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レスキューは異世界ではまだ早すぎる  作者: ロイド・rs=ラス
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モノローグ task.31 一難去ってまた一難

書きたくなったので書いただけ

「…あ〜腹減った…」

ふとそんな独り言を俺、レスキュー1/皆元みなもと たすくは足を動かしながら呟いた。

現在4時32分、普通の会社員や学生であればまだ布団の中、或いはちょっと早めの朝ごはんを食べているであろう時間だ。

もっとも、俺達レスキューファイズからすればこの時間も平日の昼間となんら変わらないのだが。

たすくが弱音を吐くとは珍しいわね。普段、暑苦しいぐらい元気なあんたが」

レスキュー3/真谷まみや 神音かのんはそう言いながら俺の隣で歩きスマッポウをしている。

こいつは俺のことをなんだとおもっているんだ。

と、俺が言葉にするよりも早く

「まぁそれだけ大型ビークルの操縦は負担だということだな、うん。それに先日の午後3時23分からずっと任務にかかりっきりだったのだ。いくら熱血バカの助でも半日以上操縦すれば、それだけ体力も消耗するということだな、うん。」

と、フォローになっていないフォローをするレスキュー2/筋道きんどう たけしに俺はおもわずため息をついた。

「あのさぁ…誰しもがあんたみたいな体力お化けじゃないんだよ…。てか俺はバカじゃねえよ!!」

と、今できる最大限のツッコミを入れるがなぜか武は顔を赤くしている。

「よせよ照れるじゃねえか、うん」

褒めてないんだがな、うん。

「でも実際、助先輩って頭良くはないですよね。この前だって簡単な英語間違えてましたし」

と、レスキュー4/命田いのちだ 美香みかは手元の資料から目を離し、口を開いた。

「わかる!前にこいつサーバールームの事、魚のサバを保管してる部屋だと思ってたのよ?どんだけ英語苦手なのよって話よねぇ…」

まずい、この話はやばい…!

「ちょ、やめろよ!その話はもういいだろ!?あれはニューテウロが魚型の爆弾を操っていたからうっかり…」

と、俺が必死の弁解を捲し立てていると

「うっかりで間違えませんよ、普通…」

美香から手痛い追撃をもらった。

ぐうの音もでない。

日本人なんだから英語ができなくて何が悪い!

「そういえば、第2分隊の静さんも助の発音は聞いてるこちらが恥ずかしくなると言っていたな、うん。俺も他人のことは言えないが、少しは勉強してもいいと思うぞ、うん」

「比較対象がおかしいよ、筋ちゃん」

「あいつは例外だろ…」

レスキューチェイサー/静=リリーナ・アルカドヴァ(しずか リリーナ アルカドヴァ)とはロシア人と日本人のハーフ、さらには元世界警察庁のエリート刑事だ。そんな奴と比較されたら誰だって恥ずかしくもなるだろう。

と、雑談をしているうちに食堂に着いてしまった。まだ時間が早いにも関わらず、食堂には徹夜明けの研究員や整備士、残業中の職員達が各々椅子に座って束の間の食事を楽しんでいる。俺たちは足早に食券機に向かい、各々食べたい料理や飲み物を買いに行った。


