第2話《ホームルームと先生の年齢》
絶体絶命かと錯覚した入学式が無事に終わった。
なぜふりがな付きがあったのかはわからないけど、僕としては助かったので良しとしよう。
~ホームルーム~
ホームルームが始まったが、担任の先生はまだ入ってこない。
うちの高校は、3年生までそのクラスで持ち上がりだから、担任の先生は重要だ。
ガラッ
ドアの開く音がした。
女性だ。幾つだろう。見た目は若そうに見えなくもないが、雰囲気が30台中盤のような、、、
「おい、そこの後ろの!今私の顔見て年齢予想しただろ」
ホラ、ハズレだ。僕の3年間が。
ってなんでそこまで読まれてるんだ、、、
「いや~まさか先生が30台中盤だなんて考えてもないですよ~」
笑いが巻き起こった。
なんでだろう?
次の刹那。先生の手が動いた気がした。
どうやら10分程気を失っていたらしい。
これ教育委員会に言いつけてもいいんじゃないかと思いながら前を向くと
黒板には篠崎 聖子と書いてある。(ふりがなは振られていない)
篠崎 聖子と言ったところかな?
あのね!せいちゃんがいじめてくるの!
なんて考えてると日比谷が立った。自己紹介の順番が回ってきたようだ。
因みに次は僕の番だ。1分前まで寝てたから何も考えていない。
「えーっと。えーっと。」
まぁさっきの全校生徒の前で感じが読めなかった時よりはましだろうと自分に言い聞かせた。
「成星 陽太です!」
しか思いつかない。
「出席番号18番で趣味は」
何か格好良い趣味思いつかないだろうか?
「料理等家事です!」
あながち嘘じゃないはずだ。
え?何この疑いの目酷くない?
陽ちゃん泣いちゃうよ!
というわけで自己紹介が終わった。
まだ僕の学園生活は終わらずに済んだようだ。
せいちゃん(担任)が立った。
「じゃあ学級委員決めるぞ誰か立候補しろ」
誰も立候補しない。当然だ。あんなめんどくさいこと誰がするものか。
「じゃあ男子は成星やれ」
意味が分からなかった
「はい?」
「お前主席だしさっきの件もあるし妥当だろ」
さっきの件は考えてただけなんだけどな
というわけで委員長にさせられた。
女子は清光院というやつになったのだが、それが決まった瞬間から男子からの視線が痛い気がする。
いや、可愛いのは分かるけど何もそんな視線向けなくても、、、ね?
ちょっと!男子達の右手にそれぞれコンパスと鋏、カッターその他刃物や手錠がみえるんだけど!
皆僕をどうする気!?
入学早々ろくな目にあう気がしないから終礼も兼ねられてるHRが終わったらすぐ帰れるように準備をしつつチャイムを待った。
キーンコーンカーンコーン...
始まりの礼が女子の委員長
終わりの礼は男子の委員長だから、、、
「起立!気を付け!礼!さようなら!」
と礼を言った直後
スッ
コンパスが壁に刺さった?
気のせいだといいのだが、、、
今後の学校生活に不安を感じながら階段を降りていると
ドンッ!
後ろから衝撃が音ともに襲ってきて地面に叩きつけられた。