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死後生活―アフターデッド・ライフ―  作者: 黒肯倫理教団
第二章

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17話 黄色と青

うまく会話が書けない……

精進します。

 エントランスに向かうと、すでに奏が待っていた。右手には旅行用バッグを持っている。何が入っているのかは知らないが、かなり大荷物のようだ。

 「どうしたんだその荷物。俺と同じで来たばかりだろ?」

 「女の子には色々と必要なものがあるの」

 「そんなもんなのか」

 会話をしながら待っていると、サラディンがやって来た。その隣には戦闘員と思われる、30歳くらいの男がいる。

 「二人とも早いね。まあ、来たばかりだし用意には時間がかからないか」

 「それで、どうやってそこに行くんだ?」

 「車に乗って行くんだ。君たちの知っている車とは少し違うだろうけどね」

 サラディンは爽やかにそう言うと、隣にいた男に何かを言った。男がナビを操作すると、目の前に行きなり機械が現れた。

 「こ、これは……」

 見た目はどちらかと言うと戦車のようだった。天井はオープンカーのように開いており、銀色の車体は分厚い装甲を纏っている。車体の左右には1つずつ砲台が設置されていて、自在に稼働する。SF映画で見るようなその機械に、優斗は目を輝かせた。

 「これはここの中でも上位の輸送車だよ。君たちには援軍と同時に物資輸送も頼むよ」

 「了解。それより、運転の仕方がわからないんだが」

 「それは大丈夫。オート操作になっているから寝ていれば勝手に着くよ」

 「へー、便利だな」

 ゼログラビティに関してもそうだが、こんなにこの世界は発達しているのか。感心しながら乗り込む。

 「それじゃあ、何かあったら連絡をしてね。行ってらっしゃい」

 サラディンに爽やかに見送られ、二人は基地へ向かう。

 「なあ奏、基地ってどんなところなんだろうな」

 「うーん……ちょっと調べてみる」

 奏はナビを開くと検索を開始した。画面にはいろいろな情報が写し出されている。

 「海辺に隣接した基地で、景色は全基地の中でも最高クラスの景色だって。近くにはほとんどイーターが確認されていない分、かなり守りが薄いようね」

 「そりゃあ狙われても仕方ないな。イーターのやつらだって、デッドガーディアンズのことを邪魔に思ってるだろうし」

 そう考えてみると納得がいく。イーターからしたら俺たちの存在は邪魔にだろうし、大規模に攻めてくるってのも当然だろう。

 「人数もあまり多くはないらしいな。上級戦闘員もいるみたいだけど、一人だけだしな」

 「弱いやつならまだしも、強いやつが攻め込んできたらどうするのかな」

 「逃げるしかないだろうな。援軍を要請してくるってことは、よほどキツい状態なんだろうな」

 現状がどんな状態かは知らされていないが、おそらくはかなり追い詰められているだろう。

 真面目な話をしていると、だんだん潮の匂いが漂ってきた。辺りを見回すと、すでに海が見えている。

 「うわー! 見て優斗、すっごい景色!」

 「景色なんて見てもなあ」

 「まったく、ロマンがないんだから……」

 正直な感想を言っただけなのだが、奏はむくれてしまう。頬を膨らませながらなにかを呟いているが、面倒だし、放っておこう。

 喉が乾いたなと思い飲み物を探そうとすると、嫌な感じが背中を走る。これは何か悪いことが起こるときに優斗が感じ取るサインである。優斗の理想の1つであり、この世界に来たときにイメージして置いてよかったと思える超能力のうちの1つだ。

 「奏、戦闘態勢に入れ!」

 「えっ? 敵はいないけど」

 辺りを見回しながら奏が言う。優斗が「ストラグルモード!」と言うと、奏も戸惑いつつ「ストラグルモード」と言った。

 しばらく進むと、前方で轟音が響いた。どうやら戦闘が行われているらしく、近づくにつれて焦げ臭い匂いが漂ってきた。

 ふと思いついた優斗は、状態を確認するためにナビを開きレーダーを確認する。画面にはいくつかの黄色い点が写し出されていて、その中心に青い点が見えた。赤い点は見当たらず、黄色と青の二色しかない。

 「これは、人間同士の戦いなのか……?」

 サラディンは基本的には襲ってこないと言っていたが、違った。目の前では戦闘が起こっている。なぜそいつらがデッドガーディアンズを襲うかは知らないが、仲間が襲われているのだから助けに行かなければ。

 「奏、青い反応のやつを助けるぞ」

 「わかった」

 2人は顔を合わせてうなずくと走り出した。だんだんと近づくにつれて状態を把握してきた。黄色い点の主は5人の男で、男たちは皆体に炎を纏っている。青い点の主は1人の少女で、こちらは必死に逃げ惑っている。少女は必死に泣きながら攻撃を防いでいた。

 状況を見れば、少女に勝ち目は無い。どうやらその少女はバリアを使えるらしく、飛び交う魔法から身を守っているがそこからの反撃は無理なようだ。

 優斗は身に雷を纏わせると、「ゼログラビティ!」と言って飛翔した。優斗の存在に気づいた男たちは、その顔を引きつらせた。

 なぜなら、上級戦士ですら持っているものが少ない浮遊能力を持つ少年が、体に雷を纏わせながら向かってきたからだ。

 優斗は両手に雷爆を作り出すと、男たちに襲い掛かった。

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