八話 電気がないと本当暗い
そしてそれから俺とアメリアはアメリアの住んでるという所に行こうとしたわけだが
「・・・こっちの世界って暗いんだな」
「・・・うん、クウゲンがいた世界みたいにこっちは今人とか全然いないから電気とか通ってないしね」
俺達は結局辿り着かず野宿、みたいな結果になった運よくアメリアが持っていたライターでそこらに落ちている木材らしき物を燃やして明るくしている、また今の時期運よく冬じゃないため凍死する事はまずない、非常に運が良い、他のなにかのおとぎ話とかでは凍死して死んだりするがな、ちなみに携帯は電池がもったいないから使わない事にしている
「アメリアお前なんでライターなんて持ってたんだ?」
「一応持っておこうって思ってね、いつ何が起こってもおかしくない世界だからさ、ライターぐらいならポケットの中に入れてても重くないから大丈夫だからさ」
アメリアはそう言いながらごそごそとポケットの中に手を突っ込みなにかしている
「?他にもなにか入ってんのか?」
「ん?あぁ、うん入ってるよ、ほら」
そういうと立ち上がりポケットを掴み裏返した、すると色々と女が持つべき物じゃない物が色々と地面に落ちた、先ほどのライターと合わせて四個、ポケットナイフかなにかわわからないがそんなナイフ、小型懐中電灯、電池と持っていた
「懐中電灯あるんならこれ使えばいいんじゃないのか?」
俺はそう言いながら懐中電灯を掴み、見たその懐中電灯は結構使われているのかわからないが所々に汚れやらなにやらついていた
「電池がもったいないからね、こんな世の中だからさ店とかも全部潰れてるし何かを外から輸送してくれるわけでもないから遠くに行けなくて、何も取りに行けないんだ、大変だよ本当」
アメリアはそう言いながら集めてきた木材を次々に火の中に入れている、にしても今まで停電とかなったりした事ないけど思った以上に真っ暗だ、恐怖すらも感じる
「なるほどな、確かにそんな遠くに行ってる間に夜になる可能性もあるし元の場所に戻ってこれる可能性もほぼない、それにアメリアの話を聞いてる限りだとまだ収まってないんだろ?このここら辺を潰した意味のわからない現象らしきもの」
「うん、クウゲンのいう通り私たちはどこにも行けない、でもそんな状態だと食料も尽きてくるから一応一週間に一回ぐらいは遠くに行ってくれる人が居るんだけどね、本人は仕事だとか言ってるけど」
一週間に一回って一体何食ってんだ?水だけでもせいぜい三日間くらいしか生きられないとか聞いた事ある気がするし・・・
「ん?その人って一人なのか?」
「そんなまさか、違うよちゃんと複数の大人の人たちが三日間くらいかけて調達しに行ってるんだよ、その間はあまり余った飴とかで空腹をごまかしてるけどね、塩の飴だけど」
俺はそれを聞いた時ふと思い出した事があった、それは家に帰ってくる前に道を歩いていた時にティッシュと一緒にもらった飴をもらった事だった
「・・・おっ、やっぱりあった」
「?それ、飴?」
「あぁ、食べるか?」
俺はそういい取り出した飴を見せた、別に特に食べたいわけでもないしあげてもいい、そう思った
「いいの?」
「別にいいよ、ほら」
驚愕するアメリアを見てこんな飴でも嬉しがるんだな、と少し悲しい気持ちになりながら俺は渡した、まぁ仕方がないのかもしれない俺からしたら非日常的すぎる生活だがな