57話 生き残るべきは
すいません、水曜日に更新出来ませんでした。
投稿できるような出来上がりにならず、一から書き直したためにこうなってしまいました。
次からはこうならないように頑張ります。
健仁は剛力を探して本拠地に侵入する。中の敵は剛力が倒したのだろう。戦闘の痕跡がいくつもあった。
今の自分では足手まといになってしまうのではないかと考えるが、すぐにその考えを振り払う。自分の思い描いた理想が、そう簡単に他人に負けてしまっては堪らない。
健仁は剛力を探し続けるが、見つからない。ふと、背後から呼び止められた。
「健仁さん、リーダーは見つかりましたか?」
小倉だ。青い髪の青年で、剛力の秘書をやっている。浮遊剣と言われる能力の所持者で、上級戦闘員の中でもかなりの実力を持っている。
「いや、まだ見つかってねえ。小倉、お前の相方はどうした?」
見てみれば、小倉は一人で行動している。相方はどこにもいない。
「……敵にやられました。すでに消滅しています」
「そうか……」
外の状況はよくわからないが、かなり酷いことになっているのだろう。死人が出たことを考えれば容易に想像できた。
「健仁さん、お互いに相方はいないようですし、一緒に行動しませんか? 手分けして探すよりは若干効率は悪いですが、安全面を考えれば一緒に行動した方がいいかと」
「そうだな……リーダーさんを探さなきゃいけねえし、二人で行くか」
健仁は小倉と共に剛力を探す。
「そこにいるのだろう? 隠れていないで、出てきたらどうかな?」
剛力が柱の方に向かって言い放つ。すると、柱の影から男が姿を現す。
「俺が隠れているとよくわかったな」
男は不敵な笑みを浮かべながら剛力に言う。
「これだけ殺気を出されたら、気付かないわけがないね。そうだろう? 藤堂君」
柱の影から姿を現した男――藤堂は、剛力に対して殺気立った顔を向けている。
「なぜこの場所がわかった?」
「私の部下は優秀だからね。簡単に見つかるよ」
剛力の口調からは余裕を感じさせる。実力差で言えば藤堂には遠く及ばないが、デッドガーディアンズのリーダーとして皆をまとめる剛力には、それだけの威厳があった。
「藤堂君。私としてはね、戦いは避けたいんだ。君には降参してもらいたい」
「なんだと?」
「デッドガーディアンズには君を超える実力の持ち主がいる。戦ったとして、君に勝ち目はない」
「そんなことはない!」
剛力の言葉を聞き、藤堂は苛立ちを見せ始める。
「俺はあの世界を壊す! 貴様ら死守護者ごときに負けるわけがないだろう! 凍てつく氷の女王ですら、俺には敵わなかった! それがわからないのか?」
「アリアは確かに強かった。かつてのデッドガーディアンズでは、ね。だが、デッドガーディアンズは前よりも遥かに強くなっている。それこそ、私よりよりも強い者は何人もいるだろう」
「そんなハッタリが俺に効くとでも思ったか? 馬鹿馬鹿しい」
「いずれ君も分かるだろう。今は、私だけで我慢してもらおうか」
剛力が構える。すでに藤堂は戦闘体勢に入っていた。辺りは黒い闇に包まれている。
「結界か。なおかつ藤堂君にはメリットのあるようだね」
「それがわかって何になるんだ?」
「君の能力を理解したいだけだよ。全てね」
剛力の意図は、藤堂には全くわからない。もしも藤堂が気づいたとて、どうすることも出来ないだろう。
「なめるな!」
藤堂が地面から結晶化した闇の刃を突き出す。剛力はそれを予測でかわしていく。
「結界によって広がっている闇を結晶化させているのか。結界がなければ、この技は使えないね」
「だからどうした!」
藤堂が技を放つ度に、剛力はそれを全力で回避する。反撃をするには余裕がなく、今はひたすらかわしていくことしか出来ない。
藤堂はそう考えたが、実際は違った。
「どうした? かわしているだけじゃ俺には勝てないぞ?」
「ああ、そうだろうね」
しかし、相変わらず剛力はかわし続けている。
視覚・聴覚情報をナビと共有化し、それをデッドガーディアンズ本部のサラディンのもとへ転送される。すでに藤堂の技のほとんどが、剛力の解説と共に本部へ転送されている。
「なぜ反撃しない!」
かわし続ける剛力に対し、藤堂は怒りをぶつける。しかし、剛力は反撃はおろか、攻撃をしようという意思を感じさせない。
「俺を……なめてるのか?」
どれだけ攻撃をしようと、弾切れは起きない。それは剛力とて理解しているはずだ。ならば、なぜ反撃しないのか。藤堂には理解が出来ない。
「そろそろ……いいかな」
剛力が呟く。
「何がだ?」
「藤堂君。君は怒りに身を任せすぎた。もう手遅れだ」
「だから、何がどうしたって聞いてるんだ!」
「気付かなかったのかな? 私は視覚・聴覚の共有化をしていたのだよ」
「なん……だと?」
藤堂の表情が一気に変わる。怒りから焦りへ、そして恐怖へ。
「そういうことだよ。私がもし死んだとしても困らないほど、今のデッドガーディアンズは強い。故に、私はここにいる」
「よくも……よくもやってくれたなああああ!」
半分発狂しながら、藤堂が攻撃を仕掛けてきた。かわしきれないほどの数の闇の刃を藤堂が放つ。剛力は、それを受け入れるかのように深呼吸をした。
その直後、轟音が鳴り響き、二人の青年が現れた。
「リーダーさんよ、死んじゃ駄目だぜ?」
正直、防ぎきれるとは思っていなかった。もし小倉の援護がなかったら、今ごろ自分は八つ裂きにされているところだっただろう。
「リーダーさんよ、死んじゃ駄目だぜ?」
こんな強気な台詞が出せたのは、体の震えを誤魔化すためだ。少しでも気を抜けば、足が空くんで動けなくなる。健仁の直感がそう告げていた。
「貴様は誰だ?」
目の前には、醜いまでに怒りに顔を歪ませた男がいた。
今自分に出来ることは、剛力を逃がすことだ。彼を失わせるわけにはいかない。覚悟は決まっている。身を呈してでも剛力を救う。それが自分のやるべきことだ。
「ここは俺に任せて、リーダーさんは本部に戻ってくれよ」
「しかし……」
「デッドガーディアンズにあんたは必要だ。だからよ、逃げてくれ」
健仁の真剣な表情を見て、剛力は悩む。自分のために健仁を死なせるわけにはいかない。しかし、彼の意思は固い。その意思は尊重しなくてはならない。
「……わかった。小倉、行くぞ」
剛力は頷き、走り出す。
「逃がさない!」
藤堂が止めようと攻撃をするが、健仁はそれを妨げる。
「させねえよ」
「邪魔をするな!」
藤堂が攻撃をいくらしようが、健仁はその身で受け止める。
「これで、いいんだよな」
健仁は呟く。次の攻撃で自分は死ぬだろう。健仁はそう悟り、敵を見据える。
「デッドガーディアンズは、お前には負けねえよ」
その言葉を最後に、健仁はこの世界から消滅した。
どちらが生き残るか。ということで考えてみたのですが、やはり剛力さんを残しておきたいと思ったのでこうしました。
剛力さんがいなくなると、ストーリーを進めづらくなってしまうのでこうなりました。




