肆
私はこの場所が私の行動しだいで大変な事が起きる場所と認識し、矢ノ上さんや………狐顔の駅員等と話しをして調べられる限りを聞いた。
解ったのは次の通りだ。
真っ白の切符はこの場所を安全に脱出できる。
青の切符は新しい場所で新たな生活が始まる。
茶色の切符はいつもの場所で新たな生活が始まる。
真っ赤な切符は借金を清算していつもの場所で新たな生活が始まる。
黄色の切符は資産が沢山ある人用で、何処でも選べるし要望をある程度叶えくれる。
問題は黒い切符だ。
『我々でもそれは言えない伝えては行けない。』
「そう、ですか。」
「やっぱりなぁ、直接は話せないんだな。」
駅員は矢ノ上経由なら伝える事が出来るらしいがそれでも駅員の話しより意味が伝わる事が少なかった。
『まもなくぅ~■■行き電車が参ります。赤の切符をお持ちでない方は乗車出来ません。■§*◆%&〗▧◇。。』
電車の到着をしらすアナウンスが聴こえホームを見渡すといつも間にか人々が列を成していた。
囚人服の人。
札束を数える人。
奇声を上げる人。
駅の壁をニタニタ笑い殴っては罵声をあびせる人。
ヨダレを滴し腰を振り続ける人。
常軌を逸した者達に私は思わず後ずさりした。
「何時見ても不愉快な光景だな。」
「何故あんな人達が平然と駅にいるんですか。」
『奴らは多額の借金を背負った愚か者達だ、返済するまで永遠働く事になる。全くあの方達は美味しい物欲しさに働きすぎだな。』
警察が逮捕したのなら解るが、何故公共の駅でしかも手錠無しで囚人達か移動してるのか理解出来なっ?!
………まただ、ここが普通ではない場所なのが解っていながら極々普通の駅だと思い掛けていた。
私の手からどうやっても放せない切符を見るとほんの少し小粒だいの白い部分が黒い靄ごしに見えている。
私がこの状況を変えようと動き始めてから黒い靄は減り白い部分が出来ていた。
だけどそれは他に意識を取られると常識を少しづつ盗られる私はそれが酷く恐ろしかった。
『まもなくぅ~永蛇尾喰い行きの電車が参ります。────黒い切符をお持ちの方、お乗りの方を歓迎いたします。■■■■が貴方を歓迎いたします。。』
「おい、気をしっかりもて自分を無くすな!」
気付くと私は列に並んでいた、矢ノ上さんが必死に叫んでいる方に振り返る。
「矢ノ上さん……私は。」
私の背後から風が吹き腰に誰かが抱きつく感触がして目線を落とすと私の思考は。
『『『『『お兄さん、電車に乗らないと駄目だよ。』』』』
「子供を呪いに?!逃げろ。」
止まった。