異世界転生物の死亡シーンなんて雑でいいんだよ、雑で
「なあ、最近流行ってる異世界転生、出来るとしたらお前どんなチート能力欲しい?」
「まあ異世界行くならやっぱりものすごく強い魔法とか使いたいよなー」
そんなことを言いながら同僚と歩いてるところ全身に物凄い衝撃が与えられ俺は宙を舞っていた。
あぁ、撥ねられたのか、景色がゆっくりに見える、運転手の焦った顔までよく見える、老人か、大方ブレーキとアクセルを踏み間違えたのだろう。
そんなことをのんびり考えてるうちに俺の意識は途絶えた。
「オギャーオギャー」
目が覚めたら知らない天井だった。
白い天井、消毒液の匂い、ナース服、そうか俺は生きてたのか。
というか赤ん坊の泣き声?俺の見舞いに来るような人に小さい子供がいる人などいないはずだが…
「おめでとうございます!元気な男の子ですよ!」
おめでとうございます?惹かれた人間に言う言葉か?というよりこのセリフ…
あぁそうか、俺は助かったんじゃなくて生まれ変わったんだな。
悔やんでも仕方ない、前世の記憶があるだけ今世の人生は有利に進めることが出来るだろう。病院の設備を見る限りは俺の生きていた時代とそう変わりもないようだし焦らず新しい人生を楽しもうか。