっ!?」」
仁とあやめは驚いている。それもそうだろう国内トップクラスのこの学院のさらにトップのAクラスに魔法適性Lv1が紛れ込んでいるんだから。
「正樹は落ちこぼれなんかじゃないよ!!筆記試験だってトップだったしそれに…」
「凛、いいから」
凛の言葉を遮る。少なくとも魔法科学校で魔法が上手く使えないというのは落ちこぼれ以外の何物でもないのだから。
「いや、君が魔法適性Lv1だということは知っているよ神田正樹。色々調べさせてもらったからね。身長176cm体重68キロ。彼女いない歴イコール年齢。中学の時の全国模試は1位使える魔法は火、風の2つ。初級魔法は問題なく使えるが中級魔法を使うと3日寝込む。あとは…」
「いや、この場でこれ以上個人情報をばらまくのは勘弁して欲しいですね」
この人はどこまで調べているんだろう。プライバシーの侵害の域までたどり着きそうだが。
「秘密にしておいて欲しいものもありそうだしこれ以上は辞めておこうか。神田正樹、優木凛、相馬仁、それとあやめ。君達には生徒会に入ってもらいたい。」
「え?4人も勧誘ですか!?」
俺が疑問に思うのと同時に凛が聞いた。まあ考えるよりも先に言葉が出るタイプだからな凛は。
「ああ、実はとある事情で生徒会には今3人しかいなくてな。そのうち1人は全く顔を出さなくて人手不足なんだ。他の2年や3年は既に部活や委員会に入っていて勧誘も出来ずに困っていたのだ」
「話を聞くだけでもいい、教室で立ち話もなんだ、生徒会室に見学に来てくれないか?」
「まあ話を聞くだけなら…みんなもいいか?」
「正樹が行くなら私も行くよ!」
「お、俺も…」
「私も大丈夫」
みんな大丈夫らしい。というか仁、神楽先輩が来てから初めて喋ったな。
「では行くとしよう。」
俺達は神楽先輩のあとを追い生徒会室へ向かった。