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性転魔法使いのオブリージュ  作者: Kiruna
魔法高校編
7/45

模擬戦 淡い水色の魔法少女 対 赤色の魔法少女

片方は淡い水色の魔法少女、もう片方は赤色の魔法少女。


淡い水色の魔法少女は、水色という事もあって水属性を主に使うのだろうか。


赤色の魔法少女は、火属性を主に使うのだろうか。彼女からあふれ出ている魔力的には下級ランクだろうか。


お互いに下級ランク同士なら、いい勝負が見られるかもしれない。


双方は50メートルくらい離れて向かい合う。


そんな魔法少女達の戦いは、淡い水色の魔法少女の攻撃から始まった。


【ウォーター・ス(水玉)プラッシュ】


淡い水色の魔法少女から放たれたのは、水属性の初歩的な攻撃魔法。指先から小さな水の玉を放ち対象のものを濡れさせる効果がある。威力が高ければ水圧でダメージを与えられるが、今回の魔法では、これだけ当たっただけでは対した威力にならなそうだ。


【ファイアー・ボ(火玉)ール!】


赤色の魔法少女は、その水の玉を火属性の同じく初歩的な魔法で交戦した。指先から燃え盛る火の玉が水の玉に向かって飛んでいき、ぶつかった。


水の玉はそのまま蒸発して消えて、火の玉はそのまま水色の魔法少女に向かって行く。


同じ初歩的な魔法とはいえ、赤色の魔法少女の込めた魔力のほうが多かったみたいで、このような結果になったみたいだ。


【ウォーター・ウ(水壁)ォール】


淡い水色の魔法少女は向かってくる火の玉に対して、水の壁を張って対応した。


水の壁に火の玉がぶつかって、火の玉は消えた。水の壁は、少しだけ蒸発したもののまだ健在だ。


さて、お互いの小手調べはここまでかな?ここからが本番になってくるんだと思うのだが。


【ファイアー・ボ(火玉)ール!】


赤色の魔法少女は、先ほどよりも大きな火の玉を放つ。


【ウォーター・ウ(水壁)ォール】


淡い水色の魔法少女は、残ったままだった水の壁に再び同じ魔法をかけて強化する。


それぞれがぶつかって、今度は両方とも消滅した。


【ファイアー・ボ(火玉)ール!】


赤色の魔法少女はあくまでも、火の玉を放つ。徐々にその球の大きさは大きくなっているように見えるがただそれだけのようだ。


【ウォーター・ウ(水壁)ォール】


淡い水色の魔法少女は後退しながら、水の壁を作り、


【ウォーター・ウ(水壁)ォール】


さらに後退しながら魔法でその壁を何重にも作る。


大きな火の玉はいくつかの水の壁を消滅させるが、だんだんと小さくなり火の玉は消滅した。


【ファイアー・ボ(火玉)ール!】


またしても、赤色の魔法少女は火の玉を放つ。


「はぁ・・・」


俺は思わずため息をついてしまう。


淡い水色の魔法少女は後退し続けていまは壁際にいる。だが考えてこの状況にしている。けれども赤色の魔法少女は考えずにただ攻撃魔法を放っている。


いや、赤色の魔法少女も考えては、いるのか。


消費魔力的には、今回は攻撃魔法よりも防御魔法のほうが、範囲を広く使うため消費魔力が多くなる。このまま同じように戦っていけば、淡い水色の魔法少女が先に魔力がなくなって負けになるだろう。


