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初夜のベッドに花を撒く係、魔族の偽装花嫁になる  作者: 棚本いこま
第二部 楽しい魔王一家

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54/62

〇54.幕間:女子会、会、おうちデート

以下、ミア様より読者の皆様への前書きです。


・台詞のみで書く縛りで書いたSSとかじゃないんだからね。

・更新が3か月も止まると読者さんに忘れられるんじゃないかと思って日曜日の夜に慌てて書いたとかそんなんじゃないんだからね。

・本編どころかこのSSにも私の出番がないからせめて前書きに抜擢されたとかそんなんじゃないんだからね。


それでは、リシェルとベルドラドのささやかな日常をお楽しみください。


「なあリシェル。女子会って知ってるか。俺は知ってるぞ。人間の恋愛観を勉強するべく雑誌を読んで覚えたんだ。ほら、この『はじめての女子会~上司の愚痴からおすすめ投資まで語り尽くそう~』っていう記事なんだけど」


「大丈夫ですか。人間について学ぶのはいいんですが勉強の方向性が迷子になってませんか。いよいよ本格的に教材の選択を間違ってませんか」


「お洒落な店でお洒落な格好をしてお洒落な料理を食べながらお洒落に投資の話をするらしい。そして女子会後はお互いの絆が深まるんだと。なんかすごいだろ。ぜひしたい。俺もリシェルと女子会がしたい。なあ、リシェルも女子会したくなっただろ?」


「女子会自体には興味ありますが……でも、ベルドラドは参加できませんよ?」


「えっなんで?」


「女子以外が女子会に入ったら、それはもうただの会です。だから私が女子会を開くとしたら、ベルドラドは抜きで」


「なっ、そんなの嫌だ、じゃあ会でいい! 会しよう、リシェル!」


「女子部分の切り捨てが早い」


「もう女子会とかどうでもいいからさあ! なあ!」


「あ、あんなに女子会を推していたのに……では、ただの会ということで。誰を呼びましょうか?」


「えっ誰も呼ばないけど。俺とリシェルだけの会だけど。リシェルとふたりでお洒落な店でお洒落な格好をしてお洒落な料理を食べながらお洒落に投資の話をするんだけど」


「それはもうただのデートでは……?」


「じゃあただのデートでいい! ただのデートしよう、リシェル! お洒落な店でお洒落な格好をしてお洒落な料理を食べながらお洒落に投資の話しよう!」


「すみません、やっぱり投資の話をするデートはただのデートじゃなかったです。投資の話はやめましょう」


「分かった。じゃあ、お洒落な店でお洒落な格好をしてお洒落な料理を食べよう。最近リシェルに盛装用のドレスも作ったことだし。ああいう服でしか行けないような場所で」


「えっ、あのドレスが必要になるようなお店……? あの、ごめんなさい。煌びやかな服を着て上流階級のお店に入ったら、たぶん緊張してご飯食べれないです。できればもう少し緩い感じで……」


「そうか。じゃあ、普段着もとい普段メイド服で、いつもの場所で、いつもの俺の手料理を食べよう」


「それはもはやデートと言うか、いつもと同じ食事風景ですね……?」


「はっ! 大変だリシェル、俺はすごいことに気づいてしまった。これが雑誌に載っていた『恋人上級編・おうちデート』というやつではないのか……!?」


「いや一緒に住んでいる以上、おうちデートとは言わな……」


「俺たちは毎日おうちデートをしていた、ということになるのか……すごいぞ……意図せず恋人上級編をこなしていたとは感慨深いな……!」


「……。そうですねー。毎日がおうちデートですねー」


「やはりそうか。よしリシェル、今日もおうちデートをしよう。今日のおやつは苺のチーズケーキだ」


「おうちデート最高!」


「で、ケーキを食べながら投資の話をする、と……」


「だから投資の話はしなくていいです」



以上、夫婦の日常会話でした。

本編再開まで、もうしばらくお待ちくださいませ!

(10月くらいには再開できるかなと……)


■追伸:

まだ読み足りないぜ……という読者様へ。

実は本日でなろう投稿を始めて4年経ったねということで、記念に短編を投稿してきました。『思ってた媚薬となんか違う』というタイトルです。

魔女(偉大なるぽんこつ師匠)が弟子ヤンデレに一服盛られて色々と追い詰められるだけの爽やかで健全なお話でございます。師弟ラブコメがお好きな方はぜひ……!



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『初夜のベッドに花を撒く係~』
書籍版の情報は
角川ビーンズ文庫公式サイトで!

短編版の読み切り コミカライズもぜひ!
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― 新着の感想 ―
作者さんも最後に書いてるけども。 あなた達はーーー!! 恋人じゃあなくてえええええーーー!! 既に夫婦じゃろがあーーーーーーいッッ!!!! おうちデートすんのはええけどもぉ! 「恋人」上級…
面白かったです! 落語…かな?
どうしたベルドラド!? 何故投資の話をしたがるんだ!? 城に怪しい自称銀行員が出入りして投資話を持ち掛けてくるのか!? それはきっと詐欺師だぞ!
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