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第6話《コインと選挙の準備》

「成瀬君、生徒会に立候補してくれる?」


4月から選挙のことを話すのはおかしいと思われそうなので説明しておくと、うちの高校は進学校だ。だから進学に力を入れるため普通の高校の生徒会は10月に改選する所が多いがうちは5月の最後か6月の最初の方になっている。だから選挙自体は5月の中旬となっているため意外にすぐそこなのだ、

しかし、何故いきなりそんなことを言い出すのか全く理解できない。

「えーっと、なんで?」

「間違いなく次の選挙で、生徒会長になるだろうって言われている人がいるんだよね。そして人の名前が、、、一ノ瀬 大和って言うらしいんだ。」

「え、 」

その名前は僕がずっと探していた先輩の名前だ。

「ぼくもソレ持ってるんだよね、、、」

周防君は1枚のコインをだした。

「まぁ成瀬君のとは違ってぼくのは2択からしか出来ないんだけどね。」

周防君は続ける

「このコインについて聞きたくて探したんだけど、生徒会副会長だというのに尻尾しか掴めないんだよね、、、」

逆にあの人副会長じゃなかったら尻尾すら掴めなさそうだよな。

「生徒会に入れば確かに聞くことは出来そうだね。でも周防君が立候補しても良いんじゃないの?」

「だって、、、ぼくそういうのした事ないし...それに成星君中学の時生徒会してたよね...だから...」

「えっ!なんで知ってるの?」

「ぼくも水の木中学だったんだよ、、、」

「まぁ分かったよ。立候補する。」


4月28日

生徒会副会長に立候補した。渚と重人、そして美奈まで協力してくれるらしい。

5月1日

選挙についての説明と候補者の発表だ。うちのクラスからは清光院さんが会計、小鳥遊さんが書記に立候補している。

5月2日

選挙のポスター等の作成だ。今日は大まかなプランと方針を決めるだけで終わったらしいが僕は全く理解出来なかった。公約?とか何とかよく分からない。

5月3日

ゴールデンウィークに入って登校日ではないがうちで作業することになった。学校に集合して僕の家まで言った美奈は覚えてたようだけど2人は僕の家を知らないはずだ。

「おはよう重人!渚!」

「あっ陽太!おはよ」

相変わらず可愛い。絶対に男とは認めない。

家に着いた。

「家に2人も女子を招くとはなぁ」

渚が答えた。

「ぼくは男だよ~もう。」

僕と美奈は文章の方に取り掛かる。

マズイ。何も思いつかない。

悶絶すること2時間、渚と重人がポスターの案を完成させてくれていた。渚が何故か苦笑いしている。


「ねぇ重人?」

「おう、なんだ?陽太」


「ドリャァーー!」

全力の蹴りをおみまいした。つもりだったのだが重人は体格が良いのもあり力もある。片手で余裕で止められてそのまま倒された。

「まぁ、流石にあれは冗談だぞ陽太。」

「あの、、、陽太こっちがポスターの素案、、、」

「流石!渚は重人とは違うなぁ!」


「おっと」

重人が机の1段目の引き出しに手をかけようとした。

良かった、そこは健全なゲームの類しか入っていない!

いや、重人が光るナニカを取り出した。2段目の鍵だ。2段目はマズイ!

「あぁー!手が滑ったぁ!」

重人に全力のパンチをおみまいした。がまたも片手で止められて捻られた。

「痛い痛い痛い」

「手が滑ってたから止めてやったぞ」

2段目が開かれた。

いや2段目にはフェイクで世界史の教科書のカバーを被せてある。

「陽太ぁ、この本はなんだ?」

「せ、世界史の教科書じゃないかなぁ?」


「んーっと、眼鏡っ子特し、、、」

スッ

奪ってやった。油断したな。


ありゃ?さっきの本がないぞ。

僕の部屋の隅で美奈がその手のブツをまとめて縛っていた。

「紙ゴミですね♪」

なぜだ。見れば24冊全部あるじゃないか。

この2人は探偵なり警察なり検察なりにでもなったらその道で食っていけるんじゃないだろうか。


そろそろ昼時だったので炒飯を作った。

因みに重人にはさっきまでのお礼としてあと乗せで鷹の爪をマシマシにしている。

デスソースも少量だが入れてあるが元々唐辛子等を入れているため匂いじゃ気付きにくいだろう。


重人の座っている所にしっかりと鷹の爪マシマシを配膳した。

姉さんもお腹がすいたのか降りてきていた。

「皆麦茶で良いー?」

「はい」

「うん」

「おう」

麦茶を持ってきて僕も席についたところで食べだした。

「ほんとに陽くん家事出来たんですね。」

「陽太ほんとに家事できたんだね!」

美奈と渚が褒めてくれた。というか2人とも疑ってたんですね。

「陽太家事できたんだな。」

重人が疑ってたのは予想通りだ。

って重人のは相当辛いはずだが、、、おかしい

僕も食べようか

「キャラ!」

辛すぎて噛んだ。

重人が悶絶している僕を見て笑っている。こいつさっき僕がお茶を取りに行った時に入れ替えやがったな。

「どうしたんだ?陽太」

重人が聞いてくる。ほんとならここで先制攻撃をかましたいが重人に辛いのを食わせようと皆に言ってるようなもんじゃないか。

「にゃんでみょにゃひょぉ」


「いやー陽太の作った炒飯は相変わらず美味しいな!」

姉さんも褒めた。本当誰かさんのおかげで上達したみたいだね!具体的には姉さんのね!


「ひょうかいが遅れたけどこの人はにぇえしゃんね。」

まだ舌がヒリヒリする

「陽太の姉の陽乃だ。」

「周防渚です。陽太君にはお世話になってます!」

寧ろお世話したい。

「んーと、クラスメイトの日比谷 重人です。」

こいつの敬語を録音するのを忘れてた事を後悔した。心の底から。

じゃあ食べきって作業に戻ろうか。

「アアアアアアアアア」

入れ替えられたのを忘れてた。

結局僕はポスター側に回って、文章は美奈に一任した。当然ふりがなは打ってもらった。


5月8~16日

ゴールデンウィークが開けてから休みを除く8日間の選挙運動期間を終えた。

5月17日

選挙当日を迎えた。

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