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お母さん

気づいたら知らない場所だった。

フカフカで温かい部屋で寝かされていた。


「良く寝たな。1ヶ月寝ていたぞ。」

急に話しかけられた。


『あなた、だれ?』

記憶がぼんやりと、まるで霧がかってる様で思い出せない。

寝ぼけてるのかな。


「あなたとは何と言う言い方だ!!」

突然、頭を叩かれた。

目の前でお星様がチカチカ回る。

それの衝撃で目が覚めた。

思い出した、あの夜、わたしを抱きしめた生き物がいた。

左肩には、白い布が巻かれているから見えないけどあの苦い赤い液体の臭いが微かにする。


「私は、1ヶ月前からお前の母親をしているルーナティアナだ。

 ”お母さん”と、呼びなさい。」

胸を張ってきっぱりと言ってきた。


『・・・わたしはあなたをかんだ。』

「”あなた”ではない、”お母さん”だ。」

もう一度、頭を叩かれる。


「私を噛んだのは昔の悪い奴の仕業だ。

 お前は、1ヶ月前のあの時、私の子として生まれ変わったのだ。

 だから、お前は気にすることではない。」

そう言うとまた手を頭の方に持ってきた。

(また、たたかれる。)

衝撃に備えてギュッと目をつぶる。

でも、何時まで待っても叩かれなかった。

変わりに優しく撫でられる。


「私もちゃんと名前で呼ばなければな。」

目を開けると優しい瞳がわたしを見ていた。


「お前と呼ぶのは、失礼だったな、すまん。」

ポンポンと軽く頭を叩くと腕を組み考え始める。


「実は何度も寝顔を見ながら考えていたのだが良い名が思いつかなくてね。」

困った顔をしてこちらをジーーーっとみる。


「綺麗な青い瞳・・・・宝石のラピスラズリの様だ。

 体は雪のように白銀・・・ラピスノ・・・スノラ・・・スノーラティアナ。

 よし、”スノーラティアナ”がお前の名だ。

 ティアナは、我が家系に代々女性が付ける名の一部だ。」


『スノーラティアナ・・・。』

良い名だろう、と目を細めニッと笑う生き物。

この生き物の良いとか悪いとかの感覚がわたしにはわからないので何と返したらいいかわからない。


「名はな、親が初めに子に与える贈り物だと言われているんだ。」

生き物は、嬉しそうに付け足した。


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