三学期-4
「フリージア!」
カフェでの打ち上げもそろそろお開きという頃、貸しきりのはずのドアが開き、現れたのはアーノルドだった。
「アーノルド? どうしたの?」
「教務の用が終わったから迎えに来たよ。お酒の出る店って聞いてたし、いろいろ心配でね」
いつもの優しい笑顔でフリージアを見たあと、しれっと店内を見渡す。
法律クラスの皆は、フリージアとアーノルドのことを知っているし、優しいアーノルドが唯一拘るのがフリージアということも知ってるので、邪な事を考える男子はいない。
ただ、居るだけで目の保養になるフリージア。少し酔って頬を染め、ふわふわと笑顔でいるフリージアにテスト後の癒しをもらっていたクラスメイト達は気まずそうに目を反らした。
「アーノルド、あいたかったー「フリージアが可愛すぎるっ!」
アーノルドの顔を見たことで、肩の力が抜け、ふにゃりと笑顔を見せるフリージアに、アーノルドは心を奪われた。フリージアと話もしたかったが、それはあとだ。
この可愛い人を無事に連れて帰り、囲いこまねば…
ちょうどそれぞれの迎えの馬車も来はじめたところだったので、フリージアはそのままアーノルドの馬車に乗って帰ることになった。
馬車の中での、フリージアは最高に可愛いかった。
ふわふわとご機嫌で、打ち上げでの話やテスト中の勉強の話を、舌足らずになりながらたくさん話してくれた。
そしてそのあいだ中、アーノルドはフリージアを膝にのせ、せっせと首筋や顔中にキスを落とし、フリージアを堪能したのだった。
今日から一週間、学園は休暇となる。
たまにクラスの打ち上げやお茶会はあるが、それ以外は自由だ。
アーノルドも今日でやるべきことが一区切りし、教務部で話も通してきた。
さて、どうやってフリージアをこのまま自分の屋敷の部屋に連れ込むか。
優秀なアーノルドが一番頭を使うのはこんな時。
もちろんフリージアに太刀打ちできるはずもなく、試験結果が発表されるまでのあいだのほとんどをクレイ家で過ごすことになった。
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「金の目の王子が覗くのは令嬢の妄想」
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