十三話 家族へ
「スゥ~…スゥ~…」
「・・・」
それからの事、空腹に耐えかねアメリアは寝てしまった、そして今俺は動けない状態にいる、なぜかって?理由としては一つしかない、アメリアが俺によっかかって寝ているからである、横に寝かしてやる、という手もあるがその場合だと起こしてしまう場合がある、起こしてしまうとこの静かな雰囲気な味わえなくなる場合があるからそれはできる限り拒否したい、この世界に来てから休む時間がほとんどなかった、いま、この静かな時間がやっと俺のとれる休息な時間、誰にも邪魔をされたくない
「・・・まぁ、軽いからいいか」
「スゥ~…スゥ~…」
「・・・もう一人の俺って言っても見た目は全然似てないんだなぁ・・・」
そこで俺はこいつはもう一人の俺なんだ、と認識したところで別にいいかな、と思いちょこっと頬を手のひらで擦るように触った、別に向こうも俺にこうやって体を預けてんだ、平気だろ、そう思った
「っんんっ…」
「っ・・・」
・・・やっぱやめておこう、これこそ起こす原因だ、・・・それよりものすごい尿意を今感じたんだが、仕方ない
「っ起きないでくれよ・・・ッ」
俺はそっと起こさないようにアメリアの肩、腰と手を回しそっと地面に横たわらせた、うん危ない危ない、本当はなにか頭の下に置いてやりたいところだが、生憎今の俺はなにも持っていない、服、ズボンと一枚一枚しかない
「・・・さて、急ぐか・・・」
一人にしておくのもやばいな、そう思い俺は急いで少し離れた林の中に入った
「・・・ふぅ…」
俺がいた世界と違いこの世界は物凄く静か、アメリアはこの場所だけが震災にあった、と言っていたが本当はこの世界全体が震災にあっていて誰も生きていないのでは・・・?と思ったがそこで考える事をやめた、理由としては今そんな事を気にしたところでなんの意味もないし余計不安を煽るだけだからだ
「ふぅ、すっきりした、ん?」
用をたしたところでガサガサ、と変な音が聞こえ振り返った、そこには動物がいた、暗くてよく見えないが結構でかい体をしているようにも見える、なにか角のようなそんな物が見える
「!もしかして、鹿、か?」
ここが都会とかだった場合はいない可能性があるが、ここはほぼ田舎、しかも無人といっていいほどの場所鹿や他動物がいてもおかしくない、にしても今目の前に食料がいるわけだが自分は動物なんて狩った事もないし可哀想で狩りたくもない、これが正直な気持ち
「・・・もしアメリアがいたら殺してたんだろうなぁ・・・」
そんな事を思っているうちに鹿らしき動物は走って行ってしまった、詳しくは飛んで行ったといった方がいいかもしれない、まぁいいかそれより早くアメリアのところに戻らないと
「!あ、クウゲン!」
「あ、わ。悪い起こしたか?」
「起こしたかじゃないよ!心配したんだよ!?」
戻ってくるととんでもない血相で見てくるアメリアに驚いた、怒るとそんなに怖い顔になるんだな、といや本当に怖いんですけど
「わ、悪いちょっと用をしに行っててさ」
「!行くなら私を起こして!いい!?」
「っわ、わかった」
お前は俺の母さんか何かか、そう思ったと当時に心配されてる事がわかり嬉しくも思った、まだ会って数時間しかたってないんだけどな
「!あ、うん、私もごめんね、全然説明してなかったし、それに全然知らない場所に来て私が寝ちゃってクウゲンが・・・」
「っい、いいっていいって、俺の不注意でこうなったんだし、仕方ねえだろアメリアは俺を心配してくれて言ってくれたんだろ?十分伝わったし嬉しいよ、逆に俺が悪いよこんなどこかわからない暗闇の中を平然とした態度で過ごしてんだ、どんだけ平和ボケしてんだって話だよ」
俺はそう言いながら苦笑いした、今言った事は全部本当に思っていった事だ、こんな暗闇でいつ地震、他なにが起こってもおかしくない場所で呑気に用をたす、平和ボケの証拠、危機感がないやつ、アメリアの事言えないくらい平和ボケした人間の証だ
「・・・うん、でも私も本当ごめんね、なんかクウゲンの話してたらいきなり寝ちゃってね、安心でもしてたのかな?」
「!仮にも同じ同一人物みたいなもんだからな、性格とか雰囲気とか似てるから安心したんだろ?多分、他人じゃないから余計安心したんだろ」
そう言い俺は笑った、これは本当の事だ、自分とまったく似てなくて正反対のやつなんかとは安心もできないし逆に鬱憤が溜まるぐらいだ、だから安心しても別におかしくない話だ
「!あはは、そうかもね」
「あぁ」
俺はそう頷きアメリアの横に座った、別に特に理由があったわけではない、ただ自然的に勝手に体が動いたわけだ、たぶん雰囲気とかもあっての話だと思うけどな
「もう一人の自分ってのもなんか変だから、クウゲンはこれから私の家族、どう、かな?」
「っへ?」
いきなりのアメリアからの言葉に驚きへんな声を出しながら見た、アメリアは小さい子供のように瞳を輝かせながら見てくる、やめろその瞳、なにも言えなくなる
「ど、どう、かな?」
「!あ、あぁ、え~っと、うん、まぁ良いんじゃないか?他人ってわけでもないし、もう一人の自分だからほぼ家族同然だろ!」
何言ってんだ俺~、気持ちわりぃ~、そんな事を思っていたが
「!!うん!そうだよね!それじゃあこれからよろしくねクウゲン!」
全然気持ち悪いとも思っていなかったらしい、逆にすっげえ嬉しそうな顔してるし




