漆
フードの男サイドの話しです
───フードの男
何故だ?
何故こんな事になってるんだ。
『深夜▧▧▧駅の階段から転落した二十代男性は、現在集中治療室に生死を彷徨う重篤状態が一ヶ月が過ぎました。』
誘拐して洗脳したガキ達に呪いわせた奴らは全員駅での事故で当日に死んでいったのにだ。
『医療関係者の話しでは、現代医学では説明の出来ない事だと世界中の注目を集めています。』
『神が彼を死なせないとしているようだと、ネットでは事故の原因を探す動きが過熱しており。彼の自宅にイタズラした何者かの仕業ではと警察に多数の情報が寄せられております。』
神?奇跡?そんなのは当の昔に尽きたのを俺は知っている。
大学生の時、遊ぶ金欲しさに外国人犯罪グループと寺の宝物を盗みに入った時に見つけた古文書。
最初に触れた奴は干からびて灰になり、恐れた俺以外の奴らは逃げ去ったが俺は違った。
見惚れた、そうだあれは退屈な日常を変えてくれると語り掛けてきた。
ちょうど俺にベタぼれだった女にムカつく奴を呪いわせると悲惨な事故でなくなり、女もその後を追う用に同じ死因で亡くなった。
ただその時警察が身辺を嗅ぎ回ったのが厄介だった。
警察の聞き込みで俺が女をとっかえひっかえしていた事に回りが気付かれて俺の評判はがた落ち、大学を中退するはめになった。
まぁ、大学なんてそん時からどうでも良かった何せ金なんぞ幾らでも手に入る方法を手に入れたのだからな。
俺は貯金と騙し盗った金を資金で、海外に渡り3年を掛けて心理学の全てを修め、古文書の呪術を理解し試し日本に舞い戻った。
ネットで虐待されてる子供を見つけ出し洗脳して呪いを使わせる、死んでも虐待死にしかみえない本当に素晴らしい計画だった。
あの男に関わるまでは………。
カタン、カターン、カタンカターン。
「チッ、最近は静かだったが又隣の奴サウンドのボリューム上げてやがるな。」
隣の一軒家には電車オタクの男が住んでいる。
俺は証拠の音声入りの録画をメモリーにデータを移し、抗議文を添えてポストに入れた前はこれで止まったが次やったらあの男の後に殺す。
だが俺は知らなかった。
「あれ、兄貴宛の抗議文?もしもし兄貴ポストに証拠と手紙でお隣からうるさいってクレーム来てるぞ。」
『マジで?旅行前に言ってるれれば良かったのに、帰った後謝っておくわ。』
隣は昨日から旅行に行っている事を
「んんん?これ壊れてるな………。」
録画したメモリーカードが黒い液体で破損している事に
電車の音が聴こえた。