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紅頭巾Ⅱ ~彷徨の館~  作者: サッソウ
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第五篇 猿集団

 夕暮れの街。猿集団は大通りの道を境に2つに分かれていました。

「仲間割れですかねぇ……」

 羔麼(コウマ)くんが言った通り、そのようです。

「もうやめよう!」

 方角で言うと北。北組の猿集団の1人、猿吉(サルキチ)が言いました。

「それは、つまり俺達、猿集団をやめるってことかァ?」

 と、リーダーの豪猿(ゴウエン)が言います。

「お前達のしていることは間違ってる!」

「あぁ!? 上等だ。俺達に勝てたら、見逃してやる」

 猿集団が仲間割れを始めたようです。リーダー組と脱退希望組では、リーダー組の方が圧倒的に猿数が多く、力も大きいようです。そして、おっと、リーダー組の猿たちは、果物屋のバナナを食べ、皮を投げています。バナナの皮って、攻撃力があるのでしょうか……。ちなみに、無断飲食ではなくお金を支払い、領収書をもらっている猿がいましたのでご安心を。いや、何が安心するんでしょう……?

「栗鼠山さん、どうしますか? 猿集団がケンカを始めましたが……」

 羔麼くんが栗鼠山に聞こうとしましたが、肝心の栗鼠山さんの姿が見えません。どこへ行ったのでしょうか。

「ここは、メェ探偵の実力が試されますねぇ……」

 羔麼くんは、栗鼠山さんの居場所を推理します。しかし、意外にも(?)栗鼠山さんは羔麼くんの上に乗っかっていたのでした。羔麼くんはまだ気づいてない。


 猿集団の争いを見た紅の母、マードレが花屋から出てきました。

「店の前で営業妨害したあなたたちは、何をされても、文句は言えないわね」

 なんと、母は杖を持って、呪文を唱え始めました。

「姉様、何を!?」

 マードレの妹、魔女のブルハがマードレの杖をつかみます!

「やめなさい! 口で言っても聞かない猿なんて、いなくなってしまえばいいのよ!」

 と、マードレ。それを聞いたブルハは、

「姉様、それはおかしい。どんな生き物にも命がある。その命を簡単に奪わないで! 私が、この争いをとめます!!」

 これを聞いたマードレは、「ふん」と言い、花屋に戻ってしまい、

「この争いをとめるには、1人では決してできない。どうすれば……」

 ブルハの元に、羔麼くんと栗鼠山さんが来て、

「お手伝いしましょう」


 少し、間が空きましたが魔女のブルハは、杖を持ち覚悟を決めました。何の覚悟でしょうか……。

「魔法って、この争いを止めることもできるんですか?」

 羔麼くんが聞くと、ブルハは

「できるかもしれないけれど、できないかもしれない」

「えぇ!? もしかして、当たって砕けろってやつ!?」

「シツジは、賭ける?」

「ヒツジですが、執事じゃないです。っで、作戦は?」

 羔麼くんが聞くと、ブルハはこう答えました。

「ジンギスカンになる?」

「ゑヱ!?」

 ビックリする羔麼くんを栗鼠山さんが後押しするように、羔麼くんを軽く叩いた。

「……」

 羔麼くん、調理開始?

 リスヤマ3分間クッキング。某料理番組とは関係ありません。まずはオリーブオイルを……。

 と、まぁ冗談はさておき、準備万端。

「ジンギスカンってこういうことですか!?」

 と、羔麼くん。

「猿を一ヶ所に集めて」

 魔女は杖を持ち呪文を唱えます。

 羔麼くんは、(たいまつ)を持つ栗鼠山を背中に乗せて猿集団に突撃! 猿達は、皆逃げる! 逃げる!

 路地に逃げ込み、魔女の魔方陣が猿達の下に!

 魔女が呪文を唱え、猿達は光に包まれる。

「スゴイ……って、アチッ!」

 羔麼くんの羊毛に炬の火の粉が!

 猿達の暴動は鎮圧しました。

「魔法って、こんなこともできるんですか?」

 羔麼くんが魔女に問うと、

「まぁ、大体のことはできるかな? できないこともあるけどね……」

 魔女は猿達を見送りながら言いました。

「……だから、熱いって!!」

 羔麼の羊毛にまた炬の火の粉が。

 こうして、街は、再び平和を取り戻したのです。


 めでたし。めでたし。

 あれ? 何か忘れているような……



 館にて。

「なんか、勝手に終わってる……」

 飛蝗が気付いたようです。

「えっ!?」

「紅頭巾2、完結?」

 熊沢と紅は吃驚です!

「まだまだ続く……だろ?」

 飛蝗が不安げに言い、

 すると、熊沢が人差し指を立て、

「次回! Nothing(ナッシング) venture(ベンチャー) nothing(ナッシング) have(ハブ).」

「……()(けつ)()らずんば()()を得ず? 急に英文で(ことわざ)かよ」

 と、飛蝗が言いましたとさ。


To be continued…


Nothing venture nothing have.は、

個人的に かなり気に入ってます。

英語できない私でも 読める諺で 分かりやすいので。

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