第4話《追及と鉛筆の力》
~入学3日目~
1時間目はHRで教科書が配られたりし、今は休み時間だ。
うちのクラスでは、既にある程度の構図が完成していた。
女子は清光院さんと小鳥遊さんの2人が中心となっている。
男子は中心人物というよりは、何人かの固定された友達同士が集まって話しているといった感じだ。
因みに、その中の1グループが僕に敵意を向けている。
清光院信者だ。他クラスと会わせて既に10人以上確認している。独り占めとか誤解されているが全く持って違う。僕はむしろ嫌われているはずなんだ!
「はぁ...今日から授業かぁ...」
「おいおい主席さんなら授業位余裕だろ」
マズイ。
「ま、まぁね?」
何とかして僕の主席の知的なイメージを守り抜かねばならない。
2時間目は数学の授業だ。件の暴力担任は数学を教えているらしい。
「今日で中学の内容ざーっとおさらいするぞ~」
マズイ、、、
全く理解出来ない!
「じゃあ成星この弧の面積答えろ」
マァァァァァァァァ!
いや!まず「弧」って何!?4cm!?90度!?
こ、こうなれば。
僕の必殺!
鉛筆転がし!
えぇい!
4か!
「4cmです!」
「4cm²だ」
しまった!
「あ、あぁそうでしたね!」
可愛い凡ミスということにしておこう。
辛うじて何とかなった。次は化学か。
~3時間目~
科学の先生は男性教諭で明るい感じだ。40代と言ったところか。
「誰かここ答えてくださ~い。」
誰も挙手しない。
こういうことにはみんな消極的だ。
「じゃあ成星君答えて~」
なんで僕の名前知ってるんだろう。
まぁ姉さん以来の全教科満点合格らしいしまして姉さんのことも考えれば必然かもしれないが。
というか今思えば可愛い子はいてもラブコメ展開にはなってくれないし、もしかして高校選び失敗したのだろうか。
さて、所で問題は元素記号のNの気体の名前を答えろとのことだ!
僕はすいへーりーべーぼくのふね(以下略
を受験前暗唱しまくって完璧に覚えたのだ!その僕に元素記号の問題なんて通用しない!
「ナトリウムです!」
残念ながらそこは覚えていても、それを元素の名前と結び付けられないのだ。
その後数日間授業では数学以外間違いを量産しまくり、僕の知的なイメージは崩れ去ってしまった。
因みに元々彼に知的なイメージなど存在しなかったのだが陽太はそれを知る由もない。
~昼休み~
「ちょっとよろしいですか?」
清光院さんだ。
屋上に連れ出された。屋上には誰もいない。
当然だ。どの校舎の屋上も南京錠で閉ざされている。
だけど南京錠開いている。後に聞く話だと1部の生徒しか知らないが誰かが南京錠をピッキングしてそれを開けっぱにしているらしい。
こ、このシュチュエーションはもしかして?
この高校に入学してよかったぁ!い、いやでも清光院さんに限ってそんなことはないか、、、いやでも、、、
「えーっと...どうしたのかな?」
「貴方ふざけてるんですか!?授業では適当なことばかり言って!どうして分かるのに答えないんですか!?」
あーその件か、、、
清光院さんは起こっている
▽戦う
▽誤魔化す
▼逃げる
戦うは論外として
誤魔化すのも無理だ。
ダッ!
ヨウタハニゲダシタ
ヨウタハニゲキレナカッタ
誤魔化せるきもしないし仕方ないか。
「分かったよ全部話すけど秘密にしてくれる?」
「分かりましたわ。」
「僕は勉強が苦手なんだ。」
「?」
清光院さんは不思議そうにしている。まぁ主席が勉強が苦手だなんて流石に理解できないか。
「もしかして貴方ズルをしたんですの!?それなら許しませんわ!」
誤解された。
「違うよ!違う!まぁズルじゃないと正々堂々とは言えないけど、、、」
「カンニングじゃないのですか?」
「そんなことはしないよ!」
「じゃあ何ですの?」
僕はポケットの中に入っている鉛筆を取り出した。
「これは?」
まぁ当然疑問だろう。
「中学の先輩に貰った鉛筆なんだ。それでマーク式だったから鉛筆を転がして解いたのさ。正答率は元々33%だったんだけど入試の時から100発100中になってるんだ。」
「ふざけないでください!そんな訳あるはずないでしょう!」
「じゃあ、確かめてみる?」
「5×4+9-54÷2は?」
カラカラカラカラ
「2?」
「今のはマグレでしょう!問題式で出しますわ」
~省略~
「ほんとに30問連続正解するなんて、、、」
「これで信じてもらえたかな?」
「えぇ」
「あとこれは秘密でね。」
「分かってますわ...」