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性転魔法使いのオブリージュ  作者: Kiruna
魔法高校編
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魔法服

次の日になって、身体を起こすと、だいぶ怠さが楽になっていた。


ただ髪がボサボサになっている。


取り敢えず、シャワーを浴びる。


ああ、この瞬間だけは女になってよかったと思うところだろうか。


男のままでも、少しはスッキリするのだが、女になった方が髪の汚れとか、胸に溜まる汗とか、下り物とかがある分、それが流せた時のスッキリ感が大きいのだ。


そう思いつつシャワーを止める。


そして長い髪に触れながら、魔法を使う。


リぺル(弾返)


【ウィンドコ(風呼)ール】


ヒート(暖其)


リぺル(弾返)』で髪についている余分な湿り気をとる。


『ウィンドコ(風呼)ール』で風を発生させる。


その風を『ヒート(暖其)』で温かさを調節しながら髪を梳く。


本当に魔法があってよかったと思うのがこの時だ。ドライヤーや櫛を使って長い時間をかけてセットしないといけないが、魔法があれば数秒でセットが出来る。


そして、服の脱着もこの学園用の携帯端末があれば一瞬で出来る。


今日は久々に高校に行く。だから、今日は制服姿かだ。


俺は携帯端末を持ちながら唱える。


【プロテクト・セット・スクー(変装・学校制服)ルユニフォーム】


その言葉と共に俺の身体の周りが光りだす。


胸や股の下着から生成し、その後にシャツなどの生成と流れていき、全ての生成したあとに光が消える。


そして光が消えた中にいるのは、黒と白が交互に組み合わさって、どこか大人しく見える制服を着た俺だった。


今、生成された服は、魔力を固体化した物で、その度に新しいものになるから洗濯する必要がない。また固体化している為、魔力の発動が無効化されるエリアでも一度固定化していれば消えない、だからそのエリアにいっても突然裸になる事もない。とはいえ、日常的な消耗を回復する為か少しずつは魔力が消費される。


魔力の固定化は、今は頻繁にこの学園で使われているが、少し前まではそうでなかった。自分だけの力で魔力の固体化をするには技術がいるし、それ相応の魔力を操作する力が無いと出来ない。また衣類のサイズの調整だって大変だった。だから魔力の固体化をする人がいなかった、というわけでも無い。


魔力の固体化した服を着用すると、その分、魔法の操作のしやすさや、魔法自体の威力が増すのだ。


だから少し前までは、魔力を固体化して服を着用することが出来るようになれば、それなりの魔法少女と言われた。


それが、この学園専用の端末機器ができてから少し変わった。どういう仕組みか分からないが、この端末には魔力の固体化をするだけのものが組み込まれている。


普通は魔力の固体化が出来ない人でも、これがあれば楽々と魔力の固体化が出来るようになった。


とはいえ、全くの自由というわけでも無い。あくまでもこの端末に登録してある服装にしかなれないし、その服を着用した時の恩恵も少なくなる。


恐らく機械的に作られているから、自分の力だけで固体化した魔法服よりも、あっていないんだと思う。


だから、今でも自身の力で魔法服を作れる人が、魔法少女の中でも力がある事は変わってない。ただ、どれがその人だけで作った魔法服なのか、端末で作った魔法服なのかが見分けしにくいところが変わったのだ。


学園から配布された端末機器の中に入っている服の種類は幾つかある。それぞれで幾つかの特徴がある。


その一つがこの学校の制服であり、特徴はバランスが良いというところだ。魔法の発動のしやすさや、発動した後の威力の上昇率、攻撃を受けた時の防御力、各属性に対する抵抗などの全てがバランスよく設定されている。


魔法の発動がしやすければ、それだけ魔法を素早く連発して発動する事ができる。


発動した後の威力の上昇は、消費した魔力の量に比べて、上昇率が高いほど威力が高くなる。


攻撃を受けた時の防御力は、剣や爪などで切られた時の防御力、高い所から地面に落ちた時の衝撃や服の内側を攻撃してきた際の防御力、魔法攻撃に対する防御力などの数種類ある。


各属性に対する抵抗力は、着用している人が雷が得意なら雷に対する抵抗を小さくすることによって、それだけ雷属性の魔法を発動する時に邪魔にぬらない。ただしその分、雷属性の攻撃を受けた時にダメージを受けることになる。まあ、雷属性が得意なんだから、その分相殺されるから問題ない。


また各属性の色の抵抗を小さくした分だけ、その服の色が濃くなる。雷属性の抵抗を小さくすると黄色が濃くなるという事だ。


白色は全ての属性に対して抵抗が小さい。だからどんな属性の魔法でも発動しやすい。だが全ての属性に対してダメージを受けやすい。


黒色は逆に、全ての属性に対して抵抗が大きい。だからどんな属性の魔法が発動し難くいが、全ての属性に対してダメージを受けにくい。


この学校の制服は、黒と白がところどころわかれているが、守るべき場所はしっかり黒くなっていて、魔法を発動する事が多い場所には白くなっている。


全ての魔法服をそうすればいいと思うが、そういうわけにもいかない。その属性に特化している人は、自身の周りの空気中にその属性の魔力が包み込むように漂ってくる。


その魔力を使ってより威力を高めるのだ。だが、その漂っている属性の抵抗が高いところがあると、その空気中の魔力が使い難くなり、その分威力が落ちるのだ。


だから空気中の魔力を使う人は、基本的に着用している魔法服の色を統一する必要がある。


まあ、一部のラインの色が違うとかなら、あんまり影響はないから、見た目良くとして変えてる人もいるわけだが。


つまり、あくまでもこの学校の服は、自身の魔力を使って発動するのには向いているだけであって、空気中の魔力を使うことには向いていないのだ。


ただし例外の属性は存在する。それが俺の得意としている無属性魔法だ。これは属性の抵抗を関係なく発動する事ができる。


もちろん、無属性魔法以外にも例外のは存在するが、そこは今は割愛させてもらう。


さて、制服を着て高校に向かうわけだが、寮と高校は五分程歩いてつく近い所にある為、もう高校に着いてしまった。


高校に行く間も、ついてからも周りからの視線を感じる。


まあ、久々の登校だから仕方ないか。


この高校では、午前は一般的な教養の授業。午後は魔法の授業となっており、一般的な教養の授業は普通の魔法の無い学校に比べると、物凄く学ぶスピードが遅い。


まあ、魔法学校だから仕方ない部分もあるが、はっきりいって自習した方が楽な早い程な為、受ける意味が無い。


そんな訳で、午前の一般的な教養の授業の時は、ただひたすらあいつをどうやって強くするかを考えていた。


教師に指名された時だけ答えたりしていた。


尚、他の人達は頑張って勉強している。


魔法を使えるのは長くても20代後半まで、だからここで勉強しないと、魔法を使えなくなった先の就職に困るからだ。


俺はあまり先の事は考えてない。そんなことよりも大事なのは今だ。


あいつがどれだけの魔法を使えるのか、いや、魔力を操作できるのかだな。


魔法なんて魔力の操作の作用に過ぎない訳なんだし、まずはそこから見てみるか。


そんなことを考えつつ、午前中の授業が終わるのだった。

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