デスゲーム
クンクン…
冷蔵庫の冷気を浴びながら、琴美が嗅いでいるのはヨーグルト。
「生物学的に男性より女性の方が鼻が効くはずなのよ…」
太古の昔。
男は狩りに出て食料を集める役目を担い、女は家にいて子どもを育てる役目と、役割分担がはっきりしていた頃。
家族の健康を守る女たちは、男たちが狩ってきた動物、果物、木の実などを食卓に出す時に腐っているかなどの判断を、見た目はもちろん、匂いでも判断していた。
腐っているものを子どもに与えるわけにいかないからだ。
だから女の方が鼻が効く。
クンクン…
「これは全然大丈夫!!」
琴美が冷蔵庫から取り出したのは、1ヶ月前に賞味期限が切れたヨーグルト。
未開封であればかなり持つと身をもって経験した琴美。
賞味期限が切れた肉などは慎重に匂いを嗅ぐように心がけている。
こちらは一歩間違えるとかなり辛い事になると身をもって経験した琴美。
「夏場のお肉はせいぜい2日過ぎが限界…かしら」
危険を伴う残り物の嗅ぎ分け。
夏場は毎日がデスゲームのようである。
こちらは『清坂 正吾』様から頂いたお題になります。
清坂さまの作品
『わたくしの“ウソ”をあなたが“真実”に変えてくれましたわ』N9375KN
お時間ありましたら遊びに行ってみてくださいね。