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3

 あの事件以降彼とは会っていない。


「オフェリア、今日リンドフスキー夫人のお茶会に招待されているの。貴方もどう?」


 あれからリンドフスキー夫人のお茶会に誘われるも全て断った。

 それは今日も同じ。


「私は遠慮しておきます、お母様。この際伝えておきますが、私は今後もリンドフスキー夫人のお茶会に参加する事はありません。いくら誘われてもお断りさせていただきます」


「ベルナルト様は参加しないわよ?」


「それでも、お断りさせていただきます。私は今後一切リンドフスキー侯爵家と関わりたくありません」


 あの男とは少しも会いたくない。

 私を嫌っているのに、強引に私を好きになって貰おうとは思わない。

 そんな努力もしない。

 

「そう……」


 私の宣言に母は悲しい笑みを見せた。

 その後、夫人からの誘いはなくなる。

 それでも別の方からお茶会に招待され彼の姿を確認する事はあったが、私達が会話をする事は無かった。


 学園入学式。


「本日は皆様のご入学を心よりお祝い申し上げます」


 月日が経ち、十五歳になった。

 我が国では十五歳となると貴族はもちろん、優秀な平民も支援を受け学園に通う。

 

「カラフィアート侯爵令嬢」


「はい?」


「私、アベリー伯爵家。コーネリア・アベリーと申します」


「私はカラフィアート侯爵家、オフェリア・カラフィアートと申します」


「カラフィアート侯爵令嬢と同じクラスになれ、私大変嬉しく思っております。一年間と言わず、今回を機会に今後も仲良くして頂けたらと思います」


 コーネリアが私に挨拶していると、彼女の後方で令嬢達が集まりだす。

 その後も令嬢達と挨拶を交わす。

 

「それで、カラフィアート侯爵令嬢……アルドロヴァンディ王子とは……」


 令嬢達の思惑は侯爵家との繋がりは勿論だが、私達と同年代の第一王子ルドヴィーク・アルドロヴァンディとの関係についてだった。


「王子ですか?」


「はい」


「王子とは王妃様主催のお茶会に参加しご挨拶したくらいです」


「本当にそれだけですか?」


「はい」


「婚約の話は?」


「ありませんよ」


 コーネリアは安心したような笑みをみせ、他の令嬢達も表情を明るくする。


「そうなのですね、ではまた明日」


「えぇ、また明日」


 重要任務を終えた令嬢達は全員去って行った。

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― 新着の感想 ―
ここまで(今後一切関わりたくないと宣言するほど)意固地になる必要はないとは思いますが、自分の意見を言えなくなるくらいなら、友人なんていらないという気持ちはわかる気がします。
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