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二十五話 母親の土下座

ここはいったいどこなのだろうか・・・俺は・・・ん…?なんだ、この匂い…薬品の匂い、か…?…ぁ、そうか…俺は、確か…


『これでおしまいだな』


・・・そうだ、俺は・・・あの男に負けたんだ…片手一本で…あの大男に……はぁ…一応強くなろうって、努力してたはずなんだけどな…いや、たった一年間素振りしただけで強くなろうだなんて甘すぎるか・・・



「・・・ん…」


いったいどれくらいの時間寝ていたのかわからないが、先程のことは間違っていなかったのか薬品類の匂いがする、保健室の匂いに似ている、とそんな事を思っていた時に


「!!クウゲン!!」


「!アメリア・・・ッ!!」


アメリアに気付いた俺は起きようとした、だが横っ腹のあまりの激痛に寝転んでしまう、そして寝転んだ時、ふと気づいた、俺はベッドの上で寝ていた事に


「だ、だめだよ!起きちゃ!」


「っあ、あぁ・・・痛すぎて呼吸もつらいぐらいだ・・・っ」


激痛がする部分を見てみるとそこには包帯が何十にも巻かれている、とてもじゃないが動けそうにないぐらいだ、・・・今更だが、よくあんな大男に挑んだよな・・・俺・・・


「え、えっ~っと・・・!!」


アメリアはあたふたとそこら中歩きながらなにか考えている、一瞬笑いそうになるが激痛のあまり笑える気にもなれない


落ち着きなさい、アメリア


「!!」


足音と共にこの部屋、らしきところに入ってきたのはアメリアの母親だった、今のこの激痛からこの母親の事はあまり見たくない、そう俺の頭の中で認識していた、ある意味トラウマに近いものを埋められたかのようなそんな気分だ


「お、お母さん!!」


「起きたようね、無事でなによりだわ」


俺はその事を聞いた時、どの口からそんな事が言えるんだよ、そう思った、俺にも比はあるがあんな大男に一太刀入れろとか無理に決まってんだろうが、そう少し不愉快気味に思いながら見ていると、母親は俺の前まで来て立ち止まった、そこで次はなにをされるのか、と見構えそうになった時だった


「・・・ごめんなさい!」


「・・・へ?」


突然俺の前で止まったかと思いきやいきなり土下座した、その事に対し俺は理解が追い付かなく、ちょ、え、これどういう事、え、っと口に出していたかはわからないが困難した、一方でアメリアを見てみてもぽかーんとしている、おい、なんだその顔はと思っている内に


「本当に、ごめんなさい!、実はこの子の為に本当に戦ってくれるかどうか試したの!」


「っえ…ちょ、ちょっと待ってください!それってどういう事ですかっっ!!」


「!く、クウゲン大声出しちゃだめだよ!傷に響いちゃうからっ!」


あまりにも理解不能すぎる事に俺は大声を出していた、傷のことなんて気にもせずだした、そのおかげでとてつもない激痛にベッドから落ちそうになった、そこでちょうどアメリアに抑えられ落ちなかった、落ちそうになった瞬間ひやっとした、そしてどっと、疲れたがきた


「…最初この子に話を聞いた時別にここに居てもらってもいいと思ったの、でもクウゲン、貴方がいきなりこの子と一緒に居たいって言うから、その・・・ダリウス、あの人と戦ったらこの子と一緒にいてもいいって思って、でも断ると思ったんだけど、予想と全然違って・・・戦ってくれるかどうか試したかったの・・・まさか、本当にやってくれるとは思ってなくて・・・その本当にごめんなさい!!怪我をさせてしまって!!」


どうやらこの母親は俺が断ると思ったらしい、まぁそりゃあんな大男と戦おうなんて普通の神経をしてたら思わないよな・・・ん?ちょっと待てよ、だとしたらあの時断ってたらアメリアと一緒にいられなかったんじゃ・・・?


「・・・えぇ、その通りよ、この世界では力なんかより度胸がすべてだから、その試すような事しちゃって・・・まさか、本当にやってくれるとは思ってなくて、こんな大怪我させてしまって、本当にごめんなさい!!責任はすべて私です!!アメリア!貴方にもごめんなさい!!貴方の友人、いいえ、思い人を傷つけて!!」


・・・いったいなにやらこの母親はなにか勘違いをしているのかものすごい事を今言ったぞ、いや、傷がいたすぎて恥ずかしいもなにもないけどさ、アメリアの顔がやばいんだけど、すっげえ口ぽかーんって


「・・・っ!!お、お母さん!!何言ってるの!!?く、クウゲンは二日くらい前にあったばかりなんだよ!?そんな簡単にほ、惚れるわけないよ!!」


アメリアはそう言いながらすっごい顔を真っ赤にしている、いやさ、そこまで否定しなくてよくない・・・いや、別に傷ついてるわけじゃないよ、お腹は物理的に殴られて傷ついてるけどさ


「嘘はつかなくていいわよアメリア、本当にごめんなさい、仮にももう一人の私の子だという立場なのに・・・」


母親は土下座からもっと深く頭を下げ地面に頭が付くぐらい頭を下げている、なんだこれ、もはやギャグじゃねえか、ってそんな問題じゃねえだろ


「ちょ、ちょっと!顔あげてくださいよ!結果としては俺はアメリアと一緒にいられるような状況になったんですから結果オーライですよ!」


そんな事を俺は言っているが内心全然結果オーライじゃない、もし頭を打たれてたら絶対死んでたし、・・・なんというか、俺なにか得したことあるか・・・?


「・・・そう、優しいのね…、流石もう一人のアメリア、いいえもう一人の私の息子ね」


母親はそう言いながら俺をそっと、優しく抱きしめてきた、うぉ、なんだこの匂い、なんて思ってたら㋐メリアが突然


「っちょ、ちょっとお母さん!!クウゲン怪我してるんだよ!?やめなよ!!」


アメリアはアメリアで母親を引っ張る、そのおかげで俺は引っ張られ傷口にグイグイあたり物凄い痛みがくる、おい、やめろ、吐くぞ


「!あ、そうね、ごめんなさい、あ、そうだ、ついでに私の名前を言っておくはまだ言ってなかったしね」


アメリアの母親はそう言いながら俺を離し、笑みを浮かべながら名前を名乗った


「私の名前カミラって言うは、よろしくね、えっと、クウゲン、って呼べばいいからしら?」


・・・今更だがアメリアといい、ダリウスといい、カミラといい、どこの国の人達だよ・・・まぁ気にしないでおこう・・・あ、それとこのえっと、カミラっていう人はアメリアと同じ黒い髪で、でもアメリアと違って長い髪、それにアメリアと同じ青い瞳の色、・・・正直本当に母親かどうか疑わしいくらい若い顔だ・・・アメリア以上に美人かも・・・いや、アメリアには少し負けるか・・・?


「もう、お母さん・・・、クウゲン?」


「・・・いや、なんでもない」


俺はそういいベッドに潜った、いろいろと置きすぎてすごく疲れた、そんな気分だ・・・



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