俺は何も『突っ込まない』話
消されないといいなぁ・・・・
もし何時もの会話形式だけが読みたい方は前半を飛ばしても問題ありません。
「昨日の時間停止の能力について色々話していて思ったが、未来は比較的簡単に行ける、過去は困難だが行ける、時間停止は問題外…つまり、前二つは可能性がある!
では、まず未来に行くにはどうしたら良いのか考えてきた。
この世界には常に同じ時間流れている。一秒が時と場合によっては長くなる、短くなる事は無い。若干の違いが生じるのは、早く経ってほしい、時間が経たないでほしい、こうした理想の中で、時間の流れの感じ方が変わる自分の思考によることにあると思う。
その原理を利用し、長い苦痛や思考能力等の低下、時間の情報を遮断すれば体内時計に乱れが生じ気付いた頃には時が流れていた。本人を取り残し時間は過ぎ去っていた…
では逆に楽しい思いをした時、どの様になるか。答えはそれが長らく続く保証がある場合は、先程と同様に時間軸から取り残されるだろう。
分かりやすい話が浦島太郎が竜宮城で一週間生活したら地上では300年以上経っていた。その時の浦島の感覚では、一日の長さがかなり鈍足…大体45年経って一日経ったと感じた。
それでも若い姿で生きていた理由は…地上と時間軸が違い、その軸上に浦島が立ったことでそれに応じた時間の流れ方をしたのかもしれない、もしくは地上と竜宮城の時間軸は完全に同じ。しかし浦島が一日しか経ってない、そう思い込んだことで体が歳を取らなかったのかもしれない。そこら辺は分からない。
だが、思い込めば時間軸の流れよりも本人が遅く動いた、そして事実を自覚した時。自分は○年後の未来にいた…本人の中ではタイムスリップした感覚になる、その一つかもしれない。
ただ、創作の中に置けるタイムスリップやマシーンは不可解な部分がある。もし15歳の人物、Aさんが唐突にタイムスリップしたとして10年後の未来に行ったとしよう。
するとそこに25歳になったAさんがいた。未来の自分と話して直ぐに帰るはずが、々な事件に巻き込まれながら過去に戻る手段が整うまで三年が掛かったとしよう。
では、自分の本来の時間に帰る時にどの時間帯に帰るべきか。未来に旅立った直後の時間帯に戻った場合、本来15歳だったはずなのに未来で三年過ごした事で18歳。そうなると成長等で見た目が大幅に変わっているだろう。そこら辺の事を回りにどの様に説明するのか?
過去に戻るときは何もしなくても見た目が15歳に戻ると言うのは都合の良すぎる展開である、そうなると何故未来に行くときの見た目が15歳のままだったのか。
では、未来で三年過ごしたのだから、自分が旅立った直後の時間から三年後に行けば良い…そうなると歴史上から三年間、完全に姿を消したことになり、死者扱いされている可能性もある。そこから普通の生活に戻るのは大変困難だろう。
もし戻るのを止めて未来の世界で生きると決断した場合、10年後の世界に何故25歳の自分がいたのか。ここで変な矛盾が起きてしまう。
まとめると、現代・2016年から未来に行って戻るまでに掛かった時間が長くなるほど現代での生活に支障が出る。未来で生きる事を決めたのなら、未来の自分がその時代で生きていることがあり得なくなる…なぁ、ここまで聞いて変な事はないか?」
「…良いんじゃない?」
「いや、適当な返事をするなよ!今回、割りと俺が真剣になって考えてきたんだぞ!」
「いや…内容が分かりにくいし、俺はタイムスリップの専門家でも無い、普段お前に言っている事も個人的な考えを喋っているだけで正しいかも知らない、そして敢えて何も突っ込まなかったら一度の情報量が多すぎて」
「そこは俺が今回は必死に語っているんだし、お前がボケを小まめに挟んで来いよ!?
