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三学期




冬休みが明け、三学期が始まった。

といっても、三学期はほとんどが試験期間である。


それに向けた講師による補習や、自主的な勉強会のために時間が組まれる。


フリージアも学園に入ってから初めての試験なので、同じクラスの友人たちとサロンを予約して勉強会を開いたり、苦手な部分の補講授業を受けたりと忙しい毎日が始まった。


淑女クラスでは、爵位別の挨拶状をひたすら覚えたり、カレンと模擬夜会の主催者を共同で行ったり。


法律クラスでは何度も勉強会や討論会が開催され、国に対する報告書や論文の書き方も詳しい講師に習うことができた。

編入生のミシェルもいつの間にかすっかりクラスに馴染むことができたようだ。家を継ぐ者、文官を目指す者など、横の繋がりも少しずつできている。


アーノルドとは送迎の馬車とたまのランチ以外はすっかり会えなくなってしまったが、テスト前と言う大義名分がある分、フリージアは割りきって過ごすことができていた。



今日は法律クラスの人たちで集まって、教室を貸しきって勉強会の日だ。


2チームに分かれて報告会の準備をする。

いつものようにアーノルドに教室まで送ってもらい、少し早めに教室についたフリージアは、同じチームになり、やはり早めに着いていたミシェルに挨拶をする。

「おはようございます、ミシェルさん」

「あ! おはようございます! フリージアさん。 アーノルド様もおはようございます」

「あぁ、おはよう」


アーノルドは聴講生として法律クラスには顔を出しているし、以前偶然に図書館で見かけたので、二人が知り合いなのは知っているが…


チクリ


また、胸が痛んだ。


アーノルドは挨拶だけして、フリージアが教室に入ったのを確認すると戻っていった。


「フリージアさんは本当に愛されていますわよね」

アーノルドが去るのを見ながら、にこにことミシェルが話しかける。

「そうかしら?婚約者ってそんなものじゃない?」

「いやいや、普通そんなに一緒にいませんよ。婚約して長いんですよね?」

「そうね。5歳からだから10年以上になるわね」

「そんなに長く一緒にいるんですか? う、羨ましい」


羨ましい?アーノルドど婚約していることがかしら


「まぁ親同士で決めたことですし。ミシェルさんは婚約者は?」

「私は絶賛片想い中なんです。もう少しで手に入れられそうなんですけどね」

「手に…いれる?」

「そうです。押して押して、押しまくってるんです」

とても楽しそうに話すミシェルさん。


こんなかわいい方に押されたら、

靡いちゃいますわよね。


「だから、フリージアさん、ラブラブになったらどうしたらいいのか、是非教えてくださいませねって、あら? フリージアさん? どうしました~?」


すっかり思考の渦にのまれてしまった私は、その後、他のクラスメイトがくるまでミシェルさんに心配されてしまった。





読んでくださりありがとうございます。

お気持ち程度に評価ボタン押していただけると嬉しいです。



お時間ありましたら、こちらもよろしくお願いいたします。

「金の目の王子が覗くのは令嬢の妄想」

https://ncode.syosetu.com/n6662gq/

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