捌
私は……待っている次の電車を。
どのくらいの時間が過ぎたか分からない。
『呆れた奴だ、何処までも善人なんだ〖善意〗。』
「私は一度も救えていない……諦める訳にはいかないんだ。私を頼る人達を助け……た、たすけれるまで、は。」
救える筈だった人々、死んだ後になって解る救う方法後悔してる間に次の電車はくる。
あの時の行動で全員死んだ。
私が助けた者に全員殺された。
私を助けようとして全員死んだ。
私が気付かないせいで全員しんだ。
私が殺したせいで戦争が起き国が滅びた。
私が指示したせいで全員飢え死にした。
私が生きていたから全員死んだ。
わ
私
が
私が…………私は……沢山殺した悪魔だ。
『お前が悪魔?冗談にしては笑えないな、悪魔が聞いたらこう言うだろう錯覚だ、灼熱を極寒と勘違いしているとな。』
「錯覚なら何故まだ真っ暗なんだ、答えくれ。」
もう紫の空も白い水滴も見えない見えなくなった。
『な、な、な?!何故貴方様がここに。』
ベチャと湿った音が聞こえた後、電車のドアが開く音がした。
『我の言葉を信じて前にと進め、案内は任したぞも元呪い。』
『『『『言われなくともするもん。』』』』
「あ………暖かい。」
私は忘れていた暖かい感覚に導かれ電車に乗り込んだ。
おぉくりぁんせぇ~~おくりぁんせぇ~~
あぁなたをげんせにおくりゃんせぇ~~
貴方の切符は真っ白ぃ~
貴方の身体に参りますぅ~
おぉぉくりゃんせぇ、おくりゃんせぇ~~~。
ありがとう……お兄さん
ばいばい
お兄さんは生きてね。
え?