表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/15

猫に任せて

「えぇ~~っ!!」

「ちょっ、ルカ声大きい!」

「だってぇ~!」


 登校してすぐ、私はルカに昨日の出来事を話した。雑貨屋でれいに会ったこと、荷物持ちの手伝いで家に行ったこと、お互いに自己紹介して…まあ、仲良くなれそうかなって思ったこと。改めて考えると自分でも驚きの展開だったと思う。…けど、不満げなのが目の前の一名。


「だって、だって!一緒に傘返しに行こうって!!」

「ごめんごめん、だから落ち着いて?それに無事返せたから私は良かったよ?」

()()()()、でしょ!?あ~あ、私も二人が話してるとこ、見たかったのに~!」


 ルカは頬をぷくっと膨らませ、私に猛抗議してくる。たぶん、一緒に傘を返しに行くのを(からかう気満々で)楽しみに登校してきたのだろう。ルカには申し訳ないが、私はれいに会った時、からかわれないで済むから運が良かったなと思ってしまった。しかし、絶対お似合いだよ、と連呼してくるルカを無視するわけにもいかない。


「じゃあ、今度ルカがれいに話す時、私も参加するのでどう?れいとはフツーに仲良くなれそうだし。」

「本当!?それ絶対ね!?絶対だからね!?」

「わかった、約束するから落ち着いて?」


 自分で自分を追い詰めてしまったが仕方ない。こっそりため息をついたところで、チャイムが鳴る。それと同時に教室のドアが開き、担任の先生が入ってきた。朝のHRだ。普段通り挨拶をし、出欠をとってから先生が本題を切り出した。


「皆も分かっていると思うが、五月の中旬に体育祭がある。体育祭では毎年、生徒会が運営のために実行委員会を設けるんだが、今年も例にもれず、各クラスに実行委員の募集がきた。限定二名だが、誰か希望者はいるか?」


 沈黙。高校生になって初めての行事だし、みんな面倒事は背負いたくないのだろう。友達と、ちらちらアイコンタクトをとっている。


「あー、誰もいないなら俺やりま…ぁ~ふ。」


 手が挙がった方へクラスの視線が集まる。その先であくびをした…確か山岸賢斗やまぎしけんとという名前だった気がする。猫目で、雰囲気が少し怖い男子だ。ただ、ルカ曰く性格は明るくて絡みやすいイイ奴らしい。


「他にいないか?」

「せんせー、瑠花とかどーすか?」

「えっ、あたし!?」


 猫(山岸)さんにいきなり指名されて焦るルカに対し、クラスメイトは表情が和らぐ。これは押し付けられそうだ。猫さんは…ルカと言い合っているのを見る感じ、確かに絡みやすい人かもしれない。


「じゃあ、折笠さんにしとく?」

「…え。」


 いや、やっぱ怖い。それまで面白そうにルカと猫さんのやりとりを見ていた視線が、一気に私へと集まる。


「え、私は…。」

「だいじょーぶだよ、俺がいるし。」

「え、けど…。」

「確かに折笠なら大丈夫そうだな。山岸と比べてしっかり仕事してくれそうだ。」

「え、ひどくないすか、せんせー。さすがに俺傷ついちゃう。」

「あれ、あたしには大丈夫って言ってくれませんでしたよね、先生?」


 クラスに笑いが起こる中、私は顔が引きつるのを感じた。せめてルカに話を戻して…


「じゃあ、二人で決定だな。」


 だめだ、決まってしまった。

 ルカが頑張れ!と口パクしたのを見て、私は再びため息をついた。今度は深々と。

体育祭編、開幕!

当初は予定になかった新キャラが、作者の都合で登場しました。猫さんは澪と同じで一人称が「俺」ですが、猫さんはちょっとオレオレ系で、かわいさ重視の澪とは違うタイプです。

猫さんはこれから、ちょこちょこ登場する予定なので、ぜひかわいがってあげてください(笑)!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