第四篇 盗まれたクルミ
森にある普通の木ですが、この木に栗鼠山さんが住んでいます。その栗鼠山さんの家に、探偵が来ていました。
「では、盗まれたのは貯蓄していたクルミ、およそ10キロですね」
この方は、メェ探偵の羔麼くんです。スリーピングシープ・コウマくんです。えぇ、羊だけにメェと名……。いえ、もしかしたら、迷探偵なのかもしれませんが……。
栗鼠山さんと羔麼くんは、森で聴き込みをしたところ、蟻食が実に興味深いことを言ったのでした。あっ、ちなみに、アリクイは「食蟻獣」とも書くらしいですよ。さて、その実に面白いこととは
「猿集団が最近この辺りに出没しているらしいよ」
ということです。猿集団とは、神出鬼没で悪戯好きの猿たちが集まって結成された集団のことで、この周辺でも最近被害あった人(?)、……生き物が増加しているようなのです。もしかしたら、栗鼠山さんのクルミは、この猿集団に盗まれたのでしょうか。
それを解明すべく、栗鼠山さんと羔麼くんはさらに聴き込みの範囲を広げて片っ端から様々な方々から情報を集めました。
「整理すると、猿集団には57匹の猿がいて、リーダーの豪猿が命令していること。また、猿集団の中には、無理矢理に加入させられた猿がいること。猿集団による被害は、盗難の他にも破損や妨害、殺傷未遂などであること。そして、現在、街で騒動を起こしていること。まだ他にもありますが、って、あれ!? いない!?」
栗鼠山さんは羔麼くんを置いて、さっさと街へ向かっていたのでした。置いてきぼりの羊です。狼の多い森なので、気をつけて下さいね。あっ、前方に狼が3頭……。羔麼くん、頑張って下さい。
塵が舞う。壊れた街灯が多く、寂れていました。街は、猿集団の悪戯により荒れていたのです。
栗鼠山さんと心身共にボロボロの羔麼くん。羔麼くん、そんなにボロボロになってどうしたの!? え? あぁ、例の3頭に?
To be continued…