お嬢様風魔法少女との出会い
私の通っている学校では、上級ランクでも、下級ランクでも関係なく同じクラスになります。
そのランクの間には若干の壁があり、上級ランクの人達は、私達こそがこの世界を守ってるんだとばかりに下級ランクの人を見下し、下級ランクの人達はもちろんそれが気に入らずに反発するのですわ。
そんな中にでも例外はもちろんありますわ。そんなお人が、上級ランクの中でもトップといっても過言じゃないくらいの珍しいお人が今日は珍しく登校してきたのです。
普段はモンスターの退治や、新たな魔法少女を作るために学校に来てないと聞いていたのですが、今日は理由があるのか登校してきたのです。
背は高めで姿が美しく、黒髪が綺麗で、一番世界を守ってくれているお人、それでいて普段授業を受けていないのに、教師に指名されるとすんなりと答えるのです。
その人はみんなの憧れであり、そんなお人が登校して来たのですから、今日の一番の話題にならない訳がないのですわ。
午前中の授業が終わり食事を食べ終わって、私はそそくさと魔法実習室に入ったのです。
午後の授業では、魔法の授業で教師の講義を受けたい人はお受けになって、お受けにならなくても構わない人は個人やお仲間と各自で魔法について学びになられるのです。
魔法実習室は、魔法を練習するための部屋で、広く練習するのに苦にならないのですわ。
お部屋に入った人が魔法のロックすることによって、他の人はこの部屋に入れなくなるのですわ。
このような部屋はこの私の高校だけでも生徒の4割以上もあり、独占とかにはならなりませんわ。
「今日は黒色聖母様を見れたことですし、頑張りますわ!」
私は一人そんな事を言って気合をいれるのです。
黒色聖母様とまでは言えないまでも、上級ランクの下の人達には勝ちたいですわ。追いつきたい、追い抜きたいのですわ。
だから私は魔法を練習するのです。
ですが世の中そう簡単には強くなれず、なかなか思ったようにいかなくて次第に焦りが入るのですわ。
そんな時に、部屋に入ってきた人がいたのです。
あら?
あ!、私としたことが『ロック』してませんでしたわ!
部屋に入ってきたのは二人組でした。
一人は私と同じ下級ランクだったと思うのですが、もう一人のお方は・・・
あの黒色聖母様だった。
え?
なんでですの?
「ん?先着がいたのか。『ロック』かかってないからいないかと思った。練習の邪魔して悪かったな」
黒色聖母様がそういって出て行こうとします。
もう一人の方が、黒色聖母様になにか小さく申してますわ。
なんなんですの?その娘は?
今まで黒色聖母様が肩入れする娘はいなかったはずです。
それなのに今はそこにいるのです。
「ちょっと待ちなさい!そこの人、私と勝負しなさいな!」
私は咄嗟にそんなことを言ってしまったのです。
何か特別なものがその娘にあるから、黒色聖母様が肩入れしてるのかもしれないのです。
それがないと納得なんて出来ないですわ。
だから、それを見るためにと後付けにして、私は勝負を申し込んだのです。
「えっ!?」
そしてその娘は、予想以上に驚いていらっしゃいました。
何ですか?黒色聖母様の隣にいらして、他の人に勝負を持ちかけられるって思っていなかったんですの?
その覚悟もなく、黒色聖母様の隣にいたんですの?