ちなみにこのあとには過去に行く時の話とか、真剣に考えて来たが…」
「そう言うのはもっと短く考えた方が良いぞ。例えば…原理はどうであれ未来や過去に行って、自分の運命を変えるってあるよな?」
「あぁ、ある意味では王道パターンだよな。」
「でも、その一連の流れこそ最初から最後まで運命だったと思うんだよな。
どの様な敵がこのような事件が起きた、その結果こうなった。何とかしてこの展開を変えたい。
ここまでの流れは最初から絶対避ける事が出来なかった運命。
では、偶然過去に行ってそれを阻止する機会が自分に巡ってきた、過去に行く決断をした。この流れ自体は運命か、偶然か、それ以外か…何に分類される?」
「…偶然にしては出来すぎているよな、なら…運命か?」
「そうだな。もしその偶然の機会がそいつに巡ってこなくても、それもまた運命だ。
では、過去に来た。そこでその事件を起こすヤツが現れた。そいつの動きが僅かにでも変わればその事件が起きなかったかもしれない。
そう思い止める為の行動をした結果、その行動によって事件が防がれたパターンと、その行動が切っ掛けでその事件に繋がった。その行動さえなければ事件が起きなかった…これはそれぞれ、偶然、運命、その他のどれに分類される?」
「…ちょっと待てよ。多分、後者は運命。
事件が起きた→それを阻止するために過去に来た→事実は自分が過去に来たことで事件は起きた→その過去の時代に生きていた自分は、更に過去に行く。この間に本人同士が会っていて、事実を知ったら過去のそいつは過去に行く事を思いとどまるだろうけど、それがなかったから現代のヤツは過去に来たわけで…とにかく、最初からそうなるべくしてなった。
でも、前者は…世界的にどうなるの?」
「そうだなぁ…まず現代のそいつは、その事件が起きる事を知っている。そして阻止できた事も、未来の流れが変わった事も。対して過去のそいつは、自分の近くでその事件が起きることも、自分が阻止するために動いた事も、何も知らない。新たなパラレルワールドが生まれた事になるだろうな」
「…何か、今の自分にはパラレルワールドって概念が納得できなくなってきたぞ。
もしそれが未来に行って起こる悪い運命を変えると…」
「その悪い運命の内容、悪い運命が起こることを知った状態で行った場合阻止できないのが普通。知らずに行って阻止できた場合はそれが普通、その阻止行動成功自体が最初から定まった運命だよ」
「まぁ、急に今まで未来に行くと決まっていたのに『行かない!』ってなったらおかしいな。」
「そうそう。…まぁ、タイムマシーンで有名な某ロボット漫画は一話目から未来とか滅茶苦茶な改変が起きていたりするけどな。
そのロボットがいなかったら結婚相手が変わる、その未来が存在している。でもひ孫は結婚相手が違うのに同じ子が生まれてくるって…」
「あぁ…あれな。影響力でかすぎて、俺らの議論が間違いでありそっちが正解扱いされてしまいそうだな」
「本来、未来って言うのは現代の自分の意思だけで食べ物の注文を変えるだけでも相当な労力がいるはずなのに、軽々やりやがったからな…」
「…はぁ。やっぱ俺は自分の意見よりも話の振りや突っ込み、回答者している方が楽しいわ」
「そうかい。なら、次からは何の振りをするかだけを考えてこいよ。ひのきのぼう」
「お前、何気にそのフレーズ気に入っているだろ」
自分が書いていて、読み返して面白いパターンを模索するために今回は話のきっかけを作るバカ役に別場所で書いているノリで喋らせたところ、バカ役なのにボケ挟まないわ、もう一人が一切喋らないわ、最初に予定していた文章の流れを無視して未来の話ばかりになって過去の話はしないわ・・・それを止める為に途中にもう一人に自分の意見をどう思うか聞いて、それに対して特に触れることなく話の流れを変えてもらいました。
でも、別場所でないのにあれの疑問をネタにして良かったのかなぁ・・・?