都合よくチート能力なんて貰えません
生まれ変わって早数日、俺の名前は『神田 正樹』となったようだ。
両親や看護師達の会話から少しずつこの世界のことについて情報を得ることが出来た。
一見するとこの世界は俺の生きていた日本と同じように見えたが何点か異なる所がある。
どうやらこの世界では魔法が存在するらしい。とはいえ科学が存在しないわけでもなく電化製品なども元の日本と変わらない物が存在している。
となると異世界転生らしく俺にもチートじみた魔力や魔法が使えたりするのかと思えばそうでも無いらしい。
生後すぐの魔力検査の結果は最低ランクのLv1。
両親はガッカリしていたがそれ以上に俺の方がガッカリしていたのは秘密だ。
とはいえ全く魔法適性のないLv0も存在するそうだし使えるだけマシだと考えるべきだろう。
とりあえず魔法にチート能力は見込めない以上は他のもので補うしかない。この世界の情報をもっと集めてある程度自由に動けるようになったら上手く生きていくための術を身につけるべきだな。
それにしてもこの世界での実の母とはいえ20代半ばの女性に授乳されるのは興ふ…緊張するな。生前は彼女と同年代だったわけだし。
父親が羨ましそうな顔で見ているが気にしない。これは子供である俺だけの特権だ。