弐
店での出来事は私の不安を多いに膨らませた、シットさんからはアドバイスと御守りを貰ったがアドバイスは余りに荒唐無稽な内容だった。
『駅は寝る場所ではないぞ。』
『流せれれば何処までも流れる何処までもな。』
『正直者はバカを見る、見るは観ていると言う事だ。』
いつもの駅………その筈だ。
残業で疲れた会社員。
酒を飲んでほろ酔いの人。
夜勤に出勤する者。
そして………。
「家族ずれ?」
大正時代をほうふつさせる和洋合わさった服装の家族が駅員と何か話しをしている。
私は何か不思議な気分なるもジッも見るのも失礼だろと彼らから目を反らして横を通り過ぎる時だった。
「「今晩はお兄さん、良かったら私達の車で家まで送るよ。」」
「?!……………あっ、い、嫌大丈夫だよ。私の家はここからは電車の方が早いからね。」
顔が瓜二つの双子だろう女の子達は残念な、可哀想な表情をして落ち込んだ。
「「そう………縁は結べないから、ここまでね。ごめんなさいまた逢えると良いね。」」
「そう……だね。」
彼女達は駅員と話していた親に何かを伝えると家族で此方に会釈して駅を出ていった。
そっと駅の外を見ると高級車が停まっていて運転手までいて、家族はそれに乗り込んでいた。
「不気味ではあったけど……少しもったいなかったかな。」
駅のホームへ向かう階段を登っている途中から階段の段差部分のタイルの柄が変わってるのに気付いた。
「ほんと、今日は色んな出来事が起きるな………幾何学模様のタイルか。」
何処かで見たような模様に少し気になるが
おぉ送りゃんせぇぇ お送りゃんせぇぇ 電車で送りゃんせぇぇ♪
貴ぁ方ぁの職場ぁ、貴方のおぉ家ぃにぃ 送りゃんせ送りゃんせぇぇ♪
深夜の電車♪丑三つの電車は黄泉電車ぁ♪送りゃんせぇ送りゃんせぇ♪
死者を送るぅ、罪人送るぅ~♪鬼の車掌は命の切符を切りゃなんせぇ~。
…………つぅみぃのぉぉおぉぉかぁぁさぁねぇぇたぁぁらぁぁぁ
■■■のぉぉ▧▧▧▧▧におぉぉクゥゥらぁぁぁれぇぇぇるうううう…………………
『『『『『『アハハハハ』』』』』』
私の意識は途切れた。