表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
性転魔法使いのオブリージュ  作者: Kiruna
魔法高校編
32/45

転移したその先は

俺たちが瞬間転移してたどり着いた先は、今では使われていなさそうな建物、廃墟だった。


そこに操られていると思わしき魔法少女が三人いた。いや、一人は少女じゃなくてババアか。


っ!なにやら一瞬殺気を感じたが、きっと気のせいだろう。操られているならば、殺気といった感情も持てないはずなのだから。


周りに操っていると思わしき男の姿は無い。


だが、魔力の痕跡でどこにいったか直ぐに分かった。まだそこまで遠くに行ったわけではなさそうだ。俺の魔法を使えば直ぐに倒せる範囲にいる。


ならば、やる事は一つ。


トランジション(瞬間転移)


時間としては、学園からこの廃墟に『トランジション(瞬間転移)』してから、数秒もたたずに俺は二度目の『トランジション(瞬間転移)』を発動した。


しかし、それは発動しなかった。


何故ならば、またも学園長が邪魔したからだ。


男のいる壁には、細い糸が綺麗に並んでいた。それは学園長が魔力を込めた糸で、魔法を無力化する能力を持っているのだろう。


やはり、そう簡単には話が進まないか。


けれども、この時のために作戦を練っていたんだ。


俺は味方の魔法少女たちに「行くぞ」と声をかけて、魔法少女たちは頷く。


黒い剣を構えて俺は魔法を唱える。


【ショート・トランジシ(短距離瞬間転移)ョン】


そして、学園長の直ぐ背後に転移して剣を振るう。


だが、学園長は動きもせずにそれを止めた。


ああ、分かっていたさ。ここにも糸がある事は・・


魔法だけでなく、物理に対してもある程度無効化すると。


しかし、その魔力や物理の無効化しているのも、また魔法なのだろう?


【マイ・スペース・(我空間・剣)ソード】


ならば、これでいい。剣に『マイ・スペ(我空間)ース』を発動した。


そして、俺の攻撃を防いでいた糸は、お互いに魔力を打ち消し合う力がぶつかり、ただの糸となった。


そして、俺の剣は学園長に目掛けて振るわれるが・・


ガギッ!


流石にそれを読んでいたのだろう。学園長は懐から出した扇子で俺の剣を防いだ。


俺はその反動のせいで、少し後ろに下がってしまうが、学園長は全く何事もなかったように、扇子の先をこちらに向けてくる。


こちらは反動で隙が出来ていたため、それは非常にピンチといえただろう。


しかし、これは俺の狙い通りだった。


アイギス(絶対防御)!】


【パイク・フ(炎鉾)レア!】


【ライト・(光線)レイ!】


俺の目の前に魔法の風の壁が現われ、それの後直ぐに、灼熱の炎が美雪こと藍癒人魚姫アクアマリン・マーメイド・プリンセスに、輝く光線が虹輝天女レインボー・ヘブンリーメイデンに目掛けて飛んで行った。


学園長の扇子は瞬く間に伸びて俺の目の前まで来たが、魔法の壁にぶつかるとそこで止まった。


藍癒人魚姫アクアマリン・マーメイド・プリンセス虹輝天女レインボー・ヘブンリーメイデンは、無感情の声で魔法を唱える。


ニード(煉固)

【ウォーター・ウ(水壁)ォール】


【ストーン・ウ(石壁)ォール】


そして、それぞれが壁魔法により防いだ。


だが、その隙に茜こと日長直猪(サンストーン・ボア)は左に、光天翼麗(こうてんよくれい)は右にと、学園長の糸が張り巡られていない壁に簡単な魔法を放ち破壊して、この部屋から移動した。


藍癒人魚姫アクアマリン・マーメイド・プリンセスはそれを見て、日長直猪(サンストーン・ボア)を追いかけ、虹輝天女レインボー・ヘブンリーメイデン光天翼麗(こうてんよくれい)を追いかけた。


先ほどの魔法攻撃で敵対心(ヘイト)管理していたわけだ。これが知性があるのなら罠だと気づくかも知れない。


けれども、今のこいつらは操られていて、細かい事は考えられないみたいだから、こうやって思い通りの展開になってくれたわけだ。


学園長はというと、ただそれを見ていた。


やはりか。


少し何も無い時間が過ぎて、この部屋には俺と緑宝守護エメラルド・プロテクショナーと学園長だけになった。


そんな中で俺は学園長に話しかけた。


「それで、これは何の茶番だ」


そう、これは仕組まれた事。俺は途中でそれに気がついた。


「ふふふ、ばれちゃってましたか」


学園長は無表情を装っていた仮面を剥がしてイタズラが成功したかのような笑みを浮かべながらそう言った。


「あんたの行動を見ていれば、直ぐにわかるさ」


操られているにしては、動きが早すぎる。そして、先ほどの別々の部屋に行くときに何も行動を起こさなかったこと。ほかにも色々と細かいところで怪しいところがあった。


「そうですか。それは残念です」


学園長は全然残念そうにせずにそんな事を言う。


「っえ!?いや、でも・・」


緑宝守護エメラルド・プロテクショナーはそのやり取りに驚きながらも自己解決したみたいだ。


さて、それなら話は早い。


これが、茶番だとバレたのなら、


「なら、そこを通してくれ」


俺は遊びは終わりだとばかりにそう言った。


「それは、駄目ですね」


しかし、学園長は微笑みながらそう答えて来た。


「何故だ!」


遊んでいる暇など無いはずだ。あの魔法使いの催眠術は危険すぎる。魔法少女を操ることができるなんて、この世界を征服できるかも知れない。そんな奴に時間を与えるなど・・・


「ここを簡単に通して、彼が簡単に倒されたとしましょう。それだと貴方達は成長しないでしょう?」


あくまでも微笑みながらそう答えて来た。


「ふざけるな!成長とかそんなこと言ってる場合か!」


俺はその仕草と意味にイラつき叫んだ。


「言葉遣いを気をつけると言ったこと忘れました?さて、その話は置いておいて、取り敢えず、ここを通りたければ私を倒してから通りなさい」


学園長は満面の笑みでそう答えた。


ふざけるな!そこまでして、成長にこだわるのか!


ああ、いいだろう!そこまで言うのなら無理矢理にでも通ってやる。


「その笑みを変えてやる・・」


俺の言葉とともに学園長との対戦が始まったのであった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