九話 素直っていい時もあるけど悪い時もあるんだな
「あ、ありがとう」
アメリアはそういうと飴を食べた、ただの飴、味はマスカット味らしい顔を見てみるとニコニコとしている、それにしても自分はそんな食生活に困った事とかないからまったくわからない
「・・・その飴、美味いか?」
「!うん!おいしいよ!すっごい久しぶりに食べた気がするよこんなおいしいのどれくらい食べてないかわからないよ、ありがとうクウゲン!」
よっぽど美味しかいのかずっとニコニコとしている、俺からしたらその飴だけで喜べるアメリアが羨ましい一方で自分もこれからこの世界で生きていかないといけないと思った瞬間ものすごく胃が痛くなった
「・・・俺ってあっちの世界に戻れないって事はこれからこの世界で生きていく事、になるんだよな?」
「もぐもぐ、うんそうだね当分慣れない生活になると思うけどいつか慣れると思うから大丈夫だよ」
とそんな事を笑顔で言ったが俺からしたらかなり嫌な未来しか見えてこないんだよな、もはや希望もないし、ストレスが溜まる一方だ、生きていけるか自信もない
「聞いてる限りだとかなり厳しい生活をしてると思うんだが・・・体調とか壊したりしなかったのか?」
「最初の頃はかなり壊したね、衛生面とかかなり雑になってきたりして汚い話だけど食中毒とかになったりしてかなり大変な事になったことあるよ、嘔吐したり、下から出たりとか」
アメリアはそんな事を首を傾げながら平然とした顔で言った、うんこの世界で俺、生きていける可能性ないわ、誰か助けてくれ
「・・・あ、そうだ一つ気になった事があるんだがアメリアが住んでる所ってどのくらい人いるんだ?」
「う~ん、60人ぐらいかな結構少ないよ」
え、60人ってかなり多くないか?クラス二つ分くらいの人数だよな、食料とかどうしてんだ??
「60人って、食料とか全然足りないだろ?どうしてんだ?」
「一応私が住んでる所の周りとか畑とか耕したりしてるからね、後動物とか狩ったりして生活してるよ、まぁあんまり動物とか食べたくないんだけどね、火とか通らなくなったりして食中毒になったりするから」
動物、か確かに動物って菌まみれだよな、よく火とか通さないと救急車、って救急車とか病院事態がないのか・・・
「・・・なんというか大変な生活してるんだな、他人事みたいになっちまうけど」
「ううん大丈夫、事実だからね、こんな事言うのもなんだけど今のこの状況も結構楽しいんだよ?前とかまでは色々と規律とかあったりして運動とかできなかったけど今となっては人もいないから遊び放題だからね、自由に」
アメリアにそう言われ俺は頷いた、確かに人が居すぎて公園とかなんて運動する場じゃなくなったりしてたからな、野球とかもサッカーとかもなにもできない状況、やれるとしたら学校とかだったな
「なるほどな、メリットデメリットが存在すると」
「うん、あ、飴美味しかったよありがとう!ご馳走様でした!」
アメリアはそう言いながら手と手を合わた、俺はそれを見て驚いた
「わざわざそんな事するんだな」
「うん、食べ物が食べられて当たり前じゃないからね、ちゃんと礼儀として、ね」
その今やった行動が恥ずかしいのか頬をポリポリとかいた
「・・・あまり触れたくなかったんだがアメリア、お前その傷どうしたんだ?その頬の傷」
「ん?あぁ、これねちょっと震災の時上から降ってきた物に躓いて思いっきり転んじゃって切っちゃったんだよ、傷が深すぎて四か月くらい完治しなかったんだけどね」
アメリアはそう言い笑った、傷の広さからして目の下から頬までかけて約こ6cmぐらいか・・・こんな事口にも出したくないが女である以上顔に傷がつくって相当最悪なことだよな、まぁ傷がついた顔でもかわいいはかわいいが
「そう、なのか、ま、まぁお前は傷がついても可愛い顔してるけどな」
「!う、うんありがとう、そう言ってもらえると、うん嬉しい、かな」
またしても自分で地雷を踏んだ事に気づいた俺は恥ずかしさのあまり顔を隠しそっぽ向いた
「・・・クウゲンってやっぱり私と似てるんだね」
「っえ?」
アメリアに突然そんな事を言われ振り向いた、やっぱりってどういう事だ?
「私、お母さんによくあんたは素直だね、ってよく言われててね、何が素直なの?って聞いたら思った事を口に出せる事、後よく顔に出るって言われて、それでクウゲンもよく口に出すし、よく顔に出てるから私と似てるんだな~って思ったんだよ」
アメリアはそう言うと恥ずかしくなったのか足をパタパタと動かしている、・・・それにしても顔によく出てるって・・・
「え、俺顔に出てるか!?後口にだ、出してるか!?」
「口に出してるかどうかはまだよくわかってないけど顔にはよく出てるよ?嫌だったらなんか嫌そうな顔したり嬉しそうな話だとよく微笑んでたりそんな顔してる、そして今私の事可愛いって言ってくれた時はなんかニヤニヤしてたりしてたね、私もニヤニヤしちゃうよつられてね、あ、別に可愛いって言われて嫌なわけじゃないよ?勿論嬉しいからね!」
俺はそれを言われた瞬間一気に体中から汗が噴き出てきた気がした、じゃなく本当に噴き出してきていた、うんどっか穴に入らせろ、それか死なせてくれ恥ずかしすぎてくたばりたい
「!あはは!クウゲン顔真っ赤!」
「っや、やめろ!俺を今見るな!」
必死に隠そうと俺は服で顔を隠した