用意された転移
ようやく打てました。
そしてようやく転移後の世界です。今回はツカミの部分なので情景が多いですかぜひ読んでくれると嬉しいです。
2人は異世界「ランゲル」のどこかに送られる!!
ここは5年前の世界、、、、。
砂漠、火山、森林、水に囲まれたそれぞれの地域、そしてその4つに囲まれ中央で栄える1つの都市。
ランゲル。とても巨大な大陸である。
4つのうちの1つ。水に囲まれた地域、名を“アクア”。綺麗な川や湖、緑色に生い茂る木々、元気良く飛び回る鳥たち。
ランゲルの中では住みやすいため人口も多い。
そこのある住宅街に建つある1軒の家の前に斗真と桃は転送された。
眩しい光が薄れていく。俺は目を開ける。一般的な住宅街らしいところにいた。
目の前には、家があった。2階立ての立派な家、庭も広そうである。
そして俺は片にリュック、手にキャリーバッグを持っていた。隣に桃がいる。同じ格好をしている。
いったいあの仙人は俺たちに何を持たせたのだろうか?そしてこの家は何なんだ?ただの知らない人の家とも見受けられる。
「ねえ、ライト。」
桃が話しかけてくる。
「こんな大荷物を持っているってことは、学校で学ぶためにどこか遠くの場所からこの家にやってきたというシナリオなんじゃないかな?下宿するとか?それにしては立派な家すぎるけど、、、、。」
鋭い予測力。
俺がそう決めつけるのは早いだろうと思ったその時だった。鉄格子の門扉の先にある立派な家のドアがガチャリと開き中から人が出てきた。
「長旅疲れたでしょー、ランゲル大陸の外の小さな島からやってくるなんてー。えーっとライト君とモモちゃんだったかな?ささっ、あがってあがって!!」
50歳ぐらいのおばちゃんが声を張ってそう言ってきた。元気が良さそうで、優しそうな印象を俺は持った。
桃の予測は的中した。俺は唖然とした。
「ほら、ライト行くよ!こういうのは流れにのらないと!!」
小声で俺に言い、
「お邪魔しまーす!」
と門扉を抜けていく。
”俺は離島からやってきた”そう自分に言い聞かせ桃についていく。
あと”ライト君”。なんだか嫌な予感を感じた。俺の名前は”斗真”なのに。
家の中に入るとすぐに2階に招待された。部屋が3つあってそれぞれ1つずつを自身の部屋に指定された。1つは空き部屋。
部屋は10畳ぐらいの広さがあった。1人部屋にしては十分すぎる。ベット、勉強机、本棚、タンス、備え付けクローゼット。生活に便利なものも完備されている。こんな物件、地球だったら滅多にないだろう。
「荷物整理したら階下にきてね。」
おばさんはそう言って1階に行ってしまった。
俺は自分の部屋で最初から手に握られていたキャリーバッグの中身を確認した。中には学生服、普段の服(ダサくなく格好いい)、寝巻き、歯ブラシなどなど生活に必要なものが全て入っていた。仙人すげーと初めて感心した。
そしてリュックの中身。教科書がたくさん入っていた。筆箱やノートや下敷きまでも!!学校入学証明書や学費の領収書までも!!
