二十八話 アメリアの妹、名前はイマリ
そしてそんな事があり一時間くらい話し合っていたがアメリアにそろそろ寝た方がいいんじゃないか、とそう言われ寝ることにした、同じベッドで誰かと一緒に寝るなんて初めてだな、と思った、小さい頃はベッドではなく普通に布団を敷いて家族みんなで寝ていた、今更すぎるが家族みんなは俺の事心配したりしているのだろうか…多分妹は心配しているだろう、いや、そう思いたい、嫌われてはいなかった筈だ、一応ゲームとかに誘ったり一緒に出掛けたりしてたから別に嫌われては、いない、はず…
「・・・ぁ?」
カーテンの隙間からそっと指す朝日に目を覚ました、夢見が悪かったのか少し眠い、見ていた夢は大体覚えている、家族のこと、そして特に妹との思いで、普段特に意識もしたことがなかったが、今から思うと家族と離れ離れになるってこんなにも寂しいような感じになるんだな…
「・・・はぁ…」
溜息を吐きもう現実の俺がいた世界に戻れないことを再度確認した、そう思うと虚しさだけがやってくる、が一応この世界にも希望がある、それはこの世界に来てから一番最初に出会った女、アメリア、もう一人の俺だがアメリアがいなかったら俺は今頃・・・、そう思うとだいぶましだな、と思った、そしてその張本人には今俺の横で寝てるわけだが
「って、あれ、アメリア?」
横にいる筈のアメリアがいない事に気づき辺りを見回してもいない、そこで俺は腹の痛みに耐えながら横に掛けて置いてあった木刀を杖替わりにし、立ち上がった、そしてドアを開け廊下、らしき所に出た、そしてそこで改めて気づいた事があった、それはこの建物全部が木で出来ていることだった
「・・・いや、そんな事よりこの建物でかすぎるだろ…宿泊する所か何かか…?」
俺はそんな疑問を抱きながら歩くことにした、普段歩くスピードと違い腹を怪我している為大変苦労する、やらなきゃ良かったとさえ思う一方で、結果的にアメリアと一緒にいられる事になった為結果オーライ、だとも思っている、代償があまりにもひど過ぎるが
「…広すぎるな、どこに誰がいるかわからねぇじゃねぇか」
部屋一つ一つを見ながらそう思った、札らしきものも何も書いてないため誰がどこにいるかさえわからない、もし怖い人だった場合色々とまずい事が怒りそう、と妄想をしている為余計だ
「・・・ん?」
そんな事を思いながら歩いているうちに人影が見え俺はそこまで急いだ、後ろ姿で誰かわからない、が小柄だ、と思っているうちにその小柄な人のところに近づいた、どうやら性別的には女らしい
「あの、すみません」
俺はアメリアの場所を聞き出そうと思い声をかけた、そしてその女は振り返った、そこで俺は驚きを隠せず目を大きく見開いていたと思う、驚いた理由、それは
「あ!昨日のお兄さん!」
今俺の目の前にいる人物、それはドッペルゲンガーもびっくりな程に俺の妹と瓜二つの人物だった、俺は我を忘れ木刀を地面に落とし、ついやってしまった
「・・・っ」
「!え、あ、あの!?」
俺はつい、抱きしめてしまった、久しぶりの家族に、久しぶりの妹らしき人物に
「っ…イマリ…」
「!?え…お、お兄さん、なんで私の名前知ってるの?」
その事を聞き俺は驚いた、こっちの世界の妹もイマリという名前に、だが一方で疑問が浮かんだ
「っそ、それは…ってえ、えっとイマリ、お前誰か家族とかいたりするか?」
「えっ、う、うんお姉ちゃんが・・・」
それを聞き一つわかった事があった、そのお姉ちゃんとは多分アメリアの事だと思った、姉、アメリアと似ている、がただ目の色が青ではなく黒色のような茶色のようなそんな色
「・・・そのお姉ちゃんって、もしかしてアメリアのことか?」
「!!お、お姉ちゃんのこと知ってるの!?」
「あ、あぁ知り合い、だな」
妹と似ているところは見た目だけではなく元気いっぱいなところもいにてるんだな、と思った、そしてそんな妹、ではなくイマリについ懐かしさに俺は微笑んだ