<第二話:ヒャッハーーーー!!!汚物は消毒だ〜〜!!>
少し変な話だが、トントは前世の記憶を持ちながら、体の成長と共に新たにものごごろがついたタイミングがあった。
大体は
「ヒャッハー!バイクに乗りたいぜぇ〜〜〜」
「そろそろおねむだぜぇ〜〜〜〜〜?」
「マミ〜のバナナパンケーキは絶品だぜぇ〜〜〜」
といった、しょうもない事ばかり考えてるのだが、、、
トントはこの世界特有の事象『魔法』に興味を示し、さらにはなんと「学びたい」という想いが生まれたのだ。
目の前の快楽に脊髄反射で生きていた前世に対して、今世ではこのものごごろによって、興味を持ち、考えて、試行錯誤・実践する、という。。。普通の人間らしい考えが身につきつつあった。
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魔法への興味が生まれたのは、ふと母・シデラードが料理をする姿を見たときだった
「(マミ〜が料理する時、手から火を出してたな。ありゃなんだ〜〜〜〜〜??)」
いきなり火を出した母の姿に興味をもつ。
「(これは、、、ひょっとすると、うちのマミ〜の右手は火炎放射器に改造してるのか〜〜〜??)」
そして、考察。
世紀末であれば学者と呼ばれ持て囃されるレベルである。
世紀末の普通は、『ヒャッハーー!!スゲェーーー!!(脳死)』なのである。
間違っているけど。。。
考察の先は、試行錯誤・実践。
自分の考えを疑う脳みそはまだないトントに、躊躇はない。
「(ヒャッハーー!俺の右手もマミィに改造してもらうぜぇ〜〜〜〜〜〜〜〜)」
......よちよちよち
「まぁみぃーーーーー、ひぃーーーーー ヒャハーーーーーー!」
「まぁ!よしよし、何かしら?今料理をしてて危ないですよ〜〜」
元気な我が子を優しく諭すシデラード。
トントが危険な考えを持って近寄って来てるなどとは知る由もない。
「ひぃーーーーー!!! ひゃはーーーーーー!!!」
「え!何かしら、お腹すいたのならもう少しでご飯だから待っててね〜」
「(あら?今日はぐいぐいくるわね?)」
「ひぃーーーーーーー!!!! ひゃはーーーーー!!!!」
「(今日は情熱が凄いわね!??)」
「ああ、火ね!トントはもう「魔法」に興味があるのね。好奇心が強くてママじーんときちゃうわ。
でも、トントごめんね。「魔法」は成長して『魔素』をある程度取り込まないと使えないの。トントがもうちょっとお兄ちゃんになってから一緒に練習しましょうね〜。。。
…えっ!?何かしら、トント、なんでそんなに悪い顔してるの???えっ、このこ今何考えてるの??えっ、トント?なんで急に静かなの??ねぇ、トント?お返事して〜〜〜???」
母・シデラードをじーーーっと見上げなららトントは考える。
「(あ〜〜〜〜??マミィ〜〜〜〜何いってるんだ?「魔法」ぅ?なんだぁソレ。違うぜぇ、俺は手に火炎放射器をつけてもらいてぇだけだぜ〜〜??」
2人の間に微妙な間が生まれる。
シデラードもようやく危ない匂いに気づき始める。
「(ニヤッ) まみーーーーーーー」
我が子の嫌な笑顔にぎくりとする。
この子は一体何をするつもりなのか、確実に何かを企んでいる。
ロクでもないことをしでかすと確信しながら、注意深く身構える。
「まみーーーー ね!(マミィ〜〜〜 もしかして、俺の『覚悟』が伝わってないのか?もう心の準備はできてるんだよぉ〜〜。どうせ改造する予定なんだ、手なんかくれてやるぜぇ!)」
ジューーーーーー !!!
「うわぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!! なっ!なんで??!火に手を入れちゃダメーーーーーーーーーーー!!!! うわわわわわわわ、トント!早く手を出しなさい!!! えっ???何その表情。なんでドヤ顔?? とにかく応急処置をしなきゃ!いいからテーピングだっ!!!」
痛みで全身に汗を描きながら、なぜかドヤ顔でこちらを見ている息子に対して、シデラードは全力で治癒の魔法を掛ける。
徐々に火傷が収まっていく自分の手を見て、ようやくトントは自分の勘違いに気が付く。
「ひゃは?!(もしかして、これがマミ〜の言う「魔法」ってやつなのかぁ?火炎放射器は、、、ないのかぁ?とにかく俺は、、、この力が欲しいぜぇ〜〜〜〜)」
反省自体は一ミリもしていないが、こうして汚物(右手改造願望)は痛みを持って消毒されたのだった。
そして、、、トントは自らの魔法で汚物(人類)を消毒したい!という危険極まりない野望を持つのだった。