デザイナーはダンジョンにもぐれるのか?
ある日の朝、僕は会社に行く。
大阪の南森町。
今はどうか知らないけど、昔はデザイン会社ばかりあった街だ。
通称ナンモリと呼ばれている。
家のある帝塚山から高野線に乗って、天下茶屋で乗り換え。
堺筋線で15分ぐらいだ。
今日でデザイン会社に行くのは2日目。
結構、古いスタイルの会社でデザインには厳しく、
入社1年未満の子には名刺にデザイナーと入れさせてくれない。
ぶっちゃけ今は始業30分前に行って掃除させられている。
ちなみに会社は9時半スタート。
うるさい管理会社みたいでビルは夜9時までしか使わせてもらえない。
仕事がつまった時は逆に朝早く起きてくるそうだ。
一番忙しい社長が早朝に出社するようだ。
社員はだいたい30名ぐらい。
大阪ではなかなか大きい事務所らしい。。
さて、会社に着く。
南森町の駅から徒歩5分。
天神橋筋商店街の横をちょっと行ったところだ。
「おはようございます」
9時過ぎに入って掃除を始める。
新入社員は3人いるが今週は僕の番だ。
昔は紙でデザインしてたそうで、
一杯ごみは出たが、
今はペーパレスになってかなり減ったらしい。
どちらかというとお菓子の袋が多い。
全ての席のパソコンモニタを拭いて9時15分ぐらい。
社員に不評の1杯50円のコーヒーマシンでコーヒーを飲む。
パソコンを適当に触っていつの間にか9時28分。
その時間に社員たちが次々に入社する。
もっと早い目にきたらいいのに、と思うが、
みんな遅刻ギリギリで来るらしい。
ちなみにタイムカードはない。
全てチームリーダーのチェックだ。
9時半を過ぎて専務の森脇さんに新入社員たちが
会議室に集められる。
仕事の説明がまだ残っているのだ。
会議室に行く途中、総務の江利川さんに呼び止められた。
「あ、高木くん。悪いけど、この置物運んでくれない。カメラマンをしている社長のお兄さんが持ってきてん。アフリカで買ってんて」
「わかりました」
と素直に置物を持ち上げると、すごく重い。
重くないように見せて運んでいると、
いきなり置物から光が。
周辺を全て白に染め上げていった。