しかし、このままなんて事は当然ない。


【ウォーター・ウ(水壁)ォール】


淡い水色の魔法少女は壁を継ぎ足していく。


大きな火の玉と水の壁はぶつかって、いくつかの水の壁が消失した。


そして火の玉が消失する時には水の壁は1つだけになっていた。


さらに、水色の魔法少女の後ろには、壁があって追い込まれたような状況だった。


「さあ、ここまでですわよ!」


赤色の魔法少女は、勝ったとばかりに大きく叫んだ。


【ファイアー・ボ(火玉)ール!】


そのまま決め手とばかりに特大の火の玉を放つ。


【ウォーター・ス(水玉)プラッシュ】


水色の魔法少女は、水の壁の前に水の玉を出現させて、それを火の玉に当たるように放つ。


【ウォーター・ス(水玉)プラッシュ】


赤色の魔法少女は、最初の場所から移動していないため、水色の魔法少女との距離は遠く、その分、魔法を放てる時間が延びた。


淡い水色の魔法少女はその時間を使っていくつかの水の玉を放つ。


「そんなもので、(わたくし)の最大火力の『ファイアー・ボ(火玉)ール』が消えるとお思いになって!?」


確かに、特大の火の玉に比べれば、沢山といえども水の玉は小さすぎる。


普通なら物ともしない大きさだ。


しかし、今のこの状況は既に普通ではない。


特大の火の玉は、それに比べて小さい水の玉とぶつかる。


1つ目は特大の火の玉が難なく、水の玉を消滅させる。


2つ目、3つ目と続く。


「無理ですわ!無理ですわよ!」


赤色の魔法少女は高々とそう叫ぶが・・・


そんな暇があったらせめて魔法を追加しろよ・・


5つ目くらいで唐突に特大だった火の玉は小さくなった。


そして、7つ目でお互いが消滅した。


「な、なんですって!」


赤の魔法少女は驚きを隠せずに声を上げる。


8つ目、9つ目、最後の10つ目の水の玉が赤色の魔法少女に向かっていく。


【ファイアー・ボ(火玉)ール】


慌てて通常サイズの火の玉を放つが、先ほどは通常サイズの火の玉なら、水の玉を消滅させてた。


けれども今回は1つの水の玉にぶつかった時に火の玉のほうが消滅した。


そのまま赤の魔法少女に水の玉が3つぶつかる。


しかし、水の玉自身に威力はないから、赤の魔法少女の服を濡らしただけだ。


しかし、それでもう十分だ。


「何故ですの!?」


赤色の魔法少女は、慌てたようにそう叫んだ。


【ファイアー・ボ(火玉)ール!】


そして、そのまま通常サイズの『ファイアー・ボ(火玉)ール』を放ったつもりなのだろうが、そのサイズはとても小さかった。


そのまま飛んでいくが、距離が離れていることもあり、そしてこの状況下な為に淡い水色の魔法少女に届く前に自然消滅してしまう。


そして淡い水色の魔法少女は水の壁の奥にいたまま何もしていない。


それでいい。消費した魔力の回復の為に、無駄に魔法を使う必要はない。


【ファイアー・ボ(火玉)ール!】


赤色の魔法少女は何度も火の玉を放つが、それは届かない。


いくら特大サイズの火の玉を作っても、それが淡い水色の魔法少女に当たる前には通常サイズになっており、水の壁とぶつかって消滅する。


「そこまでだ!」


俺は二人に聞こえるように叫んだ。


淡い水色の魔法少女は疲れた様子なく、赤色の魔法少女は疲れて唖然とした表情でこちらを見てきた。


「待ってください!こんなはずじゃなかったのですのよ!」


赤色の魔法少女は、俺に向かってそう言うが、この状況が理解できていないみたいだな。


「例えこいつにお前を気絶させるだけの魔法がなくとも、お前にこいつを気絶させるだけの魔法があろうとも、俺は今回は、こいつの勝ちを宣言する」


「そんな!」


何を驚くことがあるだろうか。


作戦を考えて、それ通りに敵を動かして、想像通りの状況を作り出し、あとは水の壁の後ろにいるだけでよかった。


赤色の魔法少女が使えると言う最大級の火の玉でさえ、この状況では、たとえ近距離で発動しても水の壁を突破出来ないだろう。


魔法少女自身が、水の壁を突破するのも無理がある。


それぞれの壁を、魔法少女自身が突破するには、それ相応の自身を守るだけの魔力がいる。


一点ならまだ出来るかもしれないが、突破するならば全身を守らなければいけない。


手に魔力を集中させて、水の壁を壊す方法もあるが、その前に攻撃されるだろうし、なによりもこの赤色の魔法少女にはそれだけの力はないだろう。


だから、俺はこの状況を見て淡い水色の魔法少女の勝ちを宣言した。


そうして淡い水色の魔法少女と赤色の魔法少女の対決は終わるのであった。

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