【prologue1】疑うことを知らなかった少年
どうもはじめまして、名無死と申します。
処女作となります。
始めたばかりで未熟ですが、よろしくお願いします。
※暗いお話しになります
※無断転載はお止めください
____昔々、一人の少年がいました。
少年はとても明るく元気な性格で、皆に好かれていました。少年は疑うことを知りませんでした。少年は自分と言う存在に自信がありました。
少年はそのまますくすくと育ち、小学5年生になりました。
そんなある日、事件が起こりました。
皆が少年を無視するのです。
少年は最初こそポジティブにいました。が、無視する人は日に日に増えていきます。最初は慰めてくれていた友達達も少年を無視するようになりました。
少年はとうとう独りぼっちになってしまいました。
ある日学校に行くと、少年の机がありませんでした。戸惑う少年を見て、回りはクスクスと笑っています。
少年へのいじめが始まりました。
日に日に削れてゆく心と身体をおさえながら、少年は耐えました。
辛いいじめにも屈しず、少年は決して泣くことはありませんでした。
そんな少年に手を差し伸べてくれた少女がいました。
少女はとても優しく、少年を守ってくれました。
少年は希望に満ち溢れました。
少女と共に過ごしていると、いじめも耐えることができました。少女と過ごす日々はとても楽しかった。
そして少年は誰にも教えていない秘密の場所を少女に教えました。
そこは街全部を見渡せるような崖でした。
時折少女とそこに訪れては楽しい会話を繰り広げました。
__この時も少年は疑うことを知りませんでした__
ある日、少年は聞いてしまった。
少女といじめっこ達の会話を。
少女は少年の罵倒暴言をいじめっこ達にぶつけていました。
少年は何を言っているのかわかりませんでした。
わかりたくなかった
少女は少年と仲の良い振りをしていたのです。
少年は走りました。
何処へ向かうわけでもなく、
ただただ走りました。
気づけば崖の上にいました。
夕日に照らされた街はとても綺麗でした。
少年は泣きました。
初めて泣きました。
たくさん泣きました。
大きな声をあげて泣きました。
泣き疲れた少年は眠りにつきました。
目が覚めたとき少年から信じる心が消えていました。
次の日、朝一で学校へ行った少年は
自分をいじめたいじめっこ達の机と少女の机と黒板に今まで言われてきた罵倒暴言を書きなぐっていきました。
そして教室の真ん中で____
少年は転校しました。
少年の世界はモノクロでした。
少年は信じたかった。
寂しかった。
少年はまた疑うことを忘れた。