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東の森へ

 天気は快晴。俺達ウィズテーラスは、ギルドへ足を運んだ。ギルドの中へ入ると、いつも通りジェシカさんが冒険者と愛想良く話している姿が。話していた冒険者も、ジェシカさんへ元気良く挨拶をしギルドを後にしていった。俺達もそうだけど、冒険者は皆ジェシカさんに元気を貰っている。


「ジェシカさん、おはようございます」


「あ、カイル君。それにウィズテーラスの皆も。おはよう、今日はまた天気が良いわね」


 洗濯物がよく乾きそう、そんな事を言いながら先程の手続きを迅速にこなしている。その姿は、受付としての熟練度を感じさせた。


「あ、ジェシカさん。今日辺り、天気も良いので東の森へ行ってみようと思います」


「本当? お願いしておいてなんだけど、こっちへ戻ってきて一週間にもならないわよ。いいの?」


「はい、皆の疲労も無くなってきたんで。少し前から身体も動かし始めましたし」


 西の領地、ジュエレールから戻ってきた当日こそ、遠出の疲労感はあったけど、翌日には殆ど無くなっていた。でも折角だし数日羽を伸ばして、一昨日から訓練という名の鬼ごっこを、いつもの草原で再開した。


 ライムは俺に擬態し、今回から俺とアメルに触れなければ得点が入らないルールにしてやってみた。ちなみにリリは、訓練? 嫌よ、と観戦しながらお菓子を食べていた。


 アプサラスは一度アメルに精霊憑依を使って、水の精霊化を可能にしていた。が、アメル本人は水属性の初期魔法しか習得していないし、従魔融合と違って身体の主導権はアメル自身に固定みたいだった。意思疎通は出来るみたいだけど。そのせいか、アプサラスが言う水操作のスキルも満足に扱えない様子だった。


 手から水を出す初期魔法だけ、唱えた瞬間噴水かと思うほどの水が手から飛び出し、アメルが一番驚いていた。


 結果、未知の場所へ向かったり、未知の敵と遭遇。これらが無い限り、基本的にアメルとアプサラスはそれぞれで動くことになった。


 鬼ごっこの方はというと、流石にアプサラスも含めた三対一ならと思っていたが、それこそいい勝負になっていた。が、それもライムが手加減をしてだ。


 ライムへ二体に増えるスキル、分裂は使わないのか聞いてみたら、面白くなくなるから使わないと跳ねながら言われ、余裕を見せつけられて悔しかった。後、俺の姿でそんな跳ねないでくれ。めっちゃ飛ぶじゃん。


「それなら良いんだけど。無理だけは駄目よ? 今日行ったら、実は迷いの森になってました……なんてこともあるかもしれないから」


「それは……考えたくないですね。もしもの時は、これ使います」


 そう言って俺は【錬金術士】アルクから貰った導きの羽を、ジェシカさんへ見せた。ジェシカさんはなにそれ、と興味深々だったので用途を説明すると、口を大きく開けた。


「なにそれ……とんでもない効果じゃない! 別に魔力を込める訳でも無いんでしょ?」


「はい、意識的には出してなかったと思います。勝手に吸われてたらちょっと怖いですけど」


 ジェシカさんに言われて改めて思ったけど、やっぱりこの道具は凄い。その効果を得るために、何らかの副作用があってもおかしくないのでは? とジェシカさんは心配してくれている。俺も考えたら段々怖くなってきた。ほんとにもしもの時だけにしとこう。後、アルクに効果をちゃんと確かめよう。なんともないよ、と笑顔で言われそうだけど。


「副作用があったとしても、それが欲しいって言う人は山のように居ると思うわ。相当の金額が提示されてもおかしくない代物よ、盗みを働いてでもっていう人も出かねないから、管理には十分気を付けてね」


「分かりました、ありがとうございます」


 じゃあちょっと待っててね、そう言ってジェシカさんは俺達用にペンを走らせていく。手続きを始めてくれた様だ。


「秘密裏ではあるけど、歩合制だから記録に残しておかないといけなくて」


 これでよし! とジェシカさんは書類を片付けた。


「成功の可否に関わらず、報告には戻ってきて。一週間過ぎても報告がない場合は、ヤマトから繋いでもらう形になるから」


 ヤマトさんのスキルを使って、様子を見に来てくれる感じか。俺が野宿とかしてたらどうなるんだろう?


「ヤマトさん、そんな事もしてたんですね」


「今回が異例ではあるけどね。貴方達ウィズテーラスは、今や中央都市にとって大事な戦力だから」


 頼りにしてるんだから! とジェシカさんは言ってくれた。有り難いな。


「アメルちゃんも銃弾の補充は大丈夫?」


「はい、使ってないので大丈夫です。銃身は丁寧に拭いているつもりなんですが、中の方は何とも言えないです。どこかでティアジャールさんに見て頂こうかと思っていて。私では弄れないですし……」


「それがいいわ。使わないに越したことはないもの」


 気をつけてね、とジェシカさんに笑顔で見送られ俺達はギルドを後にした。

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