ただの転移じゃなかった。最近のアニメのようないきなり手ぶらで転移ではなく、しっかり準備されたものだった。
荷物をたんすやクローゼット、本棚にしまって自分の部屋ができる。独り暮らしって楽しそうだなと部屋を見て未来の自分を予想する。ただ、自分はこの世界を救うためにここへ来た。それを忘れてはいけない。
おばさんに言われたことを思いだし部屋を出て階下へ向かう。と、その前に桃はまだ片付けをしているかな?と部屋を覗く。誰もいなかった。片づいた部屋しかそこにはなかった。俺は急いで階下へ向かった。
「遅い、私はもう10分前にはここにいたからね!」
桃は1階のダイニングルームに設置された四角いテーブルのある1つのイスに座っていた。その向かいにはおばさんが座っている。俺は慌てて桃の隣に座った。テーブルには全部で4つのイスがあって、3つ埋まった状態となった。
「いいわよ気にしなくて!」
とおばさんは俺の見方をしてくれるが桃は
「遅いんだから~!普通男子のほうが片付け雑じゃない?」
とブツブツ俺に言ってくる。女子ですみません。
そして桃はおばさんに俺のバカ加減を暴露し始める。もちろん桃から見て俺はバカなだけだが、、、、、。
話の弾み具合からすると俺がいない間に打ち解けてしまったようだ。
「さあ、じゃあ2人そろったことだし本題に移ろうかしら。とその前に、ライト君の名字は何かしら?」
最初に違和感を感じたとおりだった。”斗真”じゃなくて”ライト”になっている。きっと桃がライトライトって連呼していたから仙人が勝手にそう思ったのだろう。
”新井ライト”だと らいらい で変な感じがする。だから他の名字を考えた。
「波風、、、、ライトです。」
自分の好きな漫画のキャラからとってみた。割と名前に合っていると自分では思う。桃は隣から”なかなかセンスあるじゃん”というような顔をこちらに向けてきた。良かったが、おまえのせいだ!
「波風ライトくんね!桜丘モモちゃんと波風ライトくん。どちらも漢字とカタカナね!覚えたわ、歳だから忘れたらごめんなさいね、、。」
モモも名前がカタカナだった、、。
「おばさんは屋守花子です。”屋守さん”ってよんでくれればいいわよ!」
おば、、、、屋守さんはそう名乗った。
「特にこの家で規則はないけれども、朝食は朝7時、昼食は12時、夕食は夜の7時って時間は決まってるからね。時間に遅れたらどんどん冷めていくから気をつけてね!」
そう忠告された。
「あの~、家賃ってもう払ってありますよね?」
モモが家賃について尋ねる。
「ええ!払ってもらってるわよ。2年分。早くに大金出してもらって、大変じゃなかった?おうちのほうのお金は大丈夫?」
「はい、大丈夫です。ちゃんと払ってくれている、、、いや払えていてよかったです。」
モモは少し言い間違えた。
2年分も払ってくれるなんてほんと仙人は優秀だ。忘れがちなところまで。ただ1つ引っかかる。なぜ2年分なのか。
ただその答えはすぐにわかった。屋守さんは話を続ける。
「ライト君とモモちゃんってすごいね~。あの魔剣高校に通うんでしょ!普通科は勉強がすごくできるし、魔法科は言うまでもないし。高2から転校だなんて、編入試験むちゃくちゃ難しかったんじゃないの?」
高2と高3の2年分という意味だった。おそらくその後は自分で稼いでなんとかしろと言うことだろう。
それよりも、難しい試験を受けたことになっているが大丈夫なのだろうか?
そんな能力、俺にはない。
「いいえ、とても簡単でした!」
モモは不安な表情を見せず答える。その言葉とモモの実力は言うまでもなく合っている。俺とは違って。
「すごいね~!」
と屋守さんは驚いている。と、急に俺のほうに向かい質問してくる。
「じゃあ、ライト君はもっとすごいんだよね?魔法科確定なのかな?」
何でそういう考えに至ったのだろうか?俺が男だからだろうか?残念ながら俺はモモ以下である。
「どうしてそう思ったのですか?」
良くない返答だが質問を質問で返した。
すると屋守さんは当たり前でしょ!という顔をして答えた。
「だって魔剣高校は女子校でしょ?でも優秀な男子は入学を許可されることで有名よ。まだ入学した人は1人しかいないらしいけど、、、。だから優秀って試験で満点かすごい魔法が使えるかのどちらかでしょ?」
俺はそれを聞いて絶望した。仙人にはめられたと思った。女子校に優秀な男子が入学する。それは2次元の世界のこと。それが今現実で起きている。あってはならない。そんなことあってはならない、、、、、、、、。
次回、学校に頑張っていってみます、、、、、!
読んでくださあってありがとうございます。次のお話で入学を終わらせて仲間達のエピソードに持っていけることを未来の自分に願いたいです、、、
最近忙しい、、、、。