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境界のカタストロフィー  作者: 最有機
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プロローグ

それはたぶん、昔の記憶だと思う。


子供の頃の俺はいつもの日常の中にある違和感に気がついた。

それは唐突に認識の中に割り込んできた。

それはひどく。

ひどく、美しい女性だった。

紫陽花のように紫のような青のような鮮やかな髪と、シミ一つない美しい肌。

どこか浮世離れした碧色の深く吸い込まれそうな瞳。

そこにいるが、存在しているか疑わしい気配をしていた。


あの時確か、

「君は相変わらずあの時のままだね・・・え?」

なぜか見覚えのある。初めて会ったはずなのに、

すると彼女は答えた、

「ようやく見つけた。これで全部そろったかな?」

訳が分からないことを言っているので再び問いかけた。

「何が揃ったの?」

戸惑う俺を一切省みないで、

女性は眩い無邪気な笑顔をしながら、

「私の旦那様だよ。今思い出させてあげるよ。」

俺の額に女性の指が当てられ、

「なにをする?」

あまりの出来事に体が動かなかったのか、

それとも女性から発せられているプレッシャーにあてられたのか。

動かないでいる俺に、

「今から入れるよ。」

「何を?」

「大丈夫、たぶん痛くないから。」

「ちょ、ま、痛っ」

その瞬間。

頭の中に何かが入ってくる。それがわかる。

生命の力の奔流。

物心ついた頃から燻ぶっていた影。

しかし、今ここに一つの答えを与えられた。

「はい、おわりー。これであなたもプラナを認識できるね。どう?何か思い出した?」

呆然と佇む俺に再度声がかけられた。

「あっちには、記憶が全部残ってなかったからこっちに残りすべてがあるはずよね。どう?」

「待てよ!なんの事て言ってるかわかんないし、聞きたいことも・・・」

ここでいつも記憶が途切れる。


今にして思うと、あれは何だったのか。

何故あれを受け取れたのか不思議に思う。

あの後何があったのか。

そして、今使える『プラナ』この力は何なのだろうか。


なんにせよ、俺の物語が始る。

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