「え〜?あんたまた唐揚げ定食なの?朝からそんな重いのよく食べられるわね?」

と、神音が山盛りのパンケーキにジュース、皿に盛られた果物をお盆に乗せてこちらのテーブルに近づいてくる。

「いや、神音先輩も大概ですよ。そんなに食べたら1日のカロリー平均摂取量を超えてしまいますし、栄養素が偏ってしまいます…」

美香の言う通りである。それに、だ

「そーだぞ、パンケーキだけだと栄養が偏るだろ?納豆や味噌汁、唐揚げにサラダと満遍なくバランス良く食べるのが一番だぜ!」

事実、俺のお盆には様々な料理が乗っており栄養バランスをしっかり意識している。

「あの、たしかに助先輩は栄養バランスがいいのですが、量が多すぎてカロリーが…」

「そ〜よ、普通唐揚げ定食3つも頼まないわよ!それに私は野菜ジュースやベーコン、スクランブルエッグに果物と栄養バランスには気を遣っているわ」

これは思わぬ反撃を喰らった。

「うっ…でも…腹が減らなきゃ戦ができないって諺もあるs」

と、言いきる前に美香の言葉に遮られた。

「限度があります」

「はい…」

と、いつも通りの会話をしていると、コップを持った武が近づいてきた。

どうやら俺たちの分のお冷を持ってきてくれたらしい。

「まぁオラからすると、3人とも少食である事には違いないな、うん。しっかり食べないと筋肉は育たないな、うん。」

そういうこいつのお盆にはプロテインとシリアル、牛乳にチキンサラダ、バナナとどう見ても栄養素が偏っている食事がこれでもかと乗せられている。

「「「お前・あんた・武先輩は偏りすぎ!!」」」


そんないつも通りのやり取り、漫才の如き早めの朝ご飯を行なっている最中、突如としてけたたましいサイレンが基地内に響き渡る。


『大規模のハザードポイント観測。大規模のハザードポイント観測。隊員は各自持ち場にに急行せよ。繰り返す。大規模のハザードポイント観測。大規模のハザードポイント観測。隊員は各自持ち場にに急行せよ。』


約13時間前に聞いたばかりの放送に神音は思わず

「え〜また〜!?」

と叫んだ。

流石の武や美香も動揺を隠せないらしく、美香は箸から煮物を落とし、武はバナナを握りつぶしてしまっている。もったいない。

かくいう俺も驚きのあまり唐揚げを喉に詰まらせかけていた。

慌てて水を流し込む俺をよそに武と美香が口を開く。

「行くしかないな、うん」

「先輩、司令室に急ぎましょう」

俺たちは食事中の箸を止め椅子から立ち上がった。


俺たちは朝ご飯を置き司令室に向かう。

食べたばかりかつ連日の疲れで体も頭も重いが、そんなことを言っていてはレスキューファイズは務まらない。

司令室にはバタバタと動き回る職員に的確な指示を飛ばす隊長の背中が見えた。

隊長はこちらに気づくと疲労の溜まった眉間を指でしばらく押さえた後、隈のできた目をカッと見開き口を開いた。

「既に知っているとは思うが、T県心沖島こころおきじまにて大規模なハザードポイントが観測された!帰還したばかりの疲弊しているお前たちには酷かもしれんが、直ちに現場に急行してほしい!」

一番疲れているのは隊長だろう、と皆同じ事を思っていたが誰しも言葉には出さず、ただ一言

「「「「了解!!」」」」

そう口にした。


俺たちは司令室にある変身用エレベーターに各々体を滑らせ、ボタンを押す。

ボタンを押すと間もなく、エレベーターの扉が勢いよく閉まり、箱は勢いよく小型ビークル格納庫に向かって降下し始めた。

俺たちは各々自身のナンバーが描かれた色とりどりの鍵を懐から取り出し、左手に装着した装置の側面に鍵を挿入する。

鍵を挿入された装置からは聞き慣れた電子音が流れ始めている。俺たちは

「「「「レスキューチェンジ!!」」」」

と各々高らかに声を張り、鍵を回した。

『レスキュー UP!!』

すると装置からは音声が鳴り響き、俺たちの体が突如光に包まれた。

粒子状となって装置に内蔵されていたスーツやアーマーが実体化され俺たちの体を包み込む。

頭部にはそれぞれのメットが装着され、素顔を隠すかの如く或いは守るかのようにフェイスシールドがメット上部から降りてくる。

これらアーマーが装着されるまでの時間は約13秒。

エレベーターが到着するまでの時間が約15秒の為エレベーターが動き出したら迅速に装置を動かす必要がある。

無事装着が終わると同時にエレベーターの扉が勢いよく開く。

頭部のライトからはさながら動物の目のように輝き、格納庫の暗闇を照らし続けていた。

俺たちは自身の小型ビークルに近づき、左腕の装置のボタンでロックを解除する。

「さっさと終わらせて、朝ご飯の続きといきましょ!」

「食後の運動にはちょうどいいな、うん!」

「先輩方少しは緊張感を持って下さい!」

「行くぜ!セーブ・ザ・ライフ!疲れなんてへっちゃらだぜ!」

俺たちは各々ビークルに乗り込み、現場に急行すべくアクセルを勢いよく踏み込んだ。


これが、俺が仲間たちと交わした最後の会話だった。

多分更新はします。気長にお待ちください。

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