尚、黒色聖母様を見ると、何か考えているみたいです。
そしてその考えを黒色聖母様はこう申しました。
「面白い!それじゃ戦ってみろ、っあ・・・、いえ、お二人とも戦って見てください」
黒色聖母様は何故か、言い直しました。
とはいえ、これで了解は得た訳です。
これは負けられませんですわ。
「はぁ、わかりました」
そして、その娘も了解しました。
そうして、私とその娘の模擬戦が始まるのでした。
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私こと真白 美幸は約束通り、黒色聖母様・・・、いえ、蓮野さんに魔法を抗議してもらうべく、午後の魔法の授業で一緒に会うことになった。
昨日は、いろいろなことがあって、結局最後まで|黒色聖母様と呼んでいたが、後々になって学園長先生との約束を思い出して、やってしまったなーと思った。
だから今日こそは約束を守るようにしたい。
蓮野さんと会ってまずは魔法実習実習に向かった。
ロックがかかってない事を確認してから、入ったにもかかわらずに中には人が入っていた。
その人の印象的に一番目立つのは、髪が金髪で後方サイドクルクルというかお嬢様ヘアーというか、そして身長は私と同じくらいで平均的だ。
どこからどうみてもお嬢様だねって感じの人でした。
「ん?先着がいたのか。『ロック』されてないからいないかと思った。練習の邪魔して悪かったな」
蓮野さんがそう言って部屋を出て行こうとする。
って、男口調になってますよ。
「女の子の口調でお願いします」
私は念のため、中に入っていた人に聞こえないように、蓮野さんだけに言った。
「ちょっと待ちなさい!そこの人、私と勝負しなさい!」
そんなことをしていると中にいた人がそんな事を言ってきた。
「っえ!?」
何で急にそんなことを言ってくるの?
確かに魔法の練習中に入ったのは悪いと思いますけど、『ロック』してなかった貴女が悪いところもあるでしょう?
それになんでいきなり勝負なの?
私は貴女に何かしました?
「面白い!それじゃ戦ってみろ、っあ・・・、いえ、お二人とも戦って見てください」
そんな事を思ってると、蓮野さんが代わりに受けてしまった。
ちょ、私勝てる気がしないんですけど・・・
でも、蓮野さんが答えた以上、それを覆す訳にもいかない。
「はぁ、わかりました」
だから、私は仕方なくそう答えた。
そして、私とこの人の模擬戦をする事が決まったのであった。
大会と同じルールで、相手の魔法などを受けると肉体の代わりに、精神にダメージがくる。
一定以上のダメージがくると気絶して、先に気絶させたほうが勝ちとなる。
回復魔法は、はっきりいって意味がない。
だからこの大会において、私は不利になる。
こんなの勝てる訳ないじゃん。
「お前の・・・、貴女の出来ることを見せればそれでいい」
私の心配をしてくれたのか蓮野さんはそう言ってくれた。男口調から言い直して、女口調になりそうで、まだ少し男口調のそんな言葉で。
私の出来ること・・・、回復魔法は使えないとなると後は誰でも出来る初歩的な魔法しかない。
後は、回復魔法を使う時に役に立てばいいと思って覚えた防御魔法くらいだ。
よし、頑張ってみるかな。
「もし私が勝ったら、黒色聖母様との特訓を私にも受けさせなさい」
そんな事を考えているとこの人はそんな事を言ってきた。
「ふむ・・・、まあ、あんた・・・貴女の戦い方によっては考えてあげます」
蓮野さんはそう答えてしまった。
まあ、私だけ教えるっていうルールがあった訳ではないから何もいえないけど、少しモヤモヤするこの気持ちはなんだろう。
うん、勝とう。
そうすればきっとこのモヤモヤは解決するはずだ。
そうして私とその人はお互いに魔法少女に変身する。
「その前に【ロック】と・・・」
蓮野さんは今までこの部屋の『ロック』をしていなかったが、思い出したみたいに『ロック』しました。
まあ、誰かに見られて困るものでもないけど、他に人が入ってこないならそれでいい。
じゃあ、私から魔法少女になります。
【私は願う、過去、未来、そして今を築く。この力で沢山の命を救う事を!】
そして私は光に包まれた。
ただの少女から、魔法少女に変身したのだ。
その姿は袖は白く他は淡い水色、全体的なイメージとして淡い水色のの服を着た魔法少女になったのだ。
身長などは変わってないが髪の毛の色は水色になった。
【私は願う、過去、未来、そして今を築く。数多の敵を倒す!この力で!】
そして、あの人も魔法少女に変身した。
髪の色は金髪から真っ赤で、元々少しクルクルのお嬢様ヘアーも少し巻きが多くなって、服も真っ赤で豪華な感じがして、今にも何かを燃やしそうな雰囲気。
こんな人と戦うのか・・・
いかにも戦闘系な魔法少女と攻撃が苦手な私。有利なのは一目瞭然だ。
それでも勝つつもりで行くから。
このモヤモヤを消し去るために。
そうして私とこの人の模擬戦が始まるのだった。