赤い魔法少女 対 暗い青色の魔法少女 ②
私は、自慢の『ファイアー・ボール』が効かずに、いろいろと考えてました。
数打てば当たるで沢山の『ファイアー・ボール』を放ちます?
それとも、この雨がなくなればいいのですから、雲を取っ払います?
どちらもあまり意味がない気がしますわ。
沢山の『ファイアー・ボール』を放ったとしても、暗い青色の魔法少女の本体に当たるものは避けられたり防がれたりするでしょうし、本体を見つけたらとその後に攻撃として『ファイアー・ボール』を放っても、距離や発動時間的に相手の方が隠れるのが早いでしょう。
雨を取っ払っても、再び雨雲を作られるだけでしょう。
結局どちらも暗い青色の魔法少女の方が魔法を発動するのが早いから、こちらが先手を貰っても、連続で攻撃出来ずに対応されてしまいます。
最終的には、暗い青色の魔法少女の方が魔力の消費も少ないですし有利な状況になるのです。
だからこそ、なんとかしないといけないのですが・・・
「あかねーーー!お前の好きなようにやれーー!」
そんなことを考えていると、蓮野さんが私に向かってそう叫びました。
私の好きなように・・・
そうですわね。グダグダと考えるなんて私らしくありませんわ!
私は私らしく、後のことは考えずに今できる最大の力で、ゴリ押しでいけばいいのですわ!
どこにいるのか分からないのなら全方位に向かって、相手が防げない程の魔法を放てばいいのですわ!
暗い青色の魔法少女は私の事を甘く見ているから先手はくれるはずです。
そこをつけいるのは申し訳有りませんが、今の私はそこをつかないと勝てないみたいなのです。
魔力については、いままで基礎魔力の圧縮をしてきたおかげで、先ほどの魔法ではあまり魔力を消費せずに、まだ余分にあります。
だから、想像するのですわ!
全身の全魔力を圧縮させるのです。そして、その私の全ての魔力を使って、私以外の周囲のものを焼き尽くす!そんな炎を!
「さあ!全てを焼き尽くしなさい!【エブリシング・バーン!】」
そして、私の叫び声と共に、私の魔法服の黒い部分は全て赤くなり、それと同時に周囲が真っ赤に染まりました。
暗い青色の魔法少女の作った上空にある雲を飲み飲み、雨を全て飲み込み、そして戦場の全てをも飲み込んみました。
「っ!、『スプラッシュ・ホール』っ!ーー・・」
慌てて暗い青色の魔法少女が防御の魔法、水の泡を自身に包み込み守る魔法を放ちますが、そんなの関係ありませんわ。それごと全てを飲み込むのです。
「っぁあ!ーー」
案の定、防御魔法ごと飲み込み、暗い青色の魔法少女の悲鳴が聞こえてきました。
そして、周りを飲み込んだ赤は消えました。
「いたい・・・、っ!、許さない・・・」
けれど、そこには立っている暗い青色の魔法少女がいました。
そこには先ほどのように眠たそうな怠そうな、そんな余裕がある様子はありませんでした。
保護により物理的によりは、精神的にダメージが入っているから、痛いっていうのは比喩なんだろうけど、ここで気絶させられなかったのは厳しい状況になりました。
何故耐えられたのでしょう?
よく見ると暗い青色の魔法少女の下にマントだったようなものが落ちてます。
あれは・・・、魔器でしょうか?
それは黒焦げになっていて、すでに着用出来そうにありません。
きっとあの魔器は火属性攻撃から身を守る為のもので、私の攻撃に耐えられずに壊れてしまったのでしょう。
しかし、そのおかげで暗い青色の魔法少女自身にはあまりダメージが行かずに倒されなかったという事でしょうか・・
そしてその暗い青色の魔法少女は、今、私に向かって魔法を放とうとしてました。
【ウォーター・ニードル】
暗い青色の魔法少女から水の針のような物が私に向かって飛んできます。
私は先ほどの魔法の反動でしょうか?思うように動くことができません。
そして、そのまま水の針のような物が私に当たろうとした瞬間、私は光に包まれました。
水の針のような物が私に当たった様子はありませんでした。
光が発生したのは単純に、私の特別な魔法服が、魔力不足により普通の魔法服に変わってしまったからでした。
水の針のような物はどこにいったのでしょうか?
そんな疑問を感じていると、不思議なことにがありました。
魔力は先ほどの魔法で殆ど使ってしまって、今は全く無いといっても過言ではありません。
だからでしょうか。
いままで魔力を感じたことがなかったのに、今、私の中に魔力のような物を感じるのです。
ただ、その魔力に違和感を感じます。
これは、私の魔力じゃない?
おそらく先ほどの水の針のような物の魔力でしょうか?
運良く、変身の光と同時に入ってきたから、何らかの影響で私の中に入ってきた?
それでも、他人のものとは言え魔力に変わりはありません。
ああ・・、これが魔力なのですね・・・
それがわかると、私の周りの空気中にも魔力が漂っているのが分かりました。
この魔力は、おそらく私が得意な火の魔力でしょうか。
その空気中にある火の魔力は私の呼吸と共に、私の中に入ってきているのがわかります。
少しずつ私の魔力が回復しているのが感じられますが、今、私の中にある魔力は水の魔力で、その私の中にある水の魔力の中に火の魔力が入っていくのがわかる。
その魔力同士は反発していない?・・
ああ、そうなのですね。てっきり水と火は反発するものだと思っていたのですが、お互いに共存できるのですか。
ならやることは1つです。
水の魔力と火の魔力を使ってより強い火の魔法、いえ、炎の魔法を放てばいいのです。
「何をしたかわからないけど・・、これでおわり・・、【ウォーター・ニードル】」
暗い青色の魔法少女は、トドメとばかりに水の針を3本放ってきました。
「火と水よ!今ここに1つになるのです!【フレイム・ボール】」
そして私は、炎の魔法を発動しました。
それは、いつも使用している魔法の時と同じ魔力の量を消費して発動したのです。
しかし、その威力は今まで以上のものでしたわ。
いままでは単純に魔力を使えば強い魔法になるとばかり思ってましたわ。
しかし、違いました。
この魔法は、火の魔力と水の魔力を混合させたほうが爆発力が上がり、強くなったのです。
そして、いまのこの戦場では、雨や雲が蒸発したのか、水の魔力の密度が高くなっています。
火の魔力は少ないけれど、周りの水の魔力が起爆剤となって火力が上がっていきます。
流石に『ウォーター・ニードル』と当たった時は少し火力が低くなりましたが、3つの『ウォーター・ニードル』とぶつかっても私の『フレイム・ボール』は健在でした。
そして、そのまま暗い青色の魔法少女に当たりました。
おそらく、暗い青色の魔法少女はトドメとばかりに使った魔法なのでしょう。
だから魔法の反動とか、油断とかがあったのでしょう。
何の抵抗も無しに『フレイム・ボール』は暗い青色の魔法少女に当たりました。
そして、暗い青色の魔法少女は気絶したのでした。
こうして、暗い青色の魔法少女と赤い魔法少女の対決は、赤い魔法少女の勝利に終わったのでした。