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性転魔法使いのオブリージュ  作者: Kiruna
魔法高校編
17/45

赤い魔法少女 対 暗い青色の魔法少女 ①

(わたくし)は、開始の合図とともに魔法を放ちます。


【ファイアー・ボ(火玉)ール】


初歩魔法にして、(わたくし)の一番得意な魔法です。大きさは通常サイズで、相手がどう動くかを見極めるための攻撃ですわ。


「はぁ・・・」


暗い青色の魔法少女は、魔法を使わずに避けました。ここで真白さんなら魔法で迎え撃って、自分の有利な戦況にするのですが、違うみたいです。


【ファイアー・ボ(火玉)ール】


もう一度、放ってみました。ただそれも魔法を使わずに避けられるだけでした。


もしかして、魔力を収縮してますの?


魔力の収縮は、あまりしてる人がいませんが、全くいないというわけではありません。


収縮するには時間がかかったり、詠唱する最中にするという方法がありますわ。


もし、これが時間をかけた収縮なのだとしたら、どうにかしてその収縮をやめさせなければマズイですわ。


【ファイアー・ボ(火玉)ール】

【ファイアー・ボ(火玉)ール】

【ファイアー・ボ(火玉)ール】


(わたくし)はそう思って、小さめの『ファイアー・ボ(火玉)ール』を3つ作りました。


1つで避けられるのなら3つならどうですか?


「はぁ・・・、【レイン・ク(雨雲)ラウド】」


暗い青色の魔法少女は、やる気なさそうにため息をついて、やっと魔法を使いました。暗い青色の魔法少女の目の前に暗い色をした雲が現れて、私が放った3つの『ファイアー・ボ(火玉)ール』をいとも簡単に飲み込みました。


そのまま雲は(わたくし)達の上空に登り、雨を降らせましたわ。


この魔法の為に、収縮させたという事ですの?


確かにこの状況ですと、圧倒的に火の魔法使いが不利になります。


以前の(わたくし)ならこのまま何もできずに負けていたでしょう。


しかし、今の(わたくし)には、


リぺル(弾返)


この初期魔法があるのです。蓮野さんに教えてもらい、何度も何度も練習して、熟練を重ねてかなり有効な魔法になったこの魔法。


それを今、発動したのですわ。


(わたくし)は自身に触れる水だけを弾くように念じて魔法を発動し続けている。


そのお陰で(わたくし)は雨に濡れる事がなくなりました。


しかし、これでも周囲の湿度が高いことや雨が降ってること自体という不利な状況は変わりません。


ならば、この状況をどうにかしなければなりませんわ。


その為に、(わたくし)は力をつけてきたのですわ!


(わたくし)に眠る魔の力よ。今、この時だけ、(しゅう)()をお与え下さいですわ!】


そして、(わたくし)はその言葉と共に輝いた。


輝きが消えると(わたくし)は、(わたくし)だけの魔法服を着て、ここに立っている。


さあ!(わたくし)の中に眠る魔力よ!集いなさい!


そうして、手に魔力を溜めて圧縮する。


その間に先ほどから発動し続けている『リぺル(弾返)』の効果も強くして、今では(わたくし)から半径1メートルほどに雨を弾く空間が出来ている。


また、空気中に含まれる水蒸気の量も減らして、湿度を下げる。


それにより、火の魔法が発動し易い環境を作ったのですわ。


さて、そろそろ手に溜めた魔力はいいでしょうか。


「さあ!行きますわよ!【ファイアー・ボ(火玉)ール!】」


私の掛け声と共に手の先から発動する『ファイアー・ボ(火玉)ール』


その大きさは少し大きいくらい。


しかし、その温度は普通の『ファイアー・ボ(火玉)ール』より高く、周りの雨を触れずに蒸発させている。


それが暗い青色の魔法少女に向かっていく。


「わあー、これはまずいー・・・」


暗い青色の魔法少女は、ふざけているのと思える叫びあげるが、


「これで終わりですわ!」


もうここまできたら逃げれるはずありませんわ。


だから、(わたくし)は勝ったと思いましたわ。


しかし、『ファイアー・ボ(火玉)ール』が暗い青色の魔法少女に近づくと、暗い青色の魔法少女はそのままいなくなってしまいました。


いなくなった様子を見ていましたが、そこに大きな水の塊があって、それが熱により蒸発したかの様な感じでしたわ。


「まあ・・・、私の本体は危なくないんだけど・・・、ふぁ・・・、眠い・・」


そしてどこからともなく聞こえるそんな声に(わたくし)は気付きました。


さっきのは、ただの暗い青色の魔法少女の姿を似せた水の塊だった事に・・・


----------


俺は、美雪と暗い赤色の魔法少女の試合について、学園長に文句を言ったが、笑顔で返されてイライラしてた。


まさか相手も魔器を使ってくるとは思わなかった。


いや、つかってきただけならそれで良かった。


問題はこちらの作戦を見限ったように電属性の耐性の魔器を使ってきた事だ。


こちらが魔器を使うとも限らないから、魔器を使うことを知っていて、尚且つ、電属性という1つの属性まで知っていた。


それは、特訓室をの中を覗く事が出来る学園長しか考えられなかった。


学園長が暗い赤色の魔法少女に教えて対策してきた。


ただでさえ、上級ランクと下級ランクだったもので、差があるのにそんなことをしてくるなんて、思いもしなかった。


そこまで俺を大会に出場させたくないのか!


しかし、俺の文句とは関係なく試合が進んで行き、美雪は負けた。


負けたとは言えども、負ける寸前に本気じゃないと出来ない行動まで見せてくれた。


そこまで俺を勝たせてくれようとしたのかという思いで、嬉しかった。


その後に茜と暗い青色の魔法少女の試合が始まった。


今度もどうせ対策してくるのだろうと思う。


実際に暗い青色の魔法少女は、火力馬鹿の茜にとってはやりにくい相手だった。


雨を使い火の魔法を発生し辛くして、茜は仕方なく第二の変身をして、迎え撃つ。


しかし、それも雨に惑わされて分身を攻撃してしまう。


ただでさえ、第二の変身での魔法の発動は魔力を多く使うというのに、見破り難い変身を使う相手とは戦い辛いだろう。


けどな、まだ終わってないんだよ。


茜は俺の想像を超えてくるんだ。


だからこそ、学園長、お前の予想を上回る事になるだろう。


俺の嫌いなにやにやしたその笑みを歪ませてやる。


「あかねーーー!お前の好きなようにやれーー!」


だから、俺は叫んだ。


どこに居るとか考えなくていい、作戦とか考えなくていい、お前はお前の思い通りに戦えばいいんだ。


「おや、男口調になってますよ?」


俺の叫びに笑みを浮かべてこちらにそんな事を言ってきた。


「あら、ごめんなさい」


心にも無い謝りをするが、俺の心は決まった。


もう一度、言ってやる。


その笑みを歪ませてやる!


そうして、赤と黒の魔法少女と暗い青色の魔法少女の戦いは続くのだった。

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