表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/21

運命とは




「きゃっ!」

「す、すまん、大丈夫か?」

学園の廊下の角を曲がろうとしたときに、うっかりぶつかりそうになり、ふらついた私の腰に手をあて支えてくれたのは背の高い男性。


「はい、ありがとうございます、こちらこそちゃんと見ずに…アーノルド様?」

お礼を言おうと顔をあげると、そこにいたのは私の婚約者だった。


「ああ!フリージアだったか! まさにこれは運命の出会いだ! 結婚しよう!」

なにを言い出すのか…と、思う人もいるだろう。


キラキラと輝く水色の髪を横に長し、同じく輝く水色の瞳に蕩けるように見つめられる。

曲がり角での()()()出会いね。


「…ア、アーノルド様。支えてくださってありがとうございます。しかし私達は既に婚約者です。そして、本日会うのはこれで13回目ですよ」

これ以上近づかれてはと、彼の胸を押し返し距離をとる。

「そんなに会えるなんて、やはり運命だな。怪我がなくてよかった。フリージア、放課後また会おう」

「…はい」


私の腰に手を回し、腰まである髪をすくいあげ口づけして去っていく。

姿勢のよい歩き姿に、整った甘いマスクの彼は、私達二人の会話を聞いていただろうにも関わらず、すれ違う女子生徒たちから熱い視線を送られている。


そう、彼は私の婚約者アーノルド・クレイ。

この国の侯爵家長男である。


親同士仲がよかったため、5歳の時に顔会わせだけしてすぐに婚約者となった。


そんな私は同じく侯爵家長女、フリージア・ソル。


アーノルドも私も16歳で、この春から同じ王立学園に通い始めた。学習の基礎は各家庭で学ぶのが基本の貴族社会。16歳からの2年間を更に学びたいもの達が、分野ごとに分かれて学ぶことができるのがこの王立学園である。


私は社交での繋がりを作るために淑女クラスと、侯爵家に嫁いだあとも役に立てるように法律クラスを、アーノルドは騎士クラスと経済クラスを受講し、たまに法律クラスも聴講している。


入学して1ヶ月、同じ目標をもつ友人や尊敬できる講師の先生方に恵まれ、とても充実した日々を送っていた。



そして、先ほど彼に伝えた通り、私が()()、婚約者のアーノルドと会ったのは13回目。

そのうち3回は登校のお迎えや同じ授業を受けるために必然で、あとの10回は彼曰く運命の出会いらしい。


らしい、というのは学園に通いはじめてから、いや、その前から結構な頻度で()()アーノルドと会うから。


私がたまたま入ったカフェや、不定期に訪れる王立図書館、そして今のような学園の廊下での出会い…



これって運命っていうのでしょうか?



読んでくださりありがとうございます。

二作目に挑戦してしまいました…

お気持ち程度に評価ボタン押していただけると嬉しいです。


お時間ありましたら、こちらもよろしくお願いいたします。

「金の目の王子が覗くのは令嬢の妄想」

https://ncode.syosetu.com/n6662gq/

